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胎動編
第27話 物価
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「一応、お財布とかも用意しといた方がいいかな?」
子供の買い物じゃないんだし、手からジャラジャラと貨幣を出して渡すわけにもいかない。
それに、お金を魔法で複製するのはいいとして、今までお金の現物って見た事ないのよね。
どこかで財布に代わる物を買うついでに、そこにあるお金も見て、現金調達の手伝いもさせてもらおう。
「えーっと……あのお店でいいか」
少し足を止めて、周囲にあるお店を見渡す。
見つけたのは、ちょっと高級そうな店構えの革商品を扱っているお店だ。
店の前まで行き、ガラス張りの戸を開けて中に入ると、中には上品そうに様々な革製品が並んでいた。
「当店に何か御用ですか?」
店内を見渡すため入り口付近で立ち止まった所為か、店員さんの一人に声を掛けられてしまった。
私の姿が店のTPOにそぐわないからか、店員さんも少し訝し気な態度と表情だ。
強盗とかではないので安心していただきたい。
「あー、ちょっと、小物を入れて持ち運べる物を探していて」
「ああ、お客さまでしたか。どなたかへの贈り物で?」
「いえ、自分用です」
店員さんは、私が客だと分かると、表情に少しだけ接客スマイルを浮かべる。
いや、目が笑ってないな……
ごめんねー
でも、ちょっと、財布代わりになりそうな物と、お店のレジか金庫の中身も見せてねー
「当店は普段使いか、礼装に合わせる物がメインでして。お客様がお使いになるような物は取り扱いが少ないのですが……よろしければ、他の店をあたっては?」
「そうみたいですね。でも急ぎで必要なので、何か適当に見繕ってくれます? 腰辺りにベルトで固定できそうな物をお願いします」
「はあ……かしこまりました。少々お待ちください」
強引にゴネてみると、渋々と言った感じに店員さんは商品を取りに行った。
この間に、もう一つの目的も済ませてしまおう。
あのカウンターの裏側辺りかな……?
ビンゴ!
少し見られたくないという意思が宿っているから透視しづらいけど、カウンターの裏側に金銭のやり取り用の箱があるのが見えた。
……しまった。
お金の現物を見て気が付いたけど……
お金の価値も、お金の種類もさっぱり分からない。
「(ベディ、お金の種類を教えて!)」
「(そんな事も知らずに店に入ったのか!? 貨幣の種類は金額が小さい方から、銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨だ)」
「(それぞれの通貨単位は?)」
「(単位の名称はセン。銅貨1枚で1センだ。大銅貨で10セン、銀貨は100、大銀貨は500、金貨は2500、大金貨は5000だ)」
思ったより分かりやすくて助かった。
種類的にも変なのが無いし、それなら何とかなりそうね。
ふぅ……紙幣とかもあったらどうしようと、少し冷や汗をかいたわ。
えーっと……
という事は、レジっぽい物の中にあるのは、銀貨に大銀貨、それとおそらく金貨かな?
銅貨っぽい物は入ってない。
お店の商品の値段から察するに、銅貨なんか扱ってないし、いりませんよって感じがする。
ふーん、どれも純銀とか純金製ってわけでもないのね。
金貨は7割が金で、残りが銅との合金みたい。
大金貨は、どこにあるのかしら……?
一万円札みたいな物なんだろうし、お釣りとしては使わないから、こっちには置いてないとか?
あるとしたら、カウンターの奥にある扉の先かな?
