87 / 99
ちゃんと子供が作れるとすると俺は何児の父になるんだろう
しおりを挟む
やっちゃったなぁという気持ちはあるけど、しょうがないだろ。やりたいんだし。
呆れたように、というか、諦めたように俺を見る2人。いつの間にか、メルは布を抱っこ紐のようにして赤ん坊を抱いている。
「メル、その布、どうしたんだ?」
「いま、メイア? 青い髪の人にもらった」
そういうことか。いまから2時間くらい歩くし、あった方がいいよな。そういうの。
布に包まれた赤ん坊を覗き込むと、大人しく寝息を……たててない。
え? なにこれ、息してる? 生きてるの?
「なあ、この子、息してるか? 大丈夫なのか?」
「息なんてするわけねえだろ」
「はあ!?」
しないわけないだろ!
「くろーさん。さっき見せた胎盤。あれがあれば息しなくても平気。切り離すか胎盤がダメになれが勝手に泣き出すから」
そういうもんなのか。
「びっくりさせんなよ。エルダ」
「だって知らねえなんて思わねえよ」
むくれんな。くそ、ちょっと可愛いな。
「じゃ、帰るか。あと、うん。ごめんな」
悪いとは思ってるんだよ。一応は。
「いい。最悪、愛人はわたしが管理する。増えすぎたらメローにも手伝わせたらいい」
「あたしはそういうのやりたくねえなぁ」
「大丈夫。最初から姉さんには期待してない」
なんかもう後宮とか大奥のノリだな。
3人でフィーオウに向かって歩き出す。いや、赤ん坊がいるから4人か。
「それで、揺り籠について聞いていいか?」
歩きながら気になっていた疑問をきりだす。
「うん。それだと神殿の話からしないといけない」
「あ、それはリサに聞いた」
寝物語にな。
「むぅ」
こんどはメルがむくれた。うーん、メルがやると素直に可愛いと思えるんだよな。この差はなんだろう。
「どこまで聞いたの?」
「神殿が使えなくなって、子供を産めるようになったってとこまで」
「ほとんど聞いてんじゃねえか、それ」
あの時は子供の作り方がメインだったんだよ。保健体育。
「神殿が使えなくなってすぐ、揺り籠が出るようになった。見境なく人間を襲うから、最初は大変だったらしい」
「よくそれで、出てきた子供を育てようなんて思ったな」
「最初は色々あったみたい。それでも、この子達を取り込まないと人口がどんどん減っていくから」
「それに、なんだかんだ言って、赤ちゃんは可愛いかんな」
ふにふにと赤ん坊の頬を突くエルダ。そんなに子供好きなのか、こいつ。
「差別みたいなのはないのか? 迫害されたりとか」
「昔はあったみたい。けど、いまはないと思う。赤い髪の子は優秀だから」
赤い髪?
「赤い髪ってもしかして……」
「うん。揺り籠から出てきた子は、みんな真っ赤な髪。だから一目でわかる」
「遺伝もしねえしな。赤髪」
貴族から赤い髪が出ないって、そういうことだったのか。
いや、ちょっと意外だった。
「じゃあ、あの時の女騎士とか、ギルドのカミラなんかも?」
「そう、揺り籠の子。本人も周りも普通だったでしょ?」
女騎士はしらんが、確かにカミラは普通だった。なんかすごいな。何がすごいかはわからんけど。
「なんというか、普通のことなんだな。この世界では」
「そう普通のこと。くろーさんの世界は?」
俺の世界かぁ。まあ、子供の作り方を話すにはいい機会かな。
リサの時と同じように、保健体育の授業。
やっぱり生理の話は、2人にも衝撃だったらしい。
あと、なにも考えずに中出ししてごめんね。
「え、じゃあ、メルとあたしって妊娠してんのか?」
「わからん。まあ、お前らが欲しいって思わなければ絶対できないとは思うけど。もしできてたら産んでくれ」
欲しいと思ったらできるかも、まだわかんないしな。
「ん、わかった。でももう少し先がいい」
「あたしは、すぐにでも産みてえなぁ。けど動きづらくなっちまうよなぁ」
「落ち着くまで我慢して。落ち着いたら作ろう」
よかった。受け入れてくれた。正直、怒ると思ってた。
「なんか、ごめんな」
「そんなん今更だろ。メルもあたしも、もうくろーがいねえとやだし。ひでえなぁとは思ったけど」
「うん。いつか、わたしか姉さんが、くろーさんと子供を、とは思ってた。2人一緒に子供を産めるのは嬉しい。酷いとは思うけど」
ごめんね! でも元を正せばお前らが悪いんだからな!
