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その後一緒にお風呂に入ろうと誘われたが、頑として断り、じゃあせめて一緒に寝ようと言われ、そのまま強引にベッドに押し込まれた。

外はまだ雪が降っていて、体の芯まで冷えてしまいそうな寒さを理由につけ、清盛は悠を抱きしめて放さなかった。

温かいけれど、シングルのベッドに男二人は狭すぎる。

「いいじゃん、お前細いし可愛いから」

「可愛いは関係ないだろっ」

最大の譲歩案で、後ろから抱きつく形で寝ているのだが、清盛は一向に寝る気配がない。

それどころか、悠の髪を撫でたり、手探りで鼻を摘んだりしてきて、悠が眠るのを邪魔してるようだ。

「何なんだ、さっきから」

あまりにしつこいので思わず振り向くと、暗い室内でも綺麗な清盛の目とぶつかった。

そこにはいつもと違う光をたたえていて、どきりとする。

「…………ん」

その目が近付いたと思ったら、優しく唇を吸われていた。

チュッと音がして、初めて聞く音に、恥ずかしくて顔が熱くなる。

何度も何度もそんなキスが交わされ、悠の唇が痺れてきた頃、清盛はいつの間にか悠の身体の上にいた。

「なぁ、こういうキスとか、それ以上のキスとか、していい?」

それ以上のキスって何があるんだ、という悠の疑問は、発せられることはなかった。

大きな手のひらで頬を撫でられ、今更ながら酷く緊張していることに気付く。

「震えてる……寒い?」

言葉は優しいけれど、目は完全にぎらついていて、怖くて首をかろうじて横に振ることしかできなかった。

また顔が近付いたときには舌で唇を舐められ、ビクリ、と身体が跳ねる。

前にも感じた、背筋が震える感覚、それを人から与えられるなんて思いもしなかった。

「ほら、やっぱ俺我慢できないや。悠、抱いていい?」

こればかりは強引にするわけにはいかないから、と清盛は耳朶みみたぶを舐める。

その生温かい感触が、ゾクゾクと背筋を強張らせた。

その後やけに身体が熱くなって、息が上がってるのに気付く。

「な? いいだろ? 返事しねぇと、俺やめないよ?」

「あ……っ」

今度は首筋をツッと舐められ、思わず声を上げた。

それは普段自分が出す声よりも高く掠れていて、信じられない、と口を塞ぐ。

しかし、駄目、と清盛に優しくどかされ、その手をキュッと握ってくれた。

「悠はそのままで良いから。力抜いて、されるままになってて」

経験のない悠を気遣って、清盛はひたすら優しかった。

まずは肌が出ているところにキスを落とし、悠が感じるところを探る。

額、頬、唇、首筋とキスは下りていって、最後は軽く歯を立てられ、ビクン、と身体が震える。

「キヨ、キヨ……暑い……」

布団に入った時は寒かったのに、今は全部脱いでしまいたいほど暑い。

この身体の変化に戸惑いながらも、この行為は嫌ではなかった。

「うん、悠の身体、すごく熱い。覚えといて、これが感じてるってことだよ」

そう言って、清盛は悠の服の中に手を滑り込ませた。

汗でしっとりした肌の上を、清盛の大きな手が滑っていく。

それだけでゾクゾクして、甘い吐息が出てきてしまう。

捲り上げるようにして上半身の服を脱がされ、清盛が一瞬息を飲んだ。

「…………どうした?」

荒い息がおさまらないまま尋ねると、彼は苦しそうな顔をしながら、またキスをしてきた。

その息がとても熱くて、それにつられたのか悠の身体はさらに熱くなる。

「あーもう、ヤバイ……。悠、今ならまだ止められるから、嫌だったら言って」

普段なら考えられないほど気を遣っている清盛に、彼の本気を汲み取った。

ちゃんと返事しなきゃ、と口を開けたら、その下唇を親指でなぞられる。

「ん……バカ、喋れない、だろ?」

「だって、悠の肌気持ちいいんだもん」

白くてすべすべしてて、とあちこちを撫で、くすぐったさに身を捩る。

そのときに太腿の内側も撫でられて、ゾクリと肌が粟立った。
下半身はまだズボンに覆われているが、熱を持っているのは知られてしまったようだ。

しかし清盛はそれをからかったりせず、嬉しそうに笑うだけだ。

再びふにふにと悠の唇で遊び、腰を押し付けてきた。

「……っ」

悠と同じように熱くなったそこは、布越しでも硬くなっているのが分かる。

触り方が遊ぶようになっているのは、どうしても不安がってしまう悠の、気を紛らわすためだと思った。

すると、突然清盛が熱くなった部分を悠のそこに擦りつけてきた。一定のリズムで腰を動かす清盛は、切なそうに息を吐く。

「あ、あっ、や……っ」

自分ですらそこに触ることがない悠は、与えられる刺激を敏感に感じ取ってしまう。

「ま、待って、キヨっ」

このままではすぐに達してしまいそうだった悠は、慌てて清盛にしがみついた。

それを勘違いしたらしい彼は、動きを止めて、心配そうに顔を覗く。

「嫌だったか? 悪い」

「違うっ、……その、キヨのすること、全部、嫌じゃないから……だから」

切れ切れの息でそう言うと、清盛は何も言わず自分のスウェットを脱ぎだした。

下着一枚になると、今度は悠のズボンも脱がしにかかる。

「えっ? ちょ、やだっ」

上半身裸になっているだけでも恥ずかしいのに、これ以上脱がされたら死んじゃいそうだ。

しかも、下着一枚残してくれるかと思っていたのに、清盛は全部脱がそうとしている。

しかし、悠の抵抗もむなしく、するりと全て脱がされ、慌てて脚を閉じ、手で隠す。

「あーもう、エロい恰好しやがって」

「な、何だよそれっ」

自分で脱がせたくせに、嬉しそうに悠を眺める清盛こそ、悠の身体をさらに熱くさせる身体をしていた。

しなやかな筋肉が付いた腕、綺麗に盛り上がった胸板、いうまでもなく腹筋も割れていて、筋肉の「き」の字もない悠とは正反対だ。

サッカーで鍛えた身体とはいえ、一年のブランクがあっても維持しているのは、さすがだと思う。

「悠の場合、ここもすごくエロいんだよな」

「あっ、んんっ」

清盛は悠の胸の先をそれぞれ摘むと、軽く捏ねる。

腰に電流が走ったような刺激が走り、頭の奥が痺れた。

「あっ、あぁっ、キヨ、やだ、やだぁ……っ」

自分の意思とは関係なく身体が震え、この快感から逃れようとする。

そこを触られるだけで、手の中の悠が、ひくひくと反応するのが分かった。

こんなの知らない、と悠は首を振る。

しつこくそこを口でもいじめ始めた清盛は、ギュッと握りこんでいた悠自身を、悠の手ごと刺激した。

足を突っ張り、腰を浮かせると、逆に触ってと言っているようで恥ずかしい。

しかし、今の悠にはそんな余裕はなかった。

強すぎる刺激に翻弄され、胸から溢れた何かが、涙となって出てきた。

「ひ、や……っ、あっ」

「やっべぇ……可愛い、悠……」

清盛に苛められた胸の突起は、摩擦と興奮で綺麗な桜色になっていた。

白く柔らかい肌に栄えるその色は、清盛の興奮を誘う。

そんな余裕のない清盛の声にも触発されて、悠はすぐに限界を迎えた。

「あっ、あっ、どうしよっ、キヨ……出ちゃう……っ」

一際高い声で喘ぐ悠は、今まで知らなかった感覚に戸惑いながら、清盛に助けを求める。

涙が目尻から零れて、それを清盛が舌で拭った瞬間。

「ああっ! やぁ、あああっ!」

一瞬視界も脳内も真っ白になったかと思うと、一際大きく身体が震えた。

胸や顔にまで精液が飛び、その放出はすぐには終わらなかった。

「ああ、あ……、ん……っ」

余韻に身体を震わせていると、だんだん感覚が戻ってくる。

酸欠でボーっとする頭を動かすと、クラクラした。

「悠、大丈夫?」

心配する清盛の声がどこか遠くで聞こえる。

だが、様子がおかしいのに気付いたのだろう、いきなりは無理だったか、と拗ねたように呟いている。

返事ができずにいると、額に軽くキスされた。

何か言わなければ、と思うけれど、言葉が出てこない。

「ああ、いいよ。そのうち最後までさせてくれれば」

悠には言葉の意味が分からなかったけど、清盛が何かを譲ってくれているのは分かった。

こんな大人な面もあったんだなぁ、と思うと、愛しさが込上げてくる。

「キヨ……」

「ん?」

「…………好き」

意識がなくなる瞬間、そんなようなことを言ったような気がしたが、満ち足りた気分だったのは確かだ。

そのあと清盛が、やっぱ襲ってやろうか、と悶えたのは言うまでもない。
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