あったあった。
扉の奥の個室に、金庫っぽい物がある。
なんか……
こんな事してると、本当に強盗の計画をしている気分になってくるわね……
「お待たせしました。こちらのサイドポーチでは如何でしょう?」
金庫の中の大金貨を複製しようとしていると、さっきの店員さんが赤み掛かった色のポーチを持って戻ってきてしまった。
「材質は炎竜の皮を使い、四方にマチをあてて厚みを出し丈夫に作られておりますし、ベルトを調整すれば肩掛けにも腰掛けにもなります」
男性物のサイドポーチだけど、見た感じ悪くはない。
まあ、前世では、あまりブランド物なんかに興味は無かったから、良し悪しなんか分からないけど。
丈夫そうだし、この搭乗型ゴーレムの外見にもマッチしそうだ。
「あー、えー、じゃあ、それで。いくらです?」
「こちらは二万五千センになりますが……お支払いは可能でございますか?」
「じゃあ、これで」
ゴレームの掌の中に、出来立てほやほやの大金貨を5枚握らせ、店員さんに渡す。
「え……? ええ、たしかに……。あ、あの、何かにお包みいたし、ましょうか?」
「いいえ、そのままで。値札とかは取っちゃってください。直ぐに使うので」
「か、かしこまりました」
店員さんが、少しぎこちない手つきで、値札と中に入れられていた緩衝材を取り出して渡してきたので、それを受け取る。
「どうも」
「お買い上げありがとうございました。またのご来店をお待ちしております」
店員さんに入店時と180度変わった態度で見送られながら、私はそそくさと店を出た。
なんか様子が変だったけど、渡した大金貨の作りが甘かったかな?
それなりに精工に作ったつもりだけど。
それに、なんだか手軽にお金を作って支払った所為か、若干の後ろめたさがあるわね……
まあ、いいわ。
これも世界のためよ!
とりあえず、ポーチの中に大金貨を生成しながら、東門方向へと行きましょう。
「あとは、護衛を雇うにしても、予算はどれくらい必要なんだろう……? ねえ、ベディ? 物価ってわかる?」
「物価か……ここだと少々難しいな。この大通りは国外の者も多く居るためか、物の価値の情報の均一性が測りにくい」
「どゆこと?」
「この辺り一帯が、人や物が流入する王都の玄関口になっている所為で、マナに溶け込んでいる情報が混線している部分がある。王都では魔物の素材や木材が安く買えるが、穀物や一部の縫製加工品は高いといった共通認識までは読み取れる。だが、同じ品物に対して、複数の国の者の持つ違った価値観が混在し、個別認識が混沌としていて読み取りが難しい」
「ふーん……あなたの能力も良し悪しな所があるのねぇ」
「すまないな」
「いえ、しかたないわよ。場所が悪かったってだけでしょ? 護衛の依頼料は適当に用意するわ」
護衛とはいえ、危険が伴う仕事を頼むのだから、このポーチより安いって事は無いだろうし。
とりあえず、50枚ほど生成しておいて、足りなければ追加で作ればいいか。
ポーチのベルトも調整して腰に……
むぅ……
ベルトの金具を弄るのがなかなか出来ない。
まだ、マニピュレータでの細かな動作は難しいわね……
「……よし、できた! それで、そろそろ東門も見えて来たけど、冒険者ギルドの建物ってどこ?」
「もう少し先だ、剣と盾の紋章の看板が掛けてある所らしい」
「んー……もしかして、あそこかな?」
ベディの言う通り、少し歩いた先に、剣と盾の紋章が彫られた青銅っぽい看板が見えた。
「ここね」
近くまで行って見てみると、なんだか他とは作りも雰囲気も少し違う建物だ。
学校のあった教会ほど広くは無いけど、あちらと同じく3階建ての建物で、土台が少し高く作られている分、こっちの方が建物としては高い。
周囲と比べても頭一つ突き出た感じで、目立つ構造と大きさをしている。
建物脇には厩みたいな物や何かの搬入口があって、正面の入り口は大きく開け放たれ。