呆れたように、というか、諦めたように俺を見る2人。いつの間にか、メルは布を抱っこ紐のようにして赤ん坊を抱いている。
「メル、その布、どうしたんだ?」
「いま、メイア? 青い髪の人にもらった」
そういうことか。いまから2時間くらい歩くし、あった方がいいよな。そういうの。
布に包まれた赤ん坊を覗き込むと、大人しく寝息を……たててない。
え? なにこれ、息してる? 生きてるの?
「なあ、この子、息してるか? 大丈夫なのか?」
「息なんてするわけねえだろ」
「はあ!?」
しないわけないだろ!
「くろーさん。さっき見せた胎盤。あれがあれば息しなくても平気。切り離すか胎盤がダメになれが勝手に泣き出すから」
そういうもんなのか。
「びっくりさせんなよ。エルダ」
「だって知らねえなんて思わねえよ」
むくれんな。くそ、ちょっと可愛いな。
「じゃ、帰るか。あと、うん。ごめんな」
悪いとは思ってるんだよ。一応は。
「いい。最悪、愛人はわたしが管理する。増えすぎたらメローにも手伝わせたらいい」
「あたしはそういうのやりたくねえなぁ」
「大丈夫。最初から姉さんには期待してない」
なんかもう後宮とか大奥のノリだな。
3人でフィーオウに向かって歩き出す。いや、赤ん坊がいるから4人か。
「それで、揺り籠について聞いていいか?」
歩きながら気になっていた疑問をきりだす。
「うん。それだと神殿の話からしないといけない」
「あ、それはリサに聞いた」
寝物語にな。
「むぅ」
こんどはメルがむくれた。うーん、メルがやると素直に可愛いと思えるんだよな。この差はなんだろう。
「どこまで聞いたの?」
「神殿が使えなくなって、子供を産めるようになったってとこまで」
「ほとんど聞いてんじゃねえか、それ」
あの時は子供の作り方がメインだったんだよ。保健体育。
「神殿が使えなくなってすぐ、揺り籠が出るようになった。見境なく人間を襲うから、最初は大変だったらしい」
「よくそれで、出てきた子供を育てようなんて思ったな」
「最初は色々あったみたい。それでも、この子達を取り込まないと人口がどんどん減っていくから」
「それに、なんだかんだ言って、赤ちゃんは可愛いかんな」
ふにふにと赤ん坊の頬を突くエルダ。そんなに子供好きなのか、こいつ。
「差別みたいなのはないのか? 迫害されたりとか」
「昔はあったみたい。けど、いまはないと思う。赤い髪の子は優秀だから」
赤い髪?
「赤い髪ってもしかして……」
「うん。揺り籠から出てきた子は、みんな真っ赤な髪。だから一目でわかる」
「遺伝もしねえしな。赤髪」
貴族から赤い髪が出ないって、そういうことだったのか。
いや、ちょっと意外だった。
「じゃあ、あの時の女騎士とか、ギルドのカミラなんかも?」
「そう、揺り籠の子。本人も周りも普通だったでしょ?」
女騎士はしらんが、確かにカミラは普通だった。なんかすごいな。何がすごいかはわからんけど。
「なんというか、普通のことなんだな。この世界では」
「そう普通のこと。くろーさんの世界は?」
俺の世界かぁ。まあ、子供の作り方を話すにはいい機会かな。
リサの時と同じように、保健体育の授業。
やっぱり生理の話は、2人にも衝撃だったらしい。
あと、なにも考えずに中出ししてごめんね。
「え、じゃあ、メルとあたしって妊娠してんのか?」
「わからん。まあ、お前らが欲しいって思わなければ絶対できないとは思うけど。もしできてたら産んでくれ」
欲しいと思ったらできるかも、まだわかんないしな。
「ん、わかった。でももう少し先がいい」
「あたしは、すぐにでも産みてえなぁ。けど動きづらくなっちまうよなぁ」
「落ち着くまで我慢して。落ち着いたら作ろう」
よかった。受け入れてくれた。正直、怒ると思ってた。
「なんか、ごめんな」
「そんなん今更だろ。メルもあたしも、もうくろーがいねえとやだし。ひでえなぁとは思ったけど」
「うん。いつか、わたしか姉さんが、くろーさんと子供を、とは思ってた。2人一緒に子供を産めるのは嬉しい。酷いとは思うけど」
ごめんね! でも元を正せばお前らが悪いんだからな!
