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そういえば…

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「尊大な我儘であったのにも関わらず検討して下さった国王陛下のお陰で、貴方にもう一度会う事が出来ました」

「えっ…け、検討と言うか確定事項みたいに伝えられたのですが」

「それは…国王陛下が思っていたよりも乗り気なご様子でしたのでつい………」

「なんてはた迷惑なお父様なんだよぉ…」


お父様め、やっぱり嫁に行かせる気満々だったじゃないか

兄弟達の圧に押されてたからか渋々息子をくれてやるみたいな雰囲気出してたくせに!!!

色々と文句は後で言うことにしておくけど…


さっき翠蓮様が言っていたことに疑問があった

「…もう一度お会い出来たって、どういう事ですか?」

「はい、以前見かけた貴方に一目惚れしたのです」

「ひ、一目惚れって、そもそも俺達は初対面では!?」

そう、こんな美形に会ったとしたら忘れない筈
記憶には無いと思うんだけれど……

「先月、タイタン王国で協定を結んでいる国を交えての社交界が有りましたね」

「あっ社交界ですか?参加はしましたが、俺は特に挨拶せずに先に部屋に戻ってしまったので…」

確かに社交界はあったのだが、お父様が仲のいいタイタン王国の国王様と雑談に興じている間
兄様に連れ回されて見知らぬ大臣やそこの国の王子達への挨拶をして
慣れない人付き合いに疲れ果てて、俺だけ先に泊まる部屋へと戻ったのだ

だから兄様の知り合い以外、俺は見ていないはず


「直接では会った事はありませんが、庭園で折れた花を悲しそうに見つめる貴方を見ました」

「庭園……あっもしかして、あの時…?」


そう、あの時は一人で部屋に戻るからと兄弟達に言って庭園に少し休みに行ったんだ

庭園のあちらこちらで色とりどりの花が咲き乱れる中、足元に折れた花があったのを見つけて……

この子を治す方法なんて僕には無いなぁなんて思って、疲れていたのもあって変に悲しくなったんだった



「でも、俺は貴方に見初めて貰えるようなこと何もしてないです。人違いでは…」

「いいえ。僕は確かに貴方を好きだと思ったんです」

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