拝啓、貴方様へ

木野 章

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拝啓、貴様へ

一通目

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大黒屋 空斗へ


この世で一番憎い人間は誰かと問われたら、間違いなく貴様を選ぶだろうな。

お前との最後の思い出は廊下で蹴り飛ばされたことになるだろうか、いや、ごみ箱に頭をぶち込まれたことだったっけな?

お前はさぞかし楽しそうだったな。きっと貴様は僕で遊ぶのが世界一上手だな。

嬉しいか?そうかそうか、まあ知ったことではない。

お前はこれから殺人鬼になるんだ。僕を殺した罪を永遠に背負うんだ。

それで僕は、お前が定期的に僕を思い出しては苦しめられるのを見続けるんだ。

僕は楽しみで仕方がない。貴様のおもちゃを卒業できる事も、馬鹿な連中に頭を悩ませなくて済むことも、何もかも。

僕はこの手紙を置いて、あの世へ旅立つよ。もうおもちゃ遊びも卒業しろよな。



開原 珊吾より
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