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1章

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  それからはそいつらの仲間から知り合いへと広まり相手に困ることはなかった
  毎日待ち合わせてヤって金を受け取り帰る、、ただそれだけ、、、

                        
  今日もいつものように相手して次の待ち合わせ場所に向かうとこだった
  すると前方にフラフラと歩く1人の男性
  しばらくすると壁にもたれて座り込んでしまった
  少し迷った後に近付けばうなじに噛み跡がチラッとみえる

  "オメガ....発情期か?..."

「発情期?」

  そう短く聞けばビクッとして見上げられる

「あっ、、はい。買い物に行こうと思って、、予定までまだ数日あったから少しなら平気だと思ったんですけど....すいません」

  そう答えた

「別に謝られても....薬は?これまだ飲んでないから。」

  そう言ってたまたま持っていた水を渡す

「ありがとうございます。」

  そう言って男性は急いで薬を飲む

  "いくら薬を飲んだとしてもこのままここにいるのは良くねぇよな……"

  そう思ってあたりを見渡せば1つのビジネスホテルが目に入る

  "とりあえずあそこでいっか。"

  そう思ってまた声をかける

「とりあえずここにいるのもあれなんで向こう行きません?」

  そう言ってホテルを指さす
  男性は困惑した表情で

「番に先程連絡したので大丈夫です。」

  とだけ答えた

「でもその状態でここに居続けるのも良くないんじゃないの? あと、俺オメガだから。」
「えっ..?」
「だから心配しなくてもへーきですよ。」
「そうだったんだ、、、じゃぁお願いしようかな、、。」
「んー。」

  そう言って男性の腕を掴み肩にまわして歩き出す
  ホテルに着き受付を済まし

「後でこの人の番だって人が来ると思います。その時は部屋番伝えてください。」

  そう伝えて部屋へ行きベッドに寝かせる
  
「ありがとうございます。」
「いーえ。ホテルの位置情報は送りました?」
「はい。もう近くまで来てたみたいなのですぐ来ると思います。ほんとにありがとうございます。そう言えば自己紹介まだでしたね、私は和泉 朝陽いずみ あさひと言います。」
「あっ、俺は、、、、

  そう名前を言いかけた時

「あさひ!!!!」

  勢いよくひらく部屋の扉
  背の高い男性が焦った顔で入ってきた

「あっ。あおい、、早かったね。」
「お前発情期おこしたって!??大丈夫だったのか?」

  そう言いながらベッドに近づき男性の顔を覗き込むと頭を優しく撫で強く抱きしめた
  その光景を目にして

  "どうしてあの人は同じオメガなのにあんなに愛されているのだろう"
  "あんな風に心配されて抱きしめられた事なんて俺は一度も......"

  そうふつふつと湧き上がる感情、、、
  
  "なんだこれ?"

  同じオメガなのに自分とは全然違う環境にいる彼に対して湧き上がる感情、、、
  目の前の光景を見ながら考えれば出てくる答え、、、

  "あぁ嫉妬か......"

  それに気付いた瞬間思わず自嘲気味に笑う

  "こんな汚れた自分が誰かに愛されるわけがないだろう。まだ希望なんか持ってんのか俺は。"

  そんな事を思っていると、目の前にあおいと呼ばれていた男性が立っていた

「君が朝陽を助けてくれたんだね。彼は僕があまり無理をしないでくれと言ってもなかなか聞いてくれなくてね、、、いつも発情期前は不安で、、、そしたら外で発情期を起こしたなんて連絡がくるから不安だったんだよ、、、」

  そう心配そうに話す

「でも君が手を貸してここまで連れてきてくれたんだろう?ほんとに助かったよ。ありがとう。」

  そうお礼を言いながら俺の手を握り頭を下げる
  あおいさんの後ろの方では朝陽さんもペコッと頭を下げている

  "声をかけたのは次の待ち合わせの時間稼ぎのつもりで、、、別に感謝なんか、、、"

  そう思ったらこの場にいるのが嫌になってきて「別に暇だったからしただけなんで。」そう言えば足早に部屋を出た。
  後ろの方であおいさんの呼び止める声が聞こえるが聞こえないフリをした

  そのままホテルを出て携帯を見れば待ち合わせ時間をとっくに過ぎていた。

  "マジか.....いけると思ってたけど無理だったか....."

  すると着信を知らせる携帯。
  見てみれば待ち合わせ予定の男からで、、
  ため息を零しながら電話に出れば聞こえてくる罵詈雑言。聞く気にもなれず少し耳から離して終わるのをじっと待つ。
  少し落ち着いてきたタイミングで今日どうするのか聞けば最後の客の後に会うことになった

  "あんだけキレてたくせに結局ヤルことはヤるんだな。"

  電話を切りながらそんな事を思っていれば少し遠くに先程の2人の姿が見えた
  寄り添いながら歩いている姿に背を向けながら「あーぁ、やっぱ声なんかかけなきゃよかった。」なんて小さい声で呟く

  歩きながら次の待ち合わせまでの時間を確認すればまだ余裕があって、、、
  だから近くにあった公園に入りベンチに腰を下ろし時間が過ぎるのをただ待つ事にした

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