その奥からは、少しお酒の臭いと共に、酔っ払いの騒ぎ声みたいな物も聞こえてきた。
「なんか、中から既に出来上がってる人達の雰囲気がプンプンするんだけど……」
「1階にはギルド直営の食事処があるとのことだ。午後を少し回ると酒の提供もしているそうだな」
どうやら、物語で見た様な冒険者ギルド定番の作りをしているらしい。
実際、目の当たりにすると、組織の建物として大丈夫なのか?という気持ちの方が強くなる。
まぁ、もう来てしまったのだから仕方ない。
変な事にならないように祈ろう。
気を取り直して、入口へ続く階段を数段登り、開け放たれた扉をくぐり、中へと足を踏み入れる。
すると「ギシィ……」という、大きな木の軋む音が足元から響いた。
おっふ……
ここ床が木製だ……
その音の所為で、シン…と室内の騒ぎ声が一斉に止み、私の方へ注目が集まってしまった。
「おい、今の何の音だ……?」
「なんだあいつ……?」
「見た事の無い奴だな?」
「この辺の奴か……?」
一瞬の間が開き、一階ホールの右側にある酒場みたいな所から、さざ波のごとく変なざわめきが起こって、ちょっとした緊迫感の様な雰囲気が漂った。
ちょっと今はファンタジー物の定番のような、ガラの悪い人に絡まれるような展開はかんべんなんだけど……
……大丈夫そうかな?
ジロジロと見てくるだけで、特に変な事をしてくる人はいないみたいだ。
見た目はアレな人もいるけど、乱暴者の集団と言うわけではなさそうで、少しほっとした。
それより、受付みたいな所はどこだろ?
酒場とは反対側にある、あれかな?
とりあえず行ってみよう。
「おいおい……あいつ何キロあるんだよ?」
「あの鎧か? 重いのは?」
「ガタイもデカいが、床が歩くたびに変な音立ててるぞ……」
受付に行こうと機体を歩かせると、やはり床が木製のため、歩くたびに足元から床の軋む音がホール内に響き、酒場に居る人達の反応が背中側から聞こえてくる。
うーん……
土の地面とか歩いてる時にも思ったけど、やっぱ機体が重すぎると、こういう弊害が大きいわねぇ……
子供の買い物じゃないんだし、手からジャラジャラと貨幣を出して渡すわけにもいかない。
それに、お金を魔法で複製するのはいいとして、今までお金の現物って見た事ないのよね。
どこかで財布に代わる物を買うついでに、そこにあるお金も見て、現金調達の手伝いもさせてもらおう。
「えーっと……あのお店でいいか」
少し足を止めて、周囲にあるお店を見渡す。
見つけたのは、ちょっと高級そうな店構えの革商品を扱っているお店だ。
店の前まで行き、ガラス張りの戸を開けて中に入ると、中には上品そうに様々な革製品が並んでいた。
「当店に何か御用ですか?」
店内を見渡すため入り口付近で立ち止まった所為か、店員さんの一人に声を掛けられてしまった。
私の姿が店のTPOにそぐわないからか、店員さんも少し訝し気な態度と表情だ。
強盗とかではないので安心していただきたい。
「あー、ちょっと、小物を入れて持ち運べる物を探していて」
「ああ、お客さまでしたか。どなたかへの贈り物で?」
「いえ、自分用です」
店員さんは、私が客だと分かると、表情に少しだけ接客スマイルを浮かべる。
いや、目が笑ってないな……
ごめんねー
でも、ちょっと、財布代わりになりそうな物と、お店のレジか金庫の中身も見せてねー
「当店は普段使いか、礼装に合わせる物がメインでして。お客様がお使いになるような物は取り扱いが少ないのですが……よろしければ、他の店をあたっては?」
「そうみたいですね。でも急ぎで必要なので、何か適当に見繕ってくれます? 腰辺りにベルトで固定できそうな物をお願いします」
「はあ……かしこまりました。少々お待ちください」
強引にゴネてみると、渋々と言った感じに店員さんは商品を取りに行った。
この間に、もう一つの目的も済ませてしまおう。
あのカウンターの裏側辺りかな……?
