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ある程度は我慢するけど舐められるのは嫌なんです

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「で、どうしたら納得してくれるんだ?」

 胸は、鎧でわかりにくいけど、たぶん小さい、いや普通か。最近、巨乳に慣れすぎてんな。あ、メル、ごめんね。

「一戦つきあえ。オレに勝てとは言わん。根性をみせてみろ」

 ……ほ~。

 舐めてんな、こいつ。ちょっとカチンときたぞ。

「ならベッドに行くか。2時間はもらうけどいいか?」

「……いい度胸だな。貴様」

 ゆっくりと俺から手を離すライオン女。

 はっ、余裕ぶってるけど、ビキビキ擬音が付きそうな顔になってんぞ。

「ミリア。よこせ」

「はっ、はい!」

 緑髪が抱えていた両手剣をライオン女に手渡す。

 ミリアっていうのか。だいぶビビッてるな。

「メイア。渡してやれ」

「はい!」

 青髪が俺に片手剣を差し出す。さっきまでの敵意は消えて哀れむような目だ。 
 
「ありがとう。けど、俺は素手でいい」

「は?」

 鎧も着てないような相手に、あんなでかい両手剣を握る馬鹿には武器はいらん。

「どこまでも舐めてくれるなぁ、貴様」

 おうおう、ガチ切れか。

「くろーさん、なんで煽るの」

「穏便に済ますんじゃねえのかよ!」

「いいから下がってろ」

 メルとエルダ、青髪と緑髪が俺とライオン女から距離をとる。

 根性見せろは無いわ。正規兵だか何だか知らんが、こいつは犯す。

 だいたいリサが誰に惚れようが付き合おうが、リサの勝手だろうが。

「息があれば魔法で癒してやる。死なないように動いてみろ」

 言いながら両手剣を大上段に構える。

「お優しいことで。俺が勝ったら犯すぞ、お前」

「はっ、やってみろ。ベッドに行きたいんだったな、貴様。死んでなかったら躾けた後でベッドで可愛がってやる」

「惚れた女を寝取った相手を調教すんのか。いい趣味だな」

 ライオン女から表情が消える。

「死ね」

 踏み込んでの袈裟斬り。速い。

 身を屈めつつ左前へと踏み出す。頭の上を刃が通り抜ける。

 振りぬいた勢いで背中から飛び込んでくる。体当たり。

 すれ違うように右脚を踏み出す。ライオン女の身体が背中に触れ、振りぬくつもりだった両腕が俺の右脇腹へと当たる。

 その両腕を、勢いを殺さず、自分の身体に巻き取るように。しいて言うなら大外狩りのように地面へと叩きつける。

「かはっ」

 背中から落ちると苦しいだろ。重い鎧が仇になるからな。

 空気を求めて開いた口。その顎先を掌で打ち抜く。

 これで終わり。

 大剣の隙を格闘で潰すのは悪くないんだけどな。研究し尽くされてんだよ、そんなの。

「うそ……」

 この声は青か緑か。まぁ、どっちでもいい。

「メル、そっちの2人を後ろ手に縛れ」

「え、嫌。怖い」

「やれ」

 怖いから嫌ってヘタレすぎるだろ。

「なんで、自分らまで縛られるんすか……」

「邪魔されると困るから。それ以上は何もしない。安心しろ」

 観念したのか、自分から後ろに手を回す2人。メルとエルダが恐る恐る近づいていく。

「わかってると思うが、変な気は起こすなよ」

 正息し、丹田呼吸。4人が身を震わせて硬直する。はったりには最高だな、これ。

「くろーさん、それやめて。ほんとに怖い」

 大丈夫なんだから慣れろよ、とも思うけど、破裂寸前の風船を突きつけられるようなもんか。割れないってわかってても怖いかもな。

「その2人が何もしなければな」

 はったりの効果は抜群だったのか、おとなしく後ろ手に縛られる2人。

 で、こっちはどうするか。できたら全裸にしたいんだけどな。

「エルダ、こいつの鎧、脱がせてくれ」

「え、起きねえか? それ」

「起きたら首絞めて気絶させるよ。前にお前にやったやつな」

 数日前のことなのに懐かしく感じる。

「嫌なこと思い出させんなよ……」

 ぶつぶつ言いながらも、手際よくライオン女の鎧を向いていくエルダ。

「俺は女を抱いたのはあれが初めてなんだけどな。嫌な思い出なのか」

 ちなみに俺はくっそ興奮した。まんこ臭いし、思ったほど気持ちよくなかったけど。

「あ、え? あ、そっか、くろーの初めてって、あたしなんだ。えへへ」

 可愛い反応すんじゃねえよ。キャラ崩れてんぞ。

 よし、後は結束バンドで仮止めして、と。

「お前らのベッドに案内しろ。嫌ならここでやるぞ?」



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