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兄様達は暫く放心したそうな

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「…つまり、カイナン帝国に興味が湧いて来たと?」

「は、はい…伝統の服装も、文化も、魅力的なものが沢山ある事を教えて貰ったんです。だからもっと知りたいなって」


結局、会話のほぼ全てを洗いざらい吐かされてしまった

翠蓮様が一目惚れした要因について話した時なんかは

「だから俺は反対だったんだよナギを一人で帰らせんのが!!」

「こればかりは私の判断ミスと認めるしか有りませんね…今後は守りをより強固にするべきです、これ以上ナギの魅力に気付かれてたまりますか」

「僕が知らない間にそんな事があったんだね、成程…社交界は暫く僕単体で向かうべきかな?」

だなんて、兄様達皆こめかみに青筋立てて話すものだから怯えて泣きそうになってしまった


「…でも、ナギは皇太子様へ恋愛感情など無いでしょう」

「れ、恋愛………翠蓮様に、ですか」

「無いってキッパリ言えるよね?ナギ」


恋愛感情、だってそもそもあの人は男で…

でも俺を見る目が優しくて、憧れてたニホンの人に凄く似ていて、優雅で………

そ、それに男でも子どもを産める術があるって…


「………おいナギ、何で顔赤くしてんだ、まさか」

「っ!!ち、違います!!!これは、その、部屋が熱いからで!!!!」

「部屋は適温の筈だよ?ナギの部屋は特に空調をしっかり管理させているからね」

「う、うぅ……でも、恋愛感情なんて大層なものじゃないです!!た、単に憧れと言いますか」

「俺達、大好きな兄様達よりも憧れたか?」

「え、そ、それは…」


く、比べるようなものじゃないのに!?
兄様達だって凄いし俺の憧れなのは事実だけど、それとは違ったもので
翠蓮様だって凄く素敵で、俺の憧れになってしまった

どっちかなんて選べるわけが無い


「そんな、何方かだけを選ぶようなものじゃないです!!」

「いいや、選べる筈だ。ナギは兄様達を置いて出ていってしまうのかい?」

「許さねぇぞ、…クソッやっぱり部屋ぶち破ってアイツに一勝負仕掛けるべきだったか……」

「憧れるのは私達だけで結構なんですよ、皇太子様とやらは矢張りナギに要らないことを吹き込んだようですしね」


なんで、なんでこんなに否定的なの…

憧れるくらい良いじゃないか、知りたいと思えるものが出来るって凄いことじゃないの?

どうして皆翠蓮様を悪く思うんだよ…

堪えきれなくていつの間にか、ぽろぽろと大粒の涙が溢れてしまっていた


「……俺の事を怒る兄様達嫌です、一人にさせて下さい」
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