まさか転生? 

花菱

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「このカードに魔力を流してください。これで登録は終了ですので、説明をしましょう。
 今後自動的にカードに討伐記録が記録されていきます、またビャクさんが既にされている従魔の装身具ですがキチンと魔力登録がしてあればカードで確認できるようになっていますので、今後従魔が増えた際にも装身具への魔力登録を忘れず行ってください。

 エアさんの場合B……できればCランクにしたかったんですがDランクに、新人はFランクなんですがさすがにそれは出来ませんからね。

 あと依頼を受けた場合その内容と期日が分かるようになっていまして、失敗した時はその記録がまた中には違約金の発生する物のありますので注意して下さい。

 カードを無くした場合、再発行に大銀貨1枚が必要になりますので無くさないようにしてくださいね」

「やっちゃー! みぶんしょうができまちた! びゃく~、わたちのみぶんしょうでしゅよ~」



「さてエアさん、魔物の買取金額ですが、ギルドに口座を作って入れる事も出来ますが……」

「だちいれはかんたんでしゅか?」

「ええ。何処のギルドでも関係なく、手数料もかかりません」

 凄い、手数料掛からずに、どこの国でも良いなんて。

「じぇんぶこうじゃにいりぇてくだしゃい!」

 カードが出来て喜ぶ姿も、口座への入金も、なぜか周りから暖かい視線を感じます……



 幼女の浮かれ様は余程微笑ましいんでしょうか? サブマスさんまでニコニコしてる……それを見て周りからザワザワと"笑ってる""コワッ""天変地異の前触れ?"などとおかしな言葉が……皆さん大丈夫? 知らないよ?

「皆さんの顔は覚えました、覚悟してくださいね?
 失礼しました。エアさんの本日の買取金額はこうなります、確認してください」

 渡された書類には、記録の魔石の金額は勿論だが、魔物の種類と数・解体数・買取品目と金額が書かれていたが、2か所間違い発見!

「ここちがいましゅ、しょにょしぇいでここもちがいましゅ」

「!? すみません。エアさん、計算が出来るんですね、しかもとても速い」

「えへへ~♪ びゃく~、ほめりゃりぇまちた~。うふふ」




「⦅……エア……賢い⦆」

「⦅ホントに……でも今は悪い噂のある冒険者がいないようでよかったですよ⦆」

「⦅そうだね~、目立つよね~⦆」

「⦅ここにいる冒険者には気に入られたようだからな、注意は必要だが少しは安心できるな⦆」

「⦅今の所、会えば会う人に気に入られてますからね⦆」

〔⦅エアの可愛さには勝てんな……⦆〕



「入金も終わりました、確認してください。あと持ち帰り分の解体も明日になるとの事ですので、よろしくお願いします。これですべて終了となります。お待たせしました」

「いりょいりょありがちょうごじゃいまちた。またあちたきましゅ」

 サブマスさんや他の冒険者さんにバイバイと手を振りギルドを出て、ようやく待ちに待った街の探検!





「さあエア、何が見たい?」

「しょのまえに、きょうかいにいきたいんでしゅけど……」

「そうでしたね、私達も行きたいと思っていたんです。行きましょう」



「ここが教会だよ~。街が大きいから結構大きいでしょ」

 ホントに大きい、それにとってもキレイ。周りの建物と同様に石造りだけど迫力が違う。


 中に入ってみると左右に長椅子が並び中央の通路を進むと、少し大きめの女性を真ん中にして右に男性と女性、左は男性が2人の神様の石像が飾られている。

「ここで祈りましょうか」

 長椅子の一つに座り、突然この世界に来たが神様のおかげで何とかなっていることを報告……目を閉じた途端






「ようやくお会いすることが出来ましたね、相沢さん、お待ちしていました」

 いきなり話しかけられ目を開けると、綺麗な花畑の中に立つ東屋にいた……教会にいたのに?
 目の前には金髪のゴージャス美女、スレンダー美人だ!

「? さっき飾られてた女神さま?」

「初めまして、私はこの世界"フレアアルト"の創造神フレアデラです。
 以前夢の中で話しかけたのも私です。その時にも話しましたが、私はまだ死ぬはずではなかった相沢さんを死なせてしまいました。
 謝った所で取り返しがつかない事と知りながら、さらに身勝手にもあなたを私の世界に連れて来てしまったのです。
 本当に申し訳ありません」

 いきなりこの世界の一番偉い神様に深々と頭を下げられて、ワタワタと慌ててしまう……

「え! いや、ちょっと! 大丈夫です!
 大丈夫じゃないけど、でもいいんです。確かにビックリしたりと色々ありましたけど、大事な家族が出来たんです。
 こちらこそ神様から色々素晴らしい物ばかり頂いててありがとうございます。お陰様でとっても快適なんですよ!
 ところで、こんな美幼女にしていただいてよかったんですか?」



「いいんだよ。この世界で好かれやすいように全員で考えたんだ、嫌か?」

 突然別の声が聞こえて、聞こえて来た方を見ると4人の神様の姿……4人共すっっごい美形!



