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しおりを挟む初めてあった時、これほどまでに美しい存在があるのかと思った。
陽の光の中でキラキラ輝く君は、その笑顔も相まって、神々しいまでの姿をしていた。思わず手を伸ばして、でも、触れられないのではないかと思うくらいの、完成された絵画の様な光景に躊躇って手を引っ込めかけた。
そんな手をそっと取って引いてくれたのは、君だった。幻にも思えた存在が、確かにそこにある事に驚いた俺を、君は高らかに笑い飛ばした。
一歩足を踏み出すと、眩い光が俺たちを照らし、一瞬目を閉じた。ゆっくり開けると心地よい風と暖かな笑顔たちが迎えてくれた。
その光景を今でも忘れない。忘れられない。
今までのつらい鍛錬が、何度もやめたいと思った訓練が、君の、君たちの為にあるのだと知った。
君たちを、君を守りたいと、心の底から思った。力が欲しいと、初めて思った。
けど、守れなかった。君たちを。そして、何より大切な君を。
かつての俺の言葉で、致命的な傷をその心に負った君。誰よりも光の下が似合う君が、今は冷たい闇に沈んでいる。
俺に出来る事はあるだろうか。俺に出来る事であれば何でもしよう。
だから。その代わりに。
——もう一度、もう一度でいいから。
——あの笑顔を見せてくれないか。
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