163 / 174
北の列国
超装備の戦闘
しおりを挟む
ランザックの装備は、裕太から授かった魔法装備に身を包まれており、かなり高い戦闘力を有していた……通常なら一騎打ちでは絶大な力を発揮するのだが……残念ながら相手はあの宇喜多歩華の上級家臣である……当然のように魔法装備をフル装備していた。
ランザックの電光石火の槍撃が、フリューゲル目掛けて打ち込まれる、フリューゲルはそれを大きな戦斧で弾き返す……
フリューゲルは、斧を盾のように構えて、ランザックにそのまま接近する──ランザックは近ずけさせなように、無数の攻撃をフリューゲルに打ち込むが、フリューゲルはそれを全て斧で受け止める。
十分に接近すると、フリューゲルは盾にしていた大きな斧を振りかぶって叩き下ろした。ランザックは右に転がり、それを回避すると、フリューゲルの低い箇所を狙って槍を振った──槍はフリューゲルの右足にあたり、派手に転倒させる。
「勝機!」
ランザックは高く跳躍して、転倒したフリューゲルの上へと飛び込む……そしてその大将軍めがけて無数の槍撃を撃ち放った。
「炎よ!」
フリューゲルが短い言葉を発すると、手に持っていた斧から激しい炎がほとばしる。ランザックはその炎に包まれた……素早く地面に転がり、燃えたマントを消化する……
「くっ! 炎の力か……」
「ふっ……このイフリートアックスの力を試せる時が来るとはな……」
通常装備なら今の炎で勝負は決していたであろう……ランザックは裕太から授かった装備の防御性能に感謝する。
「ならばこちらも見せてやろう……風よ走れ!」
無数の真空波がフリューゲル向かって放たれた……イフリートアックスを盾にして防ぐが、あまりにも真空波の数が多く、盾で隠しれない箇所が切られる……
「ぐっ……セコイ攻撃だな……皮を切るだけでは俺は倒せんぞ!」
「皮も切り続ければ肉を断ち骨を切る! 風よ走れ!」
ランザックの素早い連続攻撃に、フリューゲルは反撃の機会を見出せない……
「ふっ……では、皮はくれてやることにしよう……」
フリューゲルは真空波が襲いかかる中、ランザックめがけて走り始めた──身体中を切られて血がほとばしるが、気にせず接近する。
「肉までは届かなかったようだな!」
ランザックの目の前にまできたフリューゲルはイフリートアックスを大きく振りかぶった。
「隙だらけだ! 風よ貫け!」
風の力に包まれた槍先が、凄まじい速さでフリューゲルの胸元を強打する……並みの鎧なら貫いたが、フリューゲルの鎧もまた強力な魔法装備であった……その強力な攻撃を弾き返した──しかし、鎧もその一撃を跳ね返すのが精一杯だったようで、ボロボロと崩れるように破壊した……
「ぐふっ……そんな強力な一撃が……」
「もう、貴様を守る鎧はないぞ、次の一撃で終わりだ! 風よ貫け!」
そうランザックが叫んだ瞬間、ランザックの胸から血が吹き出すように飛び散った……
「なっ!」
それは背後からの槍の一撃であった……
一騎打ち中に、ランザックを背後から槍で攻撃したのはフリューゲルの懐刀でバルダガと呼ばれる将軍であった……彼の持つ武器も強力な魔法装備である……
「槍の素振りをしていたら当たってしまった……申し訳ない」
バルダガは無表情でランザックにそう伝える……
「ぐはっ……くっ……卑怯な……」
血を吐きながらそう訴えるが……バルダガは眉ひとつ動かさなかった。
「余計な真似を……」
フリューゲルはそう言いながらも斧を構えてランザックに近づく……そして血を吐き朦朧としている上位将軍の頭にその斧を振り下ろした。
一騎打ちを見守っていたランザックの部下たちはそれを見て当然のごとく激怒する……上官の仇を討つべく、フリューゲルに殺到しようとした。
「皆殺しにしろ……」
その短い命令はすぐに実行された……絶対多数であるエルサフィ軍は、ランザック師団の生き残りを包囲すると、全方位から無情な攻撃を撃ち放った……
ランザックの電光石火の槍撃が、フリューゲル目掛けて打ち込まれる、フリューゲルはそれを大きな戦斧で弾き返す……
フリューゲルは、斧を盾のように構えて、ランザックにそのまま接近する──ランザックは近ずけさせなように、無数の攻撃をフリューゲルに打ち込むが、フリューゲルはそれを全て斧で受け止める。
十分に接近すると、フリューゲルは盾にしていた大きな斧を振りかぶって叩き下ろした。ランザックは右に転がり、それを回避すると、フリューゲルの低い箇所を狙って槍を振った──槍はフリューゲルの右足にあたり、派手に転倒させる。
