幼馴染の彼

あんにん

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   俺が俯いたまま応えられずにいれば、はるにぃが顔を覗きこみ「泣いてるのか....?」そう言いながら肩に触れてきた
  
   見られたくなくて思わず「大丈夫だから」そう言って距離を取れば「なおや、、、」と何だか悲しそうな声を出す

   なんでそんな声で俺の名前を呼ぶの....碧さんだっているのに....はるにぃがわかんないよ....どうして恋人が横にいるのに.....俺の事をそんなに気にかけるの......

   分からない感情に頭がいっぱいで、、、そんな時助けを出してくれるのは楓で、、、「目にゴミが入っちゃって....でもさっき取れたんで大丈夫ですよ」そう言いながら俺の目元の涙を拭う

   その言葉に「そうなのか?」と問いかけながら目元に触れようとするはるにぃを何とか交わし「そうだよ。でももう大丈夫だから、、、」そう笑顔を見せながら応えれば、行き場を無くした手を下ろしながら「そっか...」と小さく呟くその顔はどこか寂しそうで.....

   すると「ねぇはると!もう行こうよ!幼馴染み君大丈夫なんでしょ!」そう言いながらはるにぃの腕を引っ張る碧さん

   「んっ?あぁ、、そうだね。」なんて応えるけど全然動こうとしないはるにぃに皆が疑問を抱く
   それに痺れを切らした碧さんが「何かあっても横に彼がいるんだから平気だよ。はるとが気にする事ないでしょ。」と言いながら俺に視線を向ければ睨みつけてくる

   別に俺がはるにぃを引き止めている訳でもないのに睨まれる意味がわからなくて視線を逸らせばそれが気に触ったのか「はると!こんな幼馴染みほっといて早く行こうよ。」そんな事を言いながらはるにぃの背中を押し始めた

   その行動に「分かったから、行くから押すな。」そう言ってようやく歩き出し2人は遠ざかっていった

   そんな2人の後ろ姿を眺めていれば「なんだったんだろうな....」と言う楓を見上げれば同じように2人の後ろ姿を見ていた

   2人の姿が見えなくなれば楓が俺に向き直り「そんで、お前は何があったんだ?まぁ何となく予想はつくけど.....」そう聞いてきた

  「とりあえず家上がらない?」
  「まぁ、そうだな。」

   楓の家でゲームをする予定を変更して俺の家へ
   先に上がってもらい飲み物と少しのお菓子を持ち部屋に行けば自分の部屋のようにくつろぐ楓に笑みがこぼれる
   飲み物を渡し一息つけば再びあの質問をされる
 
  「そんで何があったんだ?」
  「碧さん、、、はるにぃの恋人に俺の気持ちバレて、俺がヒートの時に邪魔したのもバレてた、、、」
  「マジか、、、でもそれはなんでバレたの」
  「はるにぃに紹介された時の俺の反応で.....」
  「そんで何か言われたりしたのか?」
  「余計な事しないでって、俺の気持ちは迷惑だってさ.....」
  「そっかぁ、、、」
  「まぁそうだよなって、、、恋人の近くに恋人の事が好きであんな行動までする奴がいるなんていい気分じゃないよな.....でもさ.....俺諦めようと思っても.....どうしたらいいか分かんなくて.....気付いたらはるにぃの事考えちゃってるし.....今日だって.....2人の姿見て苦しいはずなのに......心配してくれたのが嬉しくて.....でもやっぱり苦しくて......もぅ....やめたぃのに、、、」

   そう言いながら止まっていたはずの涙はまた溢れ出してきて
   そんな俺の傍にきて静かにティッシュを渡してくる楓

  「とりあえず泣きたいだけ泣いたらいいよ。俺のことは気にしないで、、、」

   そう言いながらゆっくりと背中を撫でてくる 
   背中に感じるその温かさに、楓の優しさに俺は子供のように泣きじゃくった
  
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