ビンゴ!
少し見られたくないという意思が宿っているから透視しづらいけど、カウンターの裏側に金銭のやり取り用の箱があるのが見えた。
……しまった。
お金の現物を見て気が付いたけど……
お金の価値も、お金の種類もさっぱり分からない。
「(ベディ、お金の種類を教えて!)」
「(そんな事も知らずに店に入ったのか!? 貨幣の種類は金額が小さい方から、銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨だ)」
「(それぞれの通貨単位は?)」
「(単位の名称はセン。銅貨1枚で1センだ。大銅貨で10セン、銀貨は100、大銀貨は500、金貨は2500、大金貨は5000だ)」
思ったより分かりやすくて助かった。
種類的にも変なのが無いし、それなら何とかなりそうね。
ふぅ……紙幣とかもあったらどうしようと、少し冷や汗をかいたわ。
えーっと……
という事は、レジっぽい物の中にあるのは、銀貨に大銀貨、それとおそらく金貨かな?
銅貨っぽい物は入ってない。
お店の商品の値段から察するに、銅貨なんか扱ってないし、いりませんよって感じがする。
ふーん、どれも純銀とか純金製ってわけでもないのね。
金貨は7割が金で、残りが銅との合金みたい。
大金貨は、どこにあるのかしら……?
一万円札みたいな物なんだろうし、お釣りとしては使わないから、こっちには置いてないとか?
あるとしたら、カウンターの奥にある扉の先かな?
あったあった。
扉の奥の個室に、金庫っぽい物がある。
なんか……
こんな事してると、本当に強盗の計画をしている気分になってくるわね……
「お待たせしました。こちらのサイドポーチでは如何でしょう?」
金庫の中の大金貨を複製しようとしていると、さっきの店員さんが赤み掛かった色のポーチを持って戻ってきてしまった。
「材質は炎竜の皮を使い、四方にマチをあてて厚みを出し丈夫に作られておりますし、ベルトを調整すれば肩掛けにも腰掛けにもなります」
男性物のサイドポーチだけど、見た感じ悪くはない。
まあ、前世では、あまりブランド物なんかに興味は無かったから、良し悪しなんか分からないけど。
丈夫そうだし、この搭乗型ゴーレムの外見にもマッチしそうだ。
「あー、えー、じゃあ、それで。いくらです?」
「こちらは二万五千センになりますが……お支払いは可能でございますか?」
「じゃあ、これで」
ゴレームの掌の中に、出来立てほやほやの大金貨を5枚握らせ、店員さんに渡す。
「え……? ええ、たしかに……。あ、あの、何かにお包みいたし、ましょうか?」
「いいえ、そのままで。値札とかは取っちゃってください。直ぐに使うので」
「か、かしこまりました」
店員さんが、少しぎこちない手つきで、値札と中に入れられていた緩衝材を取り出して渡してきたので、それを受け取る。
「どうも」
「お買い上げありがとうございました。またのご来店をお待ちしております」
店員さんに入店時と180度変わった態度で見送られながら、私はそそくさと店を出た。
なんか様子が変だったけど、渡した大金貨の作りが甘かったかな?
それなりに精工に作ったつもりだけど。
それに、なんだか手軽にお金を作って支払った所為か、若干の後ろめたさがあるわね……
まあ、いいわ。
これも世界のためよ!