「勝機!」
ランザックは高く跳躍して、転倒したフリューゲルの上へと飛び込む……そしてその大将軍めがけて無数の槍撃を撃ち放った。
「炎よ!」
フリューゲルが短い言葉を発すると、手に持っていた斧から激しい炎がほとばしる。ランザックはその炎に包まれた……素早く地面に転がり、燃えたマントを消化する……
「くっ! 炎の力か……」
「ふっ……このイフリートアックスの力を試せる時が来るとはな……」
通常装備なら今の炎で勝負は決していたであろう……ランザックは裕太から授かった装備の防御性能に感謝する。
「ならばこちらも見せてやろう……風よ走れ!」
無数の真空波がフリューゲル向かって放たれた……イフリートアックスを盾にして防ぐが、あまりにも真空波の数が多く、盾で隠しれない箇所が切られる……
「ぐっ……セコイ攻撃だな……皮を切るだけでは俺は倒せんぞ!」
「皮も切り続ければ肉を断ち骨を切る! 風よ走れ!」
ランザックの素早い連続攻撃に、フリューゲルは反撃の機会を見出せない……
「ふっ……では、皮はくれてやることにしよう……」
フリューゲルは真空波が襲いかかる中、ランザックめがけて走り始めた──身体中を切られて血がほとばしるが、気にせず接近する。
「肉までは届かなかったようだな!」
ランザックの目の前にまできたフリューゲルはイフリートアックスを大きく振りかぶった。
「隙だらけだ! 風よ貫け!」
風の力に包まれた槍先が、凄まじい速さでフリューゲルの胸元を強打する……並みの鎧なら貫いたが、フリューゲルの鎧もまた強力な魔法装備であった……その強力な攻撃を弾き返した──しかし、鎧もその一撃を跳ね返すのが精一杯だったようで、ボロボロと崩れるように破壊した……
「ぐふっ……そんな強力な一撃が……」
「もう、貴様を守る鎧はないぞ、次の一撃で終わりだ! 風よ貫け!」
そうランザックが叫んだ瞬間、ランザックの胸から血が吹き出すように飛び散った……
「なっ!」
それは背後からの槍の一撃であった……
一騎打ち中に、ランザックを背後から槍で攻撃したのはフリューゲルの懐刀でバルダガと呼ばれる将軍であった……彼の持つ武器も強力な魔法装備である……
「槍の素振りをしていたら当たってしまった……申し訳ない」
バルダガは無表情でランザックにそう伝える……
「ぐはっ……くっ……卑怯な……」
血を吐きながらそう訴えるが……バルダガは眉ひとつ動かさなかった。
「余計な真似を……」
フリューゲルはそう言いながらも斧を構えてランザックに近づく……そして血を吐き朦朧としている上位将軍の頭にその斧を振り下ろした。
一騎打ちを見守っていたランザックの部下たちはそれを見て当然のごとく激怒する……上官の仇を討つべく、フリューゲルに殺到しようとした。
「皆殺しにしろ……」
その短い命令はすぐに実行された……絶対多数であるエルサフィ軍は、ランザック師団の生き残りを包囲すると、全方位から無情な攻撃を撃ち放った……
0
お気に入りに追加
589
あなたにおすすめの小説
オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
喰らう度強くなるボクと姉属性の女神様と異世界と。〜食べた者のスキルを奪うボクが異世界で自由気ままに冒険する!!〜
田所浩一郎
ファンタジー
中学でいじめられていた少年冥矢は女神のミスによりできた空間の歪みに巻き込まれ命を落としてしまう。
謝罪代わりに与えられたスキル、《喰らう者》は食べた存在のスキルを使い更にレベルアップすることのできるチートスキルだった!
異世界に転生させてもらうはずだったがなんと女神様もついてくる事態に!?
地球にはない自然や生き物に魔物。それにまだ見ぬ珍味達。
冥矢は心を踊らせ好奇心を満たす冒険へと出るのだった。これからずっと側に居ることを約束した女神様と共に……
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!
押し付けられた仕事、してもいいものでしょうか
章槻雅希
ファンタジー
以前書いた『押し付けられた仕事はいたしません』の別バージョンみたいな感じ。
仕事を押し付けようとする王太子に、婚約者の令嬢が周りの力を借りて抵抗する話。
会話は殆どない、地の文ばかり。
『小説家になろう』(以下、敬称略)・『アルファポリス』・『Pixiv』・自サイトに重複投稿。
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる