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トラブル発生!どうなる結婚式?!~緊急事態でも妻を愛でる夫は愛の化身~
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「エロいことしなくても、俺はモモとこうしてるだけで幸せだし、めっちゃ癒される。モモ、差し入れ嬉しかった。ありがとな」
「うん……どういたしまして」
尚史の大きな手の優しさと、私より少し高めの体温が手のひらからジンジンと伝わってくる。
このぬくもりを一生独り占めしたい。
私は間違いなく、誰よりも尚史が好きだ。
それから5分ほどして、尚史が「ずっとこうしてたいけど、そろそろ仕事に戻らないとな」と言いながら、ネクタイをしめ直した。
私ももう少しこうしていたかったけど、あと少しで休憩時間が終わろうとしている。
「そうだ……。私も残業になったから、バウムクーヘンの受け取りはお父さんに頼んだよ。それと、明日は11時半頃に迎えに来てもらえることになったから」
「そりゃ助かるな。じゃあ死ぬ気で頑張って、できるだけ早く終わらせる」
「私も頑張る。明日は結婚式だもんね」
コンビニ袋にまとめたゴミをバッグにしまって立ち上がると、尚史はイスに座ったまま右手で私の体を抱き寄せ、軽く口付けた。
「それももちろんあるけど、早く帰って少しでもモモと一緒に休みたいから」
「ホントに休ませてくれる……?」
「当たり前だ。でも日曜日は一日中イチャイチャする所存。モモを思いきり撫で回して舐め回して、これでもかってくらい愛でる」
「そんなのいちいち宣言しなくていいよ……」
尚史とはもう何度も抱き合っているのに、あまりにもストレートに求められるとやっぱり恥ずかしい。
さっき服の上から少し触られただけでも、そのさきを期待して体の奥がうずいてしまったことを思い出し、余計に恥ずかしくなって頬が熱く火照った。
「モモ、その顔可愛すぎてヤバイ。他の男には絶対に見せたくないから、今すぐ顔戻して」
「そんなこと言われても……」
「円周率、言えるとこまで言ってみるとか」
「円周率なんか3.14までしか知らないよ!」
「じゃあお経唱えてみるとか?」
「もっと知らんわ!」
尚史の狙い通り、やいやい言っているうちに頬の火照りもおさまり、小会議室を出てお互いのオフィスに戻った。
オフィスではみんながそろそろ休憩を終えて仕事を再開しようとしていた。
「おかえりなさい、モモさん