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左江内編

夢であって欲しかった

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「解散とか何とか言ってたけど、どうしたん?いつにも増してひでぇ顔になってんだけど」

左「………」

「……おーい…え、死んでね?」

左「…………………」

同僚であり数少ない友人の佐江 涉さえ わたるが、土気色になった俺を見かねて声をかけてくれているが

正直、それどころでは無い

職場の休憩時間、飯を食いつつパソコンでいつも通りwedge stone公式垢を見に行った時

最新の投稿には



《大切なお知らせ》

本日を持ちまして、wedge stone は解散とさせて頂きます。
急なお知らせとなり誠に申し訳ありません。
これからのメンバー活動は、後に個人のアカウントから詳細を発表致しますが
今回の騒動の原因である チャロア カルサ
に加えて
ヒスイ、苺苺めまい蓮碧れんぺき、琥珀 の四名は
株式会社アイドルコレクターズからの退所が確定致しました。

ファンの皆様方との思い出は、決して忘れることの無い思い出です。
今まで、wedge stone を応援して頂きありがとうございました。




と、書かれていたのだ




左「…………わ、わたる……」

涉「おん」

左「今日って、エイプリルフールだったりするっけ、?」

涉「んや、ごく普通の平日だけど」

左「…………」


全身が砂になったかのように、体から力が抜けていく

そうか、ごく普通の平日、か…

それなら、この投稿は……………




涉「なんか知らんけど画面見るぞ?………………っあー…」


俺がこのグループを推している事を知っているコイツは、全てを理解した様子で哀れみの表情を向けてくる


涉「………あー、……ま、まぁ……死んでは、ねぇし…?」

左「…………あぁ………」

涉「……うん、俺も推しを失う辛さは分かるが……あー……何も、言えねぇわ。すまん」

左「…………あぁ、ぁ……」

涉「…ッスー……うん、よし、今日はさっさと帰って寝ろ!」

左「……………ぁ……」

涉「…ダメだな、こりゃ」

左「………ああぁ…………」




言葉が出ない

まだ個人で活動があれば良かったというのに

会社から脱退するメンバーに 琥珀 と表記されている

夢であってくれ、どうか


夢であって……欲しかった
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