とりあえず、ポーチの中に大金貨を生成しながら、東門方向へと行きましょう。
「あとは、護衛を雇うにしても、予算はどれくらい必要なんだろう……? ねえ、ベディ? 物価ってわかる?」
「物価か……ここだと少々難しいな。この大通りは国外の者も多く居るためか、物の価値の情報の均一性が測りにくい」
「どゆこと?」
「この辺り一帯が、人や物が流入する王都の玄関口になっている所為で、マナに溶け込んでいる情報が混線している部分がある。王都では魔物の素材や木材が安く買えるが、穀物や一部の縫製加工品は高いといった共通認識までは読み取れる。だが、同じ品物に対して、複数の国の者の持つ違った価値観が混在し、個別認識が混沌としていて読み取りが難しい」
「ふーん……あなたの能力も良し悪しな所があるのねぇ」
「すまないな」
「いえ、しかたないわよ。場所が悪かったってだけでしょ? 護衛の依頼料は適当に用意するわ」
護衛とはいえ、危険が伴う仕事を頼むのだから、このポーチより安いって事は無いだろうし。
とりあえず、50枚ほど生成しておいて、足りなければ追加で作ればいいか。
ポーチのベルトも調整して腰に……
むぅ……
ベルトの金具を弄るのがなかなか出来ない。
まだ、マニピュレータでの細かな動作は難しいわね……
「……よし、できた! それで、そろそろ東門も見えて来たけど、冒険者ギルドの建物ってどこ?」
「もう少し先だ、剣と盾の紋章の看板が掛けてある所らしい」
「んー……もしかして、あそこかな?」
ベディの言う通り、少し歩いた先に、剣と盾の紋章が彫られた青銅っぽい看板が見えた。
「ここね」
近くまで行って見てみると、なんだか他とは作りも雰囲気も少し違う建物だ。
学校のあった教会ほど広くは無いけど、あちらと同じく3階建ての建物で、土台が少し高く作られている分、こっちの方が建物としては高い。
周囲と比べても頭一つ突き出た感じで、目立つ構造と大きさをしている。
建物脇には厩みたいな物や何かの搬入口があって、正面の入り口は大きく開け放たれ。
その奥からは、少しお酒の臭いと共に、酔っ払いの騒ぎ声みたいな物も聞こえてきた。
「なんか、中から既に出来上がってる人達の雰囲気がプンプンするんだけど……」
「1階にはギルド直営の食事処があるとのことだ。午後を少し回ると酒の提供もしているそうだな」
どうやら、物語で見た様な冒険者ギルド定番の作りをしているらしい。
実際、目の当たりにすると、組織の建物として大丈夫なのか?という気持ちの方が強くなる。
まぁ、もう来てしまったのだから仕方ない。
変な事にならないように祈ろう。
気を取り直して、入口へ続く階段を数段登り、開け放たれた扉をくぐり、中へと足を踏み入れる。
すると「ギシィ……」という、大きな木の軋む音が足元から響いた。
おっふ……
ここ床が木製だ……
その音の所為で、シン…と室内の騒ぎ声が一斉に止み、私の方へ注目が集まってしまった。
「おい、今の何の音だ……?」
「なんだあいつ……?」
「見た事の無い奴だな?」
「この辺の奴か……?」
一瞬の間が開き、一階ホールの右側にある酒場みたいな所から、さざ波のごとく変なざわめきが起こって、ちょっとした緊迫感の様な雰囲気が漂った。
ちょっと今はファンタジー物の定番のような、ガラの悪い人に絡まれるような展開はかんべんなんだけど……
……大丈夫そうかな?
ジロジロと見てくるだけで、特に変な事をしてくる人はいないみたいだ。
見た目はアレな人もいるけど、乱暴者の集団と言うわけではなさそうで、少しほっとした。
それより、受付みたいな所はどこだろ?
酒場とは反対側にある、あれかな?
とりあえず行ってみよう。
「おいおい……あいつ何キロあるんだよ?」
「あの鎧か? 重いのは?」
「ガタイもデカいが、床が歩くたびに変な音立ててるぞ……」
受付に行こうと機体を歩かせると、やはり床が木製のため、歩くたびに足元から床の軋む音がホール内に響き、酒場に居る人達の反応が背中側から聞こえてくる。
うーん……
土の地面とか歩いてる時にも思ったけど、やっぱ機体が重すぎると、こういう弊害が大きいわねぇ……
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