10
お気に入りに追加
1,988
あなたにおすすめの小説
【R18】転生?した先は、リアルよりもHな世界でした。
N.M.V
ファンタジー
注)本小説は、1話毎にエロシーンが御座います。嫌悪感を抱かれる方、苦手な方は閲覧をお控えください。
……そこはダンジョン奥深く、戦闘の狭間で休憩していたワタシは、パーティーメンバーの1人、後衛の魔法士にいきなり弱の麻痺魔法をかけられ、押し倒された。
「なに考えれんろのよ!!、やめれぇ!!」
麻痺のせいでろれつが回らない。
「テメェが、素直にヤラせてくれねーからだろ?」
他のメンバーに助けを求め視線を向けた。だけど、全員が下卑た笑いをしてる。コイツら全員最初からワタシを犯す気なんだ。
最悪だわ。
魔法士は、ワタシの装備を剥がし、その下の服を引き裂いて、下半身の下着を引きちぎった。
「ペナルティ食らうわよ……」
「そんなもん怖くねーよ、気持ち良けりゃイイんだよ」
魔法士はそう言ってズボンを下ろした。ギンギンに張ったサオを握りしめ、ワタシの股を割って腰を入れて来る。
「や、やめてぇ、いやぁん」
「好き者のくせに、カマトトぶるんじゃねーよ、最初に誘ったのはオメエじゃねーか」
強引なのは嫌なのよ!
魔法士のサオがワタシのアソコに当てがわれ、先っちょが入って来る。太くて硬い、リアルとは異なるモノが……
「や、いやっ、あっ、ああっ」
………
ワタシの名前は、「エム」
人類は平和だろうが戦争中だろうが、心に余裕があろうがなかろうが、生きるも死ぬも関係なしに、とにかく欲望のままにHをしたがる。
ワタシがプレイしていたゲームは、そんな人類の中で、人より頭がちょっと賢くてオカシなゲームマスターが
「とにかくHがしたい」
なーんて感じで娯楽を創造したんだと思う。
類い稀なるフルダイブ型エロゲー。世界設定は、剣と魔法のファンタジー、エロゲーだけあり、Hもできちゃう。
でも内容は本格的、一切の妥協はなし。
生と死の間、命のやりとり、バトルオブサスペンス!、世界も広い!、未踏の大地、拡張されるストーリー!、無限に広がるナントやら。
因みに、H出来るのは倫理上、人同士のみ。
ゴブリンに攫われてヤラレちゃうとかナンセンス。そんなのは他所でヤレ、です。
…そんなゲーム世界から、いきなり異世界に飛ばされてしまった不幸なワタシの物語です。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜
墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。
主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。
異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……?
召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。
明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
死んだら男女比1:99の異世界に来ていた。SSスキル持ちの僕を冒険者や王女、騎士が奪い合おうとして困っているんですけど!?
わんた
ファンタジー
DVの父から母を守って死ぬと、異世界の住民であるイオディプスの体に乗り移って目覚めた。
ここは、男女比率が1対99に偏っている世界だ。
しかもスキルという特殊能力も存在し、イオディプスは最高ランクSSのスキルブースターをもっている。
他人が持っているスキルの効果を上昇させる効果があり、ブースト対象との仲が良ければ上昇率は高まるうえに、スキルが別物に進化することもある。
本来であれば上位貴族の夫(種馬)として過ごせるほどの能力を持っているのだが、当の本人は自らの価値に気づいていない。
贅沢な暮らしなんてどうでもよく、近くにいる女性を幸せにしたいと願っているのだ。
そんな隙だらけの男を、知り合った女性は見逃さない。
家で監禁しようとする危険な女性や子作りにしか興味のない女性などと、表面上は穏やかな生活をしつつ、一緒に冒険者として活躍する日々が始まった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる