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第1章

109 十月十日、夕方

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楽しい夏も終わり季節はすっかり秋。
もうすぐ私も九歳になる。
後一年半で学校を卒業とは月日の流れは早いものだ。
そんなある日、私が学校から帰ると我が家に来客があった。
フェルナンド先生だ!
二年ぶりか。

「やあカース君おかえり。元気そうで何よりだね。」

「お久しぶりです! 先生こそお変わりなく何よりです!」

相変わらずの貴公子だ。

「前回約束したお土産を持ってきたよ。着けてみるといい。」

「ありがとうございます!」

これは!? 籠手か!
真っ黒で飾り気はないがよく見ると木目が美しい。そして妙な魔力を感じる。
着け心地は……ぴったりだ。まるでオーダーメイド。
サイズなど計ってないのになぜ?

「ぴったりだろ? 前回ここに来たのは大昔だったからサイズが合わないと大変だと思ってね。サイズ調節機能をつけてもらったのさ。」

「ありがとうございます! カッコいいです!」

「どういたしまして。私の剣でも切れないとは言え、過信してはだめだよ。」

素晴らしい!
エルダーエボニーエントだったか、すごいものを貰ってしまった。

「よかったわね。しっかり馴染ませておくのよ?」

「押忍!」

そうだ、これも木刀のように錬魔循環をして馴染ませておくのだ。するとどんないいことがあるんだろう?

「ところで、防具も馴染ませておくと何かいいことがあるの?」

「うふふ、杖の代わりにもなるし防御力も上がるわよ。本当によかったわ。ちなみに私とマリーとキアラはこのバングルをいただいたのよ。」

「それこそ切れっ端で申し訳ないですがね。今回はオディロン君を優先しましたからね。」

「本当にありがとうございます。今夜はオディロンも帰ってくると思いますので、喜ぶ顔が楽しみだわ。」

「奥様、お夕食はいかがいたしましょう? オディロン坊ちゃんがお帰りになるまで待たれますか?」

「そうね。もうすぐ帰ってくるはずだし、待っておきましょうか。それまで軽く飲んでましょうか、ね? フェルナンド様?」

「それはそれは。ご相伴に預かりましょう。ところでアランの奴は今夜は?」

「夜勤だそうです。戻るのは明日の昼ぐらいですわ。」

「それは残念。今回は一ヶ月ぐらいクタナツにおりますので、また来ればいいですな。」

先生と母上がお酒を飲んでる間、私はキアラに本を読んであげている。
夕飯はまだか? 腹がへってきた。オディ兄遅いなー。

そんな時だった。
門を激しく叩く音が聞こえてきたのは……
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