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北の列国
大賢者の研究
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辺境の統一国家、アースレイン王国の主城、ジュレンゼ城の中庭では、拙い魔法が飛び交っていた。
「そうじゃ、もっと集中して魔力を一点に集めるのじゃ」
オーウェンの言葉に従い、リエナとミホシは手先に魔力を集めて、魔法を放つ。すると手先から小さな火の玉がヒョロヒョロと飛び出した。
「ど・・どうですか先生・・」
「集中が足らん。そんなんじゃ虫も殺せんぞ」
虫を殺したいと思ったりはしないが、二人は師の教えに耳を傾ける。魔法の授業は、1日、2時間。その2時間が経過したようで、メイドが、食事の時間だと、それを伝えに来た。
「そうじゃな、今日はこの辺にしておこう」
「有難うございました、先生」
リエナとミホシの授業が終わり、オーウェンは自室に戻る。ここからは自分の研究の時間になる。机には、大きな紙が広げられていて、そこには何かの設計図が書かれていた。
「もう少しで設計は完成じゃ・・・」
そう呟きながら紙に何かを書き込んでいく。
ある日の正午、裕太はリュジャナと経費の話をしていた。最近のアースレインは、リュジャナのおかげか、かなり経済状況が良い。予算がかなり余っているので、これを何に使うか話をしていた。
「オリハルコン硬貨に交換して、ガチャをしたいんだが・・」
裕太がそう言うと、リュジャナが眉間にシワを寄せてこう返事する。
「それはダメ。今、大陸全体でなぜかオリハルコンの価値が急騰してるのよ。前はミスリル硬貨100枚でオリハルコン硬貨1枚の交換率だったけど、今は1000枚で1枚の交換よ。さすがにそんな高い交換率じゃ、オリハルコン硬貨に変えるのは損よ」
うむ・・どうしてオリハルコンが高騰してるのかは想像出来る。クラスの連中がガチャの為に、オリハルコンを集めてるからだろう・・これは時間が経てば経つほどガチャがやり難くなりそうだな・・
そんな話をしているところへ、すごく笑顔のオーウェンが、ノックもせずに部屋に飛び込んできた。そして変な紙を俺に見せて、興奮したようにこう話す。
「喜べ、エイメル。ついに設計図が完成したぞ!」
何の設計図かもわからないので、オーウェンに聞き返すが、興奮した彼の言葉は意味がわからない。とりあえず落ち着かせて話を聞くと、どうやら彼の研究している魔道兵器なる代物の設計図が完成したそうだ。改めて設計図を見直すと、そこには人型のロボットのようなものが書かれていた。
「これが魔道兵器・・・」
「そうじゃ、鉄騎ゴーレムと名付けておる。本来のゴーレムみたいに土塊や石などではなく、鋼鉄製で、頑丈だ。しかも量産ができるので、鉄騎ゴーレムの軍団を作れば、どんな国も敵ではないぞ」
その話を聞いて、少し興味が湧いてきた。鋼鉄でできたゴーレムの軍団か・・それは確かに凄そうだ。
「それで、どうすればいいんだ」
「金じゃ。金が必要じゃ。とりあえず試作機を作るので、ミスリル硬貨を1,000枚ほど出してくれ」
「ミスリル硬貨1000枚か・・高いな・・」
「大丈夫じゃ、量産が始まれば、それより安く作れるようになる」
そんな話にリュジャナが横槍を入れてくる。
「ちょっと待って、そんなわけのわからない人形に、ミスリル硬貨1000枚なんて冗談じゃないわよ」
「何を言っておるのじゃ、最強の巨人兵じゃぞ、ミスリル硬貨1,000枚なら安いもんじゃろ」
確かに、今の予算には、ミスリル硬貨10万枚の余りがある。なのでそれくらい問題なく出せるけど・・
「わかった。それじゃミスリル硬貨1,000枚は出すよ。だけど、それ以上の追加の予算は、ちゃんと試作機を見てから決めるってことでいいか」
「もちろんじゃ、試作機を見れば、もっと金を出したくなると思うぞ」
そうなればいいけど・・じゃないと、今、ブツブツと文句を言っているリュジャナがブチ切れると思うし・・
そして、二週間ほどで試作機が完成した。それのお披露目を、城の中庭でやることになった。噂を聞きつけて、野次馬たちが集まる。
「あれが鋼鉄のゴーレムか! すげー。かっけえな」
アズキが嬉しそうにそう言うと、横にいたラスキーはこう返事する。
「あれをカッコイイって感覚が、もう女性じゃないよお姉ちゃん」
ヴァルガザは巨大な鋼鉄のゴーレムを見て、どうしても力くらべがしたいようだけど、副官のジイドに止められている。
肝心の試作機であるが、高さ10メートルほどの大きさで、見た目は、ゴーレムというより、まさにメカといった感じであった。どっしりとしたフォルムから、重量もそれなりにありそうである。見る感じ問題なさそうであるが、動きを見ないと、評価はできない。
早く動かして欲しい・・そんな周りの雰囲気を察知したのか、この鉄騎ゴーレムの生みの親であるオーウェンが、ゴーレムに命令をする。
「ゴーレムよ、歩くのだ」
その命令が聞こえたのか、ゴーレムはゆっくりと歩き始めた。おおおぉ・・と野次馬から歓声があがる。だけど、歩けと命令されたゴーレムは、命令通りにまっすぐとひたすら歩く。そう、目の前に城の壁があるのに・・ぶつかりそうなところで、オーウェンが慌てて停止の命令をする。
「ゴーレム。止まれ!」
