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コスプレで大変身!?

23:配信準備をしたよ!

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今週もあっという間に過ぎていって気付けばもう金曜日。
学校へ出かける足も少しばかり軽く感じる。
それもそのはずで今日は終業式がある。
つまり明日から夏休み。

やりたい事も沢山あるので今年の夏休みは忙しくなりそうな予感。

校長の妙に長い話を聞いて教室へ戻ったらあとは少し長めのホームルームをして解散。

正直語るような事は無いんだよね。

ちなみに裕翔は夏休み中に陸上の競技会などがあるらしく忙しいらしい。

僕みたいなもやしっ子にはそんな事出来ないからその体力は羨ましいな。

でも僕は僕なりの方法でこの夏を楽しんでいこうと思う。

------
そして訪れた週末の土曜日。
僕は名古屋駅で薫さんを待っていた。

「優希くんお待たせ。」
「いえ、僕も今来たところですよ!」

「ふふっ、ならよかった。」
「今日はどこへ向かうんですか?」

「えっとね、先週と同じGloryCuteだよ。」
「えっ?」
嫌な予感がする。

「それじゃ、前と同じところに停めてるからいこう?」
「は、はい。」
僕は流されるままに先週と同じビルへと向かう事になった。

そして薫さんの車に近付いていくと助手席に誰かが乗っている事に気が付いた。

「あれ?薫さんの車に誰かいますよ?」
「あっ、そういえば紹介してなかったね
あそこにいるのは私の妹の由良ゆら。
優希くんの3Dモデルを作った人だよ。」

そして車に近付いている僕達に気付いた由良さんが車の中から手を振ってきた。

車の中に入ると由良さんが僕に話しかけてきた。
「君が優希くんだね?お姉ちゃんからさっき聞いたかもしれないけど白姫ゆかの3Dモデルを担当した由良です、よろしくね!」
「はい!よろしくお願いします!」

「いやー生で見る優希くんも可愛いねぇ!」
「そ、そうですかね・・・?」
褒められているのは分かっていても男としては複雑な気持ちになってしまう。

「それで今日はどうして由良さんも来ているんですか?」
僕は気になったので二人に尋ねてみた。

「優希くんって外で配信する手段持っていないでしょ?」
「あっ」
そう言われるとそうだった。
ノートPCを持っていないから3Dモデルを使用した配信は出来ないんだった。

「あれ?という事は・・・?」
「そう、今日の配信はスマホを使ったライブ配信だよ。」

「そんな事まで先週の僕は言ってたんですか!?」
「私とオフコラボとしか言ってなかったからなんとなくこうなる予感はしてたんだ。だからここを押さえさせてもらったんだけどね。」

「うっ、まぁ場所を確保して貰えただけでもありがたいです・・・」
「まぁそこは大丈夫、あそこのマネージャーさんは私の先輩で融通も効くし、優希くんが衣装を着るならいつでもOKって言ってたから。」

「どうして僕にそこまで・・・?」
「優希くんに自覚は無いかもしれないけどね、整形もせずに男の子でそんな見た目の子普通は存在しないの。」

「確かに昔から可愛いとかよく言われてましたけど、そこまでいないものなんですか?」
「うーん、見た目だけなら女の子っぽい子はお化粧すればそこそこいるんだよね。
でも優希くんみたいに可愛い声を持って小さい身長、女の子みたいな肩幅、上げたらキリがないけど、優希くんほどの子はまずいない。断言してもいいよ。」

「それが僕の強みなんですね・・・」
「そういう事、私は優希くんみたいな子好きだよ?」
「うんうん、私も好きだよ!」
二人に好きだよなんて言われると恥ずかしすぎて顔が真っ赤になりそう。

「すっ、好き・・・」
「だからね、自分を卑下しないで、自信を持って。
自分は可愛いんだぞー!って世間に知らしめてあげればいいんだよ。」

「もしかして今回の配信って・・・」
「そう、世界にはこんなにも可愛い男の子がいるんだぞ!って見せつけてあげるの!」

「僕が、可愛い・・・」
「そして私はそのための撮影係として呼ばれたってわけ!」
由良さんははにかみながらそう言った。

そしてそんな話をしているとビルに到着した。
先週のように受付に向かい案内されてマネージャーさんのいる部屋に通された。

「あらー!優希ちゃん1週間ぶりね!
今日は配信をするって薫ちゃんから聞いてるんだけど、まず先週と同じ衣装着てみない?
お化粧は先週と同じ子がやってくれるから安心して頂戴!」

「は、はい。」

「それじゃ私も着替えてくるから優希くんもいってらっしゃい。」
「はい!」

そして先週と同じ部屋に僕は通された。

「それじゃ優希くん、今日もよろしくね!」
「はい、お願いします!」
------
「はい、出来た!先週と同じだけどどう?」
「はい、その、可愛い・・・です。」

「そうでしょ!優希くんは本当に可愛いわね!配信の方も頑張ってね!」
「はい!ありがとうございます!」

「優希くん、準備は出来た?」
薫さんがドアをノックしながら問いかけてきた。

「はい、大丈夫です!」
「それじゃこっちにおいで。」
僕はドアを開けて薫さんに着いていこうとした

ーしたのだけど、そこにはとても綺麗なお姉さんがいた。

「どう、かな?似合ってる?」
「は、はい!すごく似合ってます!」

僕と同じように黒をメインにしたフリルの多いドレスを着た薫さんがいた。
脚のラインがとても綺麗で思わず見惚れてしまった。

「ふふ、よかった。
優希くんも似合ってるよ。」
「ありがとうございます・・・」

「(今日はゆかちゃんじゃないんだね・・・)」
ぼそりと何かを薫さんが呟いたような気がした。

「何か言いました?」
「ううん、何でもないよ?」

そして配信をするための部屋に二人で入っていった。

「おぉー!二人とも似合ってるよー!」
「ありがとう、由良。」
「あ、ありがとうございます・・・」

「あー恥じらってる優希くんも可愛いなぁ!」
「だよね!流石由良!わかってる!!」

「でも今の二人、姉妹みたいでお似合いだね、私だけ除け者みたいでちょっと寂しいな?」
「由良は大事な妹だから安心して、ね?」

「言ってみただけだから大丈夫!」
そう言って由良さんはてへぺろと言わんばかりに舌をべーっと出した。

「それじゃ二人とも準備はいい?」

「大丈夫。」
「は、はい!」

「いくよ!」
由良さんの合図で配信スタートを告げられた。

ただ、僕の女装姿が沢山の人に見られると思うと、落ち着くなんて事出来るはずもなかった。
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