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遡った時間
13:皇女の利用価値
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「コラーロは元気でしょうか」
私にお茶を注ぎながらアガタが世間話のように言う。今は私以外の人間は部屋にいないからアガタ本人が侍女として対応してくれている。
「そうねぇ。ここに来る時に『3ヶ月後』と言ったから早ければあと1ヶ月もすれば来ると思うけど……」
なんて言っているとトゥットが扉をノックする音がした。
「どうぞ」
何故トゥットだと思うのかというと、表向きは私は今1人で部屋に居る事になっており、廊下との間にある控えの間にトゥットがいるからだ。そしてそこには隠し扉があり、外への出入りを出来るようにしていた。
「皇女様、会頭がいらっしゃっているみたい」
「みたい?どういうことなのかはっきり報告なさい」
「アガタは厳しいなぁ。なんかね、声はするんだけど姿はみえないんだーーていうか2人には聞こえない?今も話し掛けてきてるんだ。多分、どっかの国で変な機械でも買ったんだと思うんだよね~」
そのトゥットの発言にアガタは目見開いて嬉しそうに私を振り返る。
トゥットにだけ聞こえる会頭の声ーーつまりトゥットにだけ音が聞こえているということ。これはアガタと私には馴染みの状況だ。
アガタの大切な片割れが魔法を使っているのだろう。
待ちきれないというようにソワソワしているアガタを見ていると、思わずこう言わずにはいられなくなってしまう。
「迎えにいってらっしゃいよ。ここはトゥットも居るし大丈夫だから」
「え、いいえ、そんなことは」
「大丈夫よ。そんなすぐに何かある訳でもないわ」
確か今頃には何もなかったはずだし、一応トゥットも居るし。
「すみません、それではお言葉に甘えさせていただきます!!」
そう言うや否や、アガタはマントを被ってかくし扉から外へ出て行ってしまうと、その勢いにトゥットはポカンとした表情を浮かべている。
その表情が可愛いので、思わずクスクス笑っていると、後ろ頭を掻いて照れたように頬を染めていた。
「アガタは何があったの?」
「ここに来た日に話した、アガタの姉妹が来てるのよ」
「ええっ!?幻聴をきかーーあ!!」
「そう。さっきのシドンの声って言うのはコラーロの悪戯よ。ちなみになんて言ってた?」
「えーとね『トゥット、皇女様に伝えてくれ。頼まれた物は全部用意した』って。皇女様が会頭に頼んだのって軟膏とペルラ産の楽器数十本と、後なんだっけ?」
「あとは蝋燭と薬数種、それに本と家庭教師になり得る人ね」
「それがこんな早く用意出来るなんてなーって思ってたんだけど、やっぱり違うのか。会頭とはいえ難しい物を頼みましたねぇ」
いいえ、多分シドンは既にそれを準備し終わったでしょう。
そしてコラーロは私が彼女に頼んだ事も全て準備を終えてここに来られたのだという意味と取って良い。私が彼女に頼んだのは、
①お姉様に紹介状を書いてもらうこと
②学者アケロンに会って私の手紙を手渡してもらうこと
③他のお姉様方に私の状況を伝えること
④ペルラとカエオレウムを結ぶ船を定期的に出してもらうように調整すること
大きく分けてこの4つだ。④が特に時間がかかると思っていたけど、シドンと私が知り合いになったお陰もあり、一番難しいと踏んでた問題が解決出来てしまったのだろう。
先日シドンに会った際にはこう言われた。
「いやー、皇女様のお陰でペルラと独占契約が出来ました。ありがとうございます。カエオレウム王も我々の事を信用して下さったので商売がやりやすくなりましたしね。このお礼に今後皇女様のお申し付けであれば、極力我々シュケレシュはご協力させていただきますよ」
商売じみた笑みを浮かべたシドンの言う極力には引っかかるけども、なんの伝もなかった私にしたら上出来じゃないかしら。
お姉様方にも協力してもらえば、もっと上客と思ってもらえるかもしれないし、利用価値があると思わせておけば簡単には切り捨てられないと信じたい。シドンもといシュケレシュにとって利用価値があると思わせる事が重要だわ。
ーーなんて、考えていればトゥットが青い顔をして私の前に立っていた。
「どうしたの?食器でも割った?怪我してない?」
「そんなヘマはしません。ーーオケアノス殿下がお話をしたいとお部屋の前にいらっしゃっております」
一気に血の気が引いた。
オケアノスが私に会いにくる?そんなこと一度だってあったかしら?
サラ関係?この間のお茶会でのやりとりは確かに、彼女を否定したと言われたらそれまでだわ。
いえ、でも、私はそんなにおかしな事を言っていないと思うし…なんだったらドゥ伯爵夫人にも話を聞いてもらうように言えば良いかしら…
あ、でも、考えようによっては、ここで嫌われておけば結婚を取りやめてもらえるかもしれないわね。
距離が出来た方が復讐もしやすいし、逃げられるかもしれないわ。
うん、そうね、ものは考えようよ!!
