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海辺の町で、あなたと
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「ずっと待ってたんだからな。聞かせろよ」
「……好き……だよ」
照れくさくて小さな声でそう言うと、應汰はわざとらしく私の口元に耳を寄せる。
「聞こえない。もう一度」
「好き……」
「声が小さい。もう一度」
「もう!!應汰が好きだって言ってるでしょ!!」
思わず大声でそう言うと、應汰は嬉しそうに笑って私を強く抱きしめた。
「何度でも聞きたいじゃん。やっと好きだって言ってくれたんだから」
「應汰のバカ……。大好きだよ……」
應汰の胸に顔をうずめた。
やっぱり應汰はあったかいな……。
またこの胸に抱きしめられる日が来るなんて思っていなかったから、嬉しくて何度も頬をすり寄せた。
「もう俺に黙って勝手にどっか行くなよ」
「うん」
「芙佳、俺の嫁になれ」
「やだ」
「こんなに好きだって言っても……やっぱ、俺とじゃイヤか?」
少し不安そうな顔で、應汰が私の目を覗き込んだ。
こういうところ、やっぱりちょっとかわいい。
私は笑いをこらえながら、両手で應汰の頬を軽くつまんだ。
應汰は驚いた様子で、わけがわからないと言いたそうな顔をしている。
「……嘘、いいよ。應汰がどうしてもって言うなら、嫁になってやる」
「なんだそれ!」
「イヤならいい」
「バカッ!どうしてもだ!!」
私たちは声をあげて笑いながらじゃれ合った。
床の上で寝転がり、向かい合わせになってお互いの両手を握る。
見つめ合った應汰の目に、私が映っている。
「芙佳、ずっと俺のそばにいろよ」
「浮気したら許さないからね」
「絶対しねーよ!一生芙佳だけ愛してやる」
「仕方ないな……。そこまで言うなら一生愛させてやる」
「こいつ……!そんな事言うのはこの口か!!」
應汰が私の頭を両手で引き寄せ唇を塞いだ。
唇をついばむような優しいキスの後、應汰は唇を離して額を私の額にくっつけた。
「芙佳、愛してる。俺と結婚して下さい」
應汰と一緒に生きて行きたい。
こんなに私を愛してくれる人は、きっと他にいない。
私も同じくらい應汰を愛したい。
應汰とならこの先もずっと、同じ未来に向かって一緒に歩いて行けそうな気がする。
「ふつつか者ですがよろしくお願いします」
「全然ふつつかじゃないけどな。気が利くし、ドキドキするくらい可愛いのに、一緒にいると落ち着く」
「應汰は俺様だし、いつも偉そうだし、手が早いし、めちゃくちゃやらしいね」
「ひとつくらい誉めるとこはねぇのか……?」
ガックリと肩を落とす姿に思わず吹き出しそうになりながら、應汰をギュッと抱きしめた。
心の底から愛しさが込み上げる。
「應汰は私の事一番わかってくれる。一番愛してくれる。一番大事にしてくれる。私も應汰を一番わかりたいし大事にしたい」
「……一番愛してくれないのか?」
「それは一生かけて應汰が確かめて」
私が答えると、應汰はじっと私の目を見つめた。
「心も体も全部俺だけの芙佳だって、今すぐ確かめたい」
もう私の中に迷いはない。
私は應汰の目をまっすぐに見つめ返す。
「うん……確かめて」
應汰は私を軽々と抱き上げてベッドに運ぶと、舌先で唇や舌をそっと撫でるようなキスをしながら私の服を脱がせ、大きな手で愛しそうに私の素肌に触れた。
優しいキスと愛撫は次第に熱を帯びていく。
柔らかい唇、甘いキス、あたたかい手、優しい指先、切なげに私を呼ぶ声、熱い吐息や体の重みさえも、應汰のすべてがいとおしくて、私は應汰の背中をギュッと抱きしめた。
心と体の奥の深いところでもっと應汰を感じたくて、目を閉じて應汰に身を委ねる。
「芙佳……今、目ぇ閉じて何考えてる?」
「應汰を感じてる」
「……ホントに?」
目を開くと、應汰はまた不安そうな顔で私を見つめていた。
もう不安にさせないように、私の気持ちが伝わるように、應汰の頬を両手で包んでキスをした。