するとゴーレムは、歩いている格好の、中途半端な体勢で緊急停止する。片足で不安定な形で止まってしまったので、バランスを崩したゴーレムはそのままゆっくりと転倒した。
「そうじゃ、もっと集中して魔力を一点に集めるのじゃ」
オーウェンの言葉に従い、リエナとミホシは手先に魔力を集めて、魔法を放つ。すると手先から小さな火の玉がヒョロヒョロと飛び出した。
「ど・・どうですか先生・・」
「集中が足らん。そんなんじゃ虫も殺せんぞ」
虫を殺したいと思ったりはしないが、二人は師の教えに耳を傾ける。魔法の授業は、1日、2時間。その2時間が経過したようで、メイドが、食事の時間だと、それを伝えに来た。
「そうじゃな、今日はこの辺にしておこう」
「有難うございました、先生」
リエナとミホシの授業が終わり、オーウェンは自室に戻る。ここからは自分の研究の時間になる。机には、大きな紙が広げられていて、そこには何かの設計図が書かれていた。
「もう少しで設計は完成じゃ・・・」
そう呟きながら紙に何かを書き込んでいく。
ある日の正午、裕太はリュジャナと経費の話をしていた。最近のアースレインは、リュジャナのおかげか、かなり経済状況が良い。予算がかなり余っているので、これを何に使うか話をしていた。
「オリハルコン硬貨に交換して、ガチャをしたいんだが・・」
裕太がそう言うと、リュジャナが眉間にシワを寄せてこう返事する。
「それはダメ。今、大陸全体でなぜかオリハルコンの価値が急騰してるのよ。前はミスリル硬貨100枚でオリハルコン硬貨1枚の交換率だったけど、今は1000枚で1枚の交換よ。さすがにそんな高い交換率じゃ、オリハルコン硬貨に変えるのは損よ」
うむ・・どうしてオリハルコンが高騰してるのかは想像出来る。クラスの連中がガチャの為に、オリハルコンを集めてるからだろう・・これは時間が経てば経つほどガチャがやり難くなりそうだな・・
そんな話をしているところへ、すごく笑顔のオーウェンが、ノックもせずに部屋に飛び込んできた。そして変な紙を俺に見せて、興奮したようにこう話す。
「喜べ、エイメル。ついに設計図が完成したぞ!」
何の設計図かもわからないので、オーウェンに聞き返すが、興奮した彼の言葉は意味がわからない。とりあえず落ち着かせて話を聞くと、どうやら彼の研究している魔道兵器なる代物の設計図が完成したそうだ。改めて設計図を見直すと、そこには人型のロボットのようなものが書かれていた。
「これが魔道兵器・・・」
「そうじゃ、鉄騎ゴーレムと名付けておる。本来のゴーレムみたいに土塊や石などではなく、鋼鉄製で、頑丈だ。しかも量産ができるので、鉄騎ゴーレムの軍団を作れば、どんな国も敵ではないぞ」
その話を聞いて、少し興味が湧いてきた。鋼鉄でできたゴーレムの軍団か・・それは確かに凄そうだ。
「それで、どうすればいいんだ」
「金じゃ。金が必要じゃ。とりあえず試作機を作るので、ミスリル硬貨を1,000枚ほど出してくれ」
「ミスリル硬貨1000枚か・・高いな・・」
「大丈夫じゃ、量産が始まれば、それより安く作れるようになる」
そんな話にリュジャナが横槍を入れてくる。
「ちょっと待って、そんなわけのわからない人形に、ミスリル硬貨1000枚なんて冗談じゃないわよ」
「何を言っておるのじゃ、最強の巨人兵じゃぞ、ミスリル硬貨1,000枚なら安いもんじゃろ」
確かに、今の予算には、ミスリル硬貨10万枚の余りがある。なのでそれくらい問題なく出せるけど・・
「わかった。それじゃミスリル硬貨1,000枚は出すよ。だけど、それ以上の追加の予算は、ちゃんと試作機を見てから決めるってことでいいか」
「もちろんじゃ、試作機を見れば、もっと金を出したくなると思うぞ」
そうなればいいけど・・じゃないと、今、ブツブツと文句を言っているリュジャナがブチ切れると思うし・・
そして、二週間ほどで試作機が完成した。それのお披露目を、城の中庭でやることになった。噂を聞きつけて、野次馬たちが集まる。
「あれが鋼鉄のゴーレムか! すげー。かっけえな」
アズキが嬉しそうにそう言うと、横にいたラスキーはこう返事する。
「あれをカッコイイって感覚が、もう女性じゃないよお姉ちゃん」
ヴァルガザは巨大な鋼鉄のゴーレムを見て、どうしても力くらべがしたいようだけど、副官のジイドに止められている。
肝心の試作機であるが、高さ10メートルほどの大きさで、見た目は、ゴーレムというより、まさにメカといった感じであった。どっしりとしたフォルムから、重量もそれなりにありそうである。見る感じ問題なさそうであるが、動きを見ないと、評価はできない。
早く動かして欲しい・・そんな周りの雰囲気を察知したのか、この鉄騎ゴーレムの生みの親であるオーウェンが、ゴーレムに命令をする。
「ゴーレムよ、歩くのだ」
その命令が聞こえたのか、ゴーレムはゆっくりと歩き始めた。おおおぉ・・と野次馬から歓声があがる。だけど、歩けと命令されたゴーレムは、命令通りにまっすぐとひたすら歩く。そう、目の前に城の壁があるのに・・ぶつかりそうなところで、オーウェンが慌てて停止の命令をする。
「ゴーレム。止まれ!」
するとゴーレムは、歩いている格好の、中途半端な体勢で緊急停止する。片足で不安定な形で止まってしまったので、バランスを崩したゴーレムはそのままゆっくりと転倒した。
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