まさか転生? 

花菱

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〔戻ったぞ、心配ない。部屋から取って来る物があったようだ〕

「よかった~ 急に慌てだすから何かあったのかと思った~」

「ごめんなしゃい、しゃっき、しゅてーたしゅへんこうにょおちらしぇがあってかくにんちたら、かみしゃまからめっしぇーじがあったんでしゅ。
 しょにょにゃかに、きににゃっていたことがあって……こりぇにゃんでしゅ。
 しゅてーたしゅのほかにょこちょは、あとでいいましゅね」

「ん? ステータスが変わるのは分かるが、お知らせってなんだ?」



 メッセージには"魔力を少し流す"とあった。ちょっと緊張するので深呼吸をしながらチャレンジ! すると、黒い板がいっすら光り始めた……

『タブレットだ……ん? メッセージ……』

 操作法はタッチパネルのようだ、画面にメッセージの表示があったので開いてみると



 ――神より――

・このタブレットはこのテント内でエアのみが使用出来るもので、前世の知識を調べることが出来るようにしています。使えないけどインベントリに入れておくといいですよ。
・相沢 悠さんのスマホやパソコン、そしてアルバムなど全部ではありませんが記録も入れてあります。
・魔力を流すだけで使用できます。
・家族には見せることが出来ます。



 メッセージを読み終わったら画面上の"アルバム"をタッチすると、たくさんの記録がならんでいる。わたしが生まれた時から両親や祖父母が撮ってくれていた写真たち……久しぶりに見て、涙がこぼれ落ちてくる。

『これ見て、前世の両親と祖父母と、わたしなの……神様がくれたの』

 突然泣き出した私を心配して、顔や手をペロペロなめてくれていたビャクに伝える。

〔!? 神からの贈り物か。前世のエアと家族……どれがエアだ?〕

『抱っこされてる赤ちゃんがわたし、まだ立てない時だね』

〔この赤子か! おお、かわいいな〕

「前世のエア!? どれ?」

「わ~ かわいいね」

「前世の姿ですか? それも生まれたころの……さすが神ですね、このような素晴らしい物。まるで本物の人がこの薄い板の中にいるようです。エアさんにとって大切な記憶ですか、良かったですね」

「……この周りの人は?」

「こりぇが、おかあしゃん、おとうしゃん、おじいちゃん、おばあちゃんでしゅ」

〔大事な物だ良かったな、エア〕

「はい」



 そのまま写真を見ていくと……!!

「ふわあぁぁぁぁぁぁ~! にゃくちたとおもっちぇた、モフモフデータ!! きゃぁぁぁ~ やっちゃ~!!
 ひゃあぁぁぁ~ モフモフにょムクムク~ うひゃぁぁぁ~」

 泣いたことなど無かったように、キャーキャーワーワーと1人でお祭り騒ぎのエア

「「「「〔えぇぇ~ モフモフって……〕」」」」

 突然泣き出したことに心配した面々は思わず脱力。



「いきなり慌てるし、泣き出すから心配したが……クククッ……あれだけはしゃいでるなら大丈夫だろう。
 でも、夜もし何かあれば呼んでくれ。エアが言ってた、少し精神が幼くなってるってのが気になる」

〔わかった。さてと、そろそろ戻ってこいエア!〕

『ん? 今モフモフ祭りの最中なの! ビャクのモッフモフは最高だけど、触ったことの無いこの仔達はどんな手触りだったんだろ~』

〔何だ? モフモフ祭り? それよりステータスの事だ。何かあるんじゃないのか?〕

「あっ! しょうでちた、えへ?
 まじゅ、れべりゅがあがりまちた。しょりぇちょ、しょうごうに"あおにょちゅりゅぎにまもらりぇちもにょ"がちゅきまちた。
 あちょ、かみしゃまが、てんと、とくにきっちんをかえてくりぇたしょうでしゅ! びゃく、ちゅりぇていっちぇくだしゃいな♪』

〔何!? キッチンか! よし急ぐぞ〕

「今度はビャクまで……でも、キッチンか確かに気になるね」



 キッチンと聞いてビャクの尻尾はブンブンで、わたしももちろんワクワクしてる、だって神様がしてくれたことだから期待しちゃうよ~。

 変わった所を探すイメージで鑑定すると…………

「キャーーーー!! しゅごい! れいじょうこがー! ありぇ? びゃく、ちょうみりょうちょか、いりょいりょふえてましゅ。
 おおーーー!! なくなりましぇん、ちゅかっちぇもなくなりましぇんよ!」

「無くならない? 食べても減らないってことか?」

「しょうでしゅ。かみしゃまがあたらちくちてくりぇまちた!」

「本当に可愛がられているんですね。この笑顔が見られるなら甘やかしたくなりますね」

「しゅいーちゅにょしゅりゅいが、たくしゃんふえてりゅ~」

「……すいーつ?」

「あまくっちぇ、おいちーの。ぷりんちょか、こんぽーとちょかにょこちょ」

「増えてるの!? へ~楽しみ」

「ね~♪ みんにゃでいっちょにたべようね」

〔待ち遠しいな。絶対どれも美味いのだろうな〕

 絶対だよ! 間違いなく美味しいよ。どれから食べるか悩むな。




 キッチンで全員集まって一騒ぎしてから、再びリビングに移動して、まだ皆に言っていない事…………
 
 魔物と戦わずに逃げた悪者を退治するために、考えて出来た新しいスキルの発表と確認です!

 鑑定さんの説明では、記録の媒体として魔石が必要で魔石のランクによって記録時間などが変わるらしい。その中にスキルで記憶を移すのだが、記録を入れるのはどのタイミングでも可能という優れもので、前世の映画みたいなことが出来るらしい。
 


 自分たちが助かるために協力するんじゃなくて、なすり付けて逃げるなんて、相手の事を全く考えてない悪い奴は許さないんだから!


「しゃいごにもうひとちゅ。こりぇは、あにょにげたひとたちに、いいにょがれをしゃしぇにゃいためにょもにょでしゅ。
 しょにょにゃも、とうえいまほう!!」

 …………? みんな無反応ですね。大々的に発表したけど別に凄い物でもなかったみたい……

「〔なんだ? それは〕」

 え? 普通に知られてるから無反応なんだと思ってたら、逆だったのか~

「んちょ、あたらちいしゅきりゅでしゅ。ちょっちょためちてみましゅね。
 まじゅ、ましぇきをよういちまちゅ、らんくは……りぇんちゅうだかりゃ、ちー? しょりぇちょみょ、でー?」

「良くわかりませんが、練習ならEかFでいいのでは?」

「わかりまちた。でーよりちたはにゃいかりゃ、でーをよういちまちゅ。ちゅぎに、びゃく~ あたましゃわらちてくだしゃいな? ありがちょ。
 しょちて、しゅきりゅはちゅどー! できまちた……たぶん。こにょましぇきに、まりょくをにゃがちてみてくだしゃい」

「……わかった」

「どうなるんだろ、ちょっとドキドキするね」




「「「「おお! 凄い」」」」

〔これは、初めてエアと話した時だな! どうなってるんだ?〕

 ライルさんが魔力を流すと、魔石の上にとても鮮明な、まるで映画のスクリーンのよう映像が現れた。


 ビャクとの出会いから、契約後わたしが採取をしているのを待っているところなど、キャンプ地に到着する前までの様子が鮮明に見える。

 確認の為に色々な角度で見てみるがどの角度でも問題なく見えているし、音声もきれいに聞こえている。聞かれてはいけない内容(神様とか)はその言葉を喋っていないように変えられてはいるが、違和感なく変えられているのでこれなら問題なさそうだ。



「こりぇは、わたちとびゃくにょ、きおくをあわしぇたもので、こにょほうほうにゃら、じぇったいにいいにょがれはできましぇんち、もちもにょときにも、しょうこになりましゅ。
 ちゅぎはほんばんでしゅ。こんぢょはみんにゃのあたまにも、じゅんばんにしゃわらしぇてくだしゃい」 
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