「ホントだよ。應汰が好き。だからもっと應汰を感じさせて」
「……言ったな。覚悟しろよ」
「……好き……だよ」
照れくさくて小さな声でそう言うと、應汰はわざとらしく私の口元に耳を寄せる。
「聞こえない。もう一度」
「好き……」
「声が小さい。もう一度」
「もう!!應汰が好きだって言ってるでしょ!!」
思わず大声でそう言うと、應汰は嬉しそうに笑って私を強く抱きしめた。
「何度でも聞きたいじゃん。やっと好きだって言ってくれたんだから」
「應汰のバカ……。大好きだよ……」
應汰の胸に顔をうずめた。
やっぱり應汰はあったかいな……。
またこの胸に抱きしめられる日が来るなんて思っていなかったから、嬉しくて何度も頬をすり寄せた。
「もう俺に黙って勝手にどっか行くなよ」
「うん」
「芙佳、俺の嫁になれ」
「やだ」
「こんなに好きだって言っても……やっぱ、俺とじゃイヤか?」
少し不安そうな顔で、應汰が私の目を覗き込んだ。
こういうところ、やっぱりちょっとかわいい。
私は笑いをこらえながら、両手で應汰の頬を軽くつまんだ。
應汰は驚いた様子で、わけがわからないと言いたそうな顔をしている。
「……嘘、いいよ。應汰がどうしてもって言うなら、嫁になってやる」
「なんだそれ!」
「イヤならいい」
「バカッ!どうしてもだ!!」
私たちは声をあげて笑いながらじゃれ合った。
床の上で寝転がり、向かい合わせになってお互いの両手を握る。
見つめ合った應汰の目に、私が映っている。
「芙佳、ずっと俺のそばにいろよ」
「浮気したら許さないからね」
「絶対しねーよ!一生芙佳だけ愛してやる」
「仕方ないな……。そこまで言うなら一生愛させてやる」
「こいつ……!そんな事言うのはこの口か!!」
應汰が私の頭を両手で引き寄せ唇を塞いだ。
唇をついばむような優しいキスの後、應汰は唇を離して額を私の額にくっつけた。
「芙佳、愛してる。俺と結婚して下さい」
應汰と一緒に生きて行きたい。
こんなに私を愛してくれる人は、きっと他にいない。
私も同じくらい應汰を愛したい。
應汰とならこの先もずっと、同じ未来に向かって一緒に歩いて行けそうな気がする。
「ふつつか者ですがよろしくお願いします」
「全然ふつつかじゃないけどな。気が利くし、ドキドキするくらい可愛いのに、一緒にいると落ち着く」
「應汰は俺様だし、いつも偉そうだし、手が早いし、めちゃくちゃやらしいね」
「ひとつくらい誉めるとこはねぇのか……?」
ガックリと肩を落とす姿に思わず吹き出しそうになりながら、應汰をギュッと抱きしめた。
心の底から愛しさが込み上げる。
「應汰は私の事一番わかってくれる。一番愛してくれる。一番大事にしてくれる。私も應汰を一番わかりたいし大事にしたい」
「……一番愛してくれないのか?」
「それは一生かけて應汰が確かめて」
私が答えると、應汰はじっと私の目を見つめた。
「心も体も全部俺だけの芙佳だって、今すぐ確かめたい」
もう私の中に迷いはない。
私は應汰の目をまっすぐに見つめ返す。
「うん……確かめて」
應汰は私を軽々と抱き上げてベッドに運ぶと、舌先で唇や舌をそっと撫でるようなキスをしながら私の服を脱がせ、大きな手で愛しそうに私の素肌に触れた。
優しいキスと愛撫は次第に熱を帯びていく。
柔らかい唇、甘いキス、あたたかい手、優しい指先、切なげに私を呼ぶ声、熱い吐息や体の重みさえも、應汰のすべてがいとおしくて、私は應汰の背中をギュッと抱きしめた。
心と体の奥の深いところでもっと應汰を感じたくて、目を閉じて應汰に身を委ねる。
「芙佳……今、目ぇ閉じて何考えてる?」
「應汰を感じてる」
「……ホントに?」
目を開くと、應汰はまた不安そうな顔で私を見つめていた。
もう不安にさせないように、私の気持ちが伝わるように、應汰の頬を両手で包んでキスをした。
「ホントだよ。應汰が好き。だからもっと應汰を感じさせて」
「……言ったな。覚悟しろよ」
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