「「初めまして、生と死の神"ビーダ"と"ムエルト"僕たちは双子神なんだよ!」」

 元気な可愛い少年たちだ。ビータ様が銀髪でムエルト様は黒髪

「私は魔法の神"エルミナ"分からない事は何でも聞いてね♡」

 真っ赤な髪の神様で、美女というより美少女かな?

「俺は闘いの神"アルド"フレアに聞かされた時には、もう地球の輪廻には戻せなくなっていたんだ……言い訳になるが地球の輪廻に戻れないなら、前世以上の幸せを見つけて欲しいと願ったんだ」

 青色の髪で、闘いの神様だけあって、すごくきれいに筋肉が付いてる細マッチョさんってやつだね!



「フレアデラ様にも先程言いましたが、ビックリしましたが神様方にも大事にしていただいて感謝しています。
 わたしこそ様々な能力や素晴らしい物を沢山頂いて、とても快適です」

「「じゃあ、もうお互いに謝ったりお礼を言ったりは終了って事で!」」

「そうね。前世と今どちらの名前で呼んだらいいかしら~?」

「今の名前も神様が考えてくださったんですよね? エアと呼んでください」

「じゃ、エアちゃん。あなた色々作るのに場所を考えていたでしょう?エアちゃんには創造魔法と無属性魔法があるんだから何でも出来るのよ?」

 …………?

「エル、それだけではわからないでしょう……。エアちゃん、まず創造魔法で空間魔法を作るのよ、そのあと……過ごしてみたい場所……」

「フレア、そうじゃないわよ! 別荘と別荘地を考えるのよ~」

「「憧れる物をイメージしながら空間魔法を発動だよ!」」

 憧れる……海と森があって広い草原も……きれいな小川なんかも良いなぁ、採取が難しい物なんかを育てることが出来てもいいかも……

「家族を連れていくことも考えた方が良いぞ」

 家族も一緒に行くなら? だったら別荘としての建物は広く使いやすく、部屋数もないとね、あと各部屋からの景色がきれいで……ビャクも皆も強いけど危険がないのが良いよね……

「うふふ、次はさっきイメージした所へと続く扉を考えてみてね」

「空間魔法発動!」



「「「「「すごい! すご過ぎる!」」」」」

 神様たちは興奮しているけど、私の目で確認できるのはイメージしたばかりの扉……ま・さ・か……

「何、これ……これが空間魔法?」

 扉を開けるとそこに広がっていたのは……憧れの別荘の何倍も素敵な場所で、海と空の青にも森と草原の緑にも邪魔することなく馴染んでいる豪邸。

「鑑定してご覧なさいな」

 フレアデラ様に言われるがまま、まずは扉の鑑定から

 《空間魔法で作られた扉》 製作者 エア・ルミナード
 空間魔法で作り出した別荘へと繋ぐ扉。
 扉周辺に人がいる場合使用者へ伝わる。
 扉は許可されたもの以外には見えず、念じるだけで出し入れが可能。
【隠蔽・破壊不可・使用者限定・結界自動展開】


 《空間魔法で作られた別荘》 製作者 エア・ルミナード
 製作者のイメージを元に作られた空間。外敵はおらず、天候も変わることなく常に過ごしやすい気候。
 作物や生き物も通常より育ちやすく、品質も良くなる。(生き物は敵意を持たなくなる)
 建物は外観を変えずに中だけ変えることが出来る。
【破壊不可・防火・防汚・防水・快適温度・使用者限定】



「すごーい! 想像以上! 海外セレブだ~」

「これは空間魔法だけど、今後家を建てるのもエアちゃんなら地属性魔法とか無属性魔法を使えば、どんな物でも作れるわよ~」

「ええ~! そんなすごいことが!? わたしがこんなすごい魔法が使えていいの?」

「もちろんいいぞ。ところで、お願いがあるんだが……」

「なんですか? わたしに出来る事なら何でも!」

「「「「「美味しい物を作って!」」」」」

 ……………え?

「この世界はどんな料理でも食材の味は良いんだけど、料理の工夫がないのよ~」

「「質より量で、しっかり食べれたらいいって感じ」」

「だいたい塩味なんだ……」

「見てるのも飽きたのよ」

 どうしよう……料理の話になったら全員暗い空気に……

「これ、俺達の像なんだが、テントにでも飾って、時々でいいから料理をもらえると嬉しいんだが……」

「わたしの料理でいいのなら、この像の前に供えたらいいですか?」

「「「「「いいの!?」」」」」

「味の保証は出来ませんが……」

「「「「「ありがとう、たのしみ!」」」」」

 よっぽど辛いんだね……神様なのに……



「そろそろ戻った方が良いだろう」

「そうね、実際の時間は殆ど進んでいないから周囲に気付かれることはないけど、そろそろね」

「「料理楽しみにしているよ!」」

「全属性を持っているんだから、どんな事にも挑戦してみてね♡ 分からない事があったら、私達の像に向かって祈れば届くから~」

「「「「「どうかこの世界を楽しんで!」」」」」



 すぅ~っと、意識が戻る感じがして目を開けると、目の前にはビャクの姿、そして左右には蒼の剣の4人。
 わたしが目を開けてから間もなく、みんなも祈りが終わった。今度こそ街に繰り出すぞ!
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