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吸血姫、焚き付けられる
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「それはそうとレオン、妾は反射炉を所望するのじゃ!」
「反射炉?原始的な高炉で鉄鉱石を溶かして、転炉で精製した方が生産性と強度は高いんじゃないか?」
だんだん、技術的なものに詳しくなっていくな俺……
「それは妾も思ったのじゃが、高炉だと製鉄以外に炉が使いにくいのじゃ…… ゆえに、反射炉と転炉を欲しいと思ったのじゃ。上手くいけば“あるにこ”磁石をつくれるやもしれんのじゃ!」
「あるにこ磁石?」
「うむ!“あるみ”と“にっける”、“こばると”から名づけられておるのじゃが、先日奪還された鉱山区画でそれを見つけてもうてな、作れるかもしれんのじゃ!まぁ、着磁などの電力を蒸気式発電機で何とかできるかは問題じゃがのぅ……」
「別に構わないが人手はどれだけ必要なんだ?」
「まぁ、ぼちぼちやるのじゃ。あとで計画書を持っていくのじゃ!」
その反射炉と転炉を作るための耐火粘土を得るために鉱山区画で自然物を加工する俺の“造成”の概念装をひたすら使用させられ、ヘロヘロになるのは後日の話である……
ともかく、蒸気式発電機は見せてもらったので、戻る事にしよう。
去り際にリーゼロッテに声を掛けられる。
「ところで、レオン、あの件はどうなのじゃ?」
「ああ、順調だ。期待して待て」
「ほぅ、それは嬉しい事じゃのぅ♪」
彼女はにっこりと笑うのだった。
ちょうどその頃、スカーレットの私室にて……
「お疲れ様でした、イリア、おじ様も喜んでくれましたわ」
「いえ、向こう側で面白いものもたくさん見られましたので」
そう言いながらイリアは向こうのコンビニで買って来たお気に入りのア〇フォートを一口齧る。
「ん~、この香ばしいビスケットとチョコレートの組み合わせは絶妙な美味しさです。というか、地球は食べ物がおいしいですよね?」
「そうですわね、確かに牛丼は美味しかったですわ」
「え、スカーレット様、そんなところに行ったんですか? 魔王様、ダメダメですね~、行動がヤスダと変りません」
「…… イリア、不敬ですわよ」
「でも、もうちょっとお洒落なところで食事するべきだと思います。それに、スカーレット様も積極的に行動しないと、魔王様をモノにできませんよ?」
「で、でも、嫌われたら立ち直れません……」
「中々に拗らせていますね……スカーレット様はあれですか?行動する前に色々と考えて、リスクは避けちゃう性格なのですね」
「うぐっ…… 悔しいですが、否定はできませんわ」
そもそも彼女は長い間、この地下ダンジョンを護り続けている。攻めるよりも守りに重点を置く思考パターンが染み付いてしまっているのかもしれない……
「だから、今日も魔王様はリーゼロッテ様のところに行っちゃうんです!此処に来る前に工房区画に歩いていくのを見たのです!」
「そ、それは…… 」
「ここは頑張り処ですよ、スカーレット様!」
というやり取りが行われていたとかいないとか……
「反射炉?原始的な高炉で鉄鉱石を溶かして、転炉で精製した方が生産性と強度は高いんじゃないか?」
だんだん、技術的なものに詳しくなっていくな俺……
「それは妾も思ったのじゃが、高炉だと製鉄以外に炉が使いにくいのじゃ…… ゆえに、反射炉と転炉を欲しいと思ったのじゃ。上手くいけば“あるにこ”磁石をつくれるやもしれんのじゃ!」
「あるにこ磁石?」
「うむ!“あるみ”と“にっける”、“こばると”から名づけられておるのじゃが、先日奪還された鉱山区画でそれを見つけてもうてな、作れるかもしれんのじゃ!まぁ、着磁などの電力を蒸気式発電機で何とかできるかは問題じゃがのぅ……」
「別に構わないが人手はどれだけ必要なんだ?」
「まぁ、ぼちぼちやるのじゃ。あとで計画書を持っていくのじゃ!」
その反射炉と転炉を作るための耐火粘土を得るために鉱山区画で自然物を加工する俺の“造成”の概念装をひたすら使用させられ、ヘロヘロになるのは後日の話である……
ともかく、蒸気式発電機は見せてもらったので、戻る事にしよう。
去り際にリーゼロッテに声を掛けられる。
「ところで、レオン、あの件はどうなのじゃ?」
「ああ、順調だ。期待して待て」
「ほぅ、それは嬉しい事じゃのぅ♪」
彼女はにっこりと笑うのだった。
ちょうどその頃、スカーレットの私室にて……
「お疲れ様でした、イリア、おじ様も喜んでくれましたわ」
「いえ、向こう側で面白いものもたくさん見られましたので」
そう言いながらイリアは向こうのコンビニで買って来たお気に入りのア〇フォートを一口齧る。
「ん~、この香ばしいビスケットとチョコレートの組み合わせは絶妙な美味しさです。というか、地球は食べ物がおいしいですよね?」
「そうですわね、確かに牛丼は美味しかったですわ」
「え、スカーレット様、そんなところに行ったんですか? 魔王様、ダメダメですね~、行動がヤスダと変りません」
「…… イリア、不敬ですわよ」
「でも、もうちょっとお洒落なところで食事するべきだと思います。それに、スカーレット様も積極的に行動しないと、魔王様をモノにできませんよ?」
「で、でも、嫌われたら立ち直れません……」
「中々に拗らせていますね……スカーレット様はあれですか?行動する前に色々と考えて、リスクは避けちゃう性格なのですね」
「うぐっ…… 悔しいですが、否定はできませんわ」
そもそも彼女は長い間、この地下ダンジョンを護り続けている。攻めるよりも守りに重点を置く思考パターンが染み付いてしまっているのかもしれない……
「だから、今日も魔王様はリーゼロッテ様のところに行っちゃうんです!此処に来る前に工房区画に歩いていくのを見たのです!」
「そ、それは…… 」
「ここは頑張り処ですよ、スカーレット様!」
というやり取りが行われていたとかいないとか……
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