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俺だって羽ばたいてみたいけど
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夕焼けの光と共に、俺の視界に映り込んで来たのは
「……へ、?鳥だ……?」
やっぱり鳥だった、けど
イッセ王国では見るようなものじゃなくて、全く見た事ない色の鳥
「ヒュルルルッ!!!」
コンコン
「…あ、も、もう!!君が叩いてたんだなぁ!?びっくりしたんだぞ~…」
「ヒュルッ!!」
コンコンコン
「こら、そんな叩いたら嘴が痛くなっちゃうって…」
「ヒュルルゥ!!」
言葉が通じているかのように鳴いて、コンコンと何度も窓を叩くその鳥さんは
まるでここを開けて欲しいって言っているように見えて…
「…まあ、鳥さんならいいか。ほら、開けるから叩かないの」
パタン、と身を乗り出して出窓を開けると
「ヒュルルルッ!!ヒュルゥ~ッ!」
「わ、わわ、入ってきちゃう…」
ぴょんぴょんと中に飛び込んできて、俺の前までやってきた
「…君、何処の鳥さんなの?見たこと無い色だね」
余り詳しく無いけれど、イッセ王国の鳥はもっと大きくて肉食って感じのする鳥が有名だったり
赤くて強そうなイメージが有るけれど
この鳥さんは、薄い青色で小さくて…とっても可愛い
「…青色って、ここだと珍しいのかもね、鳥さん」
頭を指先で撫でても嫌がらないでじっとしてくれる
…青色って、嗚呼、思い出しちゃうな
「鳥さんは翠蓮様に似合いそうな色だね、ふふ」
「ヒュルルルッ!」
そう呟いた俺を見て、一際大きな声で鳴いた鳥さんは急に羽ばたき出した
「あ、もう行っちゃうの?」
「ヒュルウゥ!!」
「あ、えっ、どうしたの!?」
鳥さんは俺の袖をくいくいと嘴で引っ張って、窓の外へと持っていこうとしていた
一緒に行きたいの?でも、鳥さん……
「ごめんね、俺は飛べないんだよ。鳥さんは好きなとこに行ってね」
…ただ鳥さんを見送りたいだけなのに
口に出すと、色んなことと重なって気分が沈んでいってしまうな
「……へ、?鳥だ……?」
やっぱり鳥だった、けど
イッセ王国では見るようなものじゃなくて、全く見た事ない色の鳥
「ヒュルルルッ!!!」
コンコン
「…あ、も、もう!!君が叩いてたんだなぁ!?びっくりしたんだぞ~…」
「ヒュルッ!!」
コンコンコン
「こら、そんな叩いたら嘴が痛くなっちゃうって…」
「ヒュルルゥ!!」
言葉が通じているかのように鳴いて、コンコンと何度も窓を叩くその鳥さんは
まるでここを開けて欲しいって言っているように見えて…
「…まあ、鳥さんならいいか。ほら、開けるから叩かないの」
パタン、と身を乗り出して出窓を開けると
「ヒュルルルッ!!ヒュルゥ~ッ!」
「わ、わわ、入ってきちゃう…」
ぴょんぴょんと中に飛び込んできて、俺の前までやってきた
「…君、何処の鳥さんなの?見たこと無い色だね」
余り詳しく無いけれど、イッセ王国の鳥はもっと大きくて肉食って感じのする鳥が有名だったり
赤くて強そうなイメージが有るけれど
この鳥さんは、薄い青色で小さくて…とっても可愛い
「…青色って、ここだと珍しいのかもね、鳥さん」
頭を指先で撫でても嫌がらないでじっとしてくれる
…青色って、嗚呼、思い出しちゃうな
「鳥さんは翠蓮様に似合いそうな色だね、ふふ」
「ヒュルルルッ!」
そう呟いた俺を見て、一際大きな声で鳴いた鳥さんは急に羽ばたき出した
「あ、もう行っちゃうの?」
「ヒュルウゥ!!」
「あ、えっ、どうしたの!?」
鳥さんは俺の袖をくいくいと嘴で引っ張って、窓の外へと持っていこうとしていた
一緒に行きたいの?でも、鳥さん……
「ごめんね、俺は飛べないんだよ。鳥さんは好きなとこに行ってね」
…ただ鳥さんを見送りたいだけなのに
口に出すと、色んなことと重なって気分が沈んでいってしまうな
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