「…わかったわ。トゥット、着替えてすぐに殿下の謁見の間にお伺いしますとお伝えして頂戴」
私の言葉にトゥットは嫌そうに顔を引き攣らせて、殿下にそう申し上げに行った。
私にお茶を注ぎながらアガタが世間話のように言う。今は私以外の人間は部屋にいないからアガタ本人が侍女として対応してくれている。
「そうねぇ。ここに来る時に『3ヶ月後』と言ったから早ければあと1ヶ月もすれば来ると思うけど……」
なんて言っているとトゥットが扉をノックする音がした。
「どうぞ」
何故トゥットだと思うのかというと、表向きは私は今1人で部屋に居る事になっており、廊下との間にある控えの間にトゥットがいるからだ。そしてそこには隠し扉があり、外への出入りを出来るようにしていた。
「皇女様、会頭がいらっしゃっているみたい」
「みたい?どういうことなのかはっきり報告なさい」
「アガタは厳しいなぁ。なんかね、声はするんだけど姿はみえないんだーーていうか2人には聞こえない?今も話し掛けてきてるんだ。多分、どっかの国で変な機械でも買ったんだと思うんだよね~」
そのトゥットの発言にアガタは目見開いて嬉しそうに私を振り返る。
トゥットにだけ聞こえる会頭の声ーーつまりトゥットにだけ音が聞こえているということ。これはアガタと私には馴染みの状況だ。
アガタの大切な片割れが魔法を使っているのだろう。
待ちきれないというようにソワソワしているアガタを見ていると、思わずこう言わずにはいられなくなってしまう。
「迎えにいってらっしゃいよ。ここはトゥットも居るし大丈夫だから」
「え、いいえ、そんなことは」
「大丈夫よ。そんなすぐに何かある訳でもないわ」
確か今頃には何もなかったはずだし、一応トゥットも居るし。
「すみません、それではお言葉に甘えさせていただきます!!」
そう言うや否や、アガタはマントを被ってかくし扉から外へ出て行ってしまうと、その勢いにトゥットはポカンとした表情を浮かべている。
その表情が可愛いので、思わずクスクス笑っていると、後ろ頭を掻いて照れたように頬を染めていた。
「アガタは何があったの?」
「ここに来た日に話した、アガタの姉妹が来てるのよ」
「ええっ!?幻聴をきかーーあ!!」
「そう。さっきのシドンの声って言うのはコラーロの悪戯よ。ちなみになんて言ってた?」
「えーとね『トゥット、皇女様に伝えてくれ。頼まれた物は全部用意した』って。皇女様が会頭に頼んだのって軟膏とペルラ産の楽器数十本と、後なんだっけ?」
「あとは蝋燭と薬数種、それに本と家庭教師になり得る人ね」
「それがこんな早く用意出来るなんてなーって思ってたんだけど、やっぱり違うのか。会頭とはいえ難しい物を頼みましたねぇ」
いいえ、多分シドンは既にそれを準備し終わったでしょう。
そしてコラーロは私が彼女に頼んだ事も全て準備を終えてここに来られたのだという意味と取って良い。私が彼女に頼んだのは、
①お姉様に紹介状を書いてもらうこと
②学者アケロンに会って私の手紙を手渡してもらうこと
③他のお姉様方に私の状況を伝えること
④ペルラとカエオレウムを結ぶ船を定期的に出してもらうように調整すること
大きく分けてこの4つだ。④が特に時間がかかると思っていたけど、シドンと私が知り合いになったお陰もあり、一番難しいと踏んでた問題が解決出来てしまったのだろう。
先日シドンに会った際にはこう言われた。
「いやー、皇女様のお陰でペルラと独占契約が出来ました。ありがとうございます。カエオレウム王も我々の事を信用して下さったので商売がやりやすくなりましたしね。このお礼に今後皇女様のお申し付けであれば、極力我々シュケレシュはご協力させていただきますよ」
商売じみた笑みを浮かべたシドンの言う極力には引っかかるけども、なんの伝もなかった私にしたら上出来じゃないかしら。
お姉様方にも協力してもらえば、もっと上客と思ってもらえるかもしれないし、利用価値があると思わせておけば簡単には切り捨てられないと信じたい。シドンもといシュケレシュにとって利用価値があると思わせる事が重要だわ。
ーーなんて、考えていればトゥットが青い顔をして私の前に立っていた。
「どうしたの?食器でも割った?怪我してない?」
「そんなヘマはしません。ーーオケアノス殿下がお話をしたいとお部屋の前にいらっしゃっております」
一気に血の気が引いた。
オケアノスが私に会いにくる?そんなこと一度だってあったかしら?
サラ関係?この間のお茶会でのやりとりは確かに、彼女を否定したと言われたらそれまでだわ。
いえ、でも、私はそんなにおかしな事を言っていないと思うし…なんだったらドゥ伯爵夫人にも話を聞いてもらうように言えば良いかしら…
あ、でも、考えようによっては、ここで嫌われておけば結婚を取りやめてもらえるかもしれないわね。
距離が出来た方が復讐もしやすいし、逃げられるかもしれないわ。
うん、そうね、ものは考えようよ!!
「…わかったわ。トゥット、着替えてすぐに殿下の謁見の間にお伺いしますとお伝えして頂戴」
私の言葉にトゥットは嫌そうに顔を引き攣らせて、殿下にそう申し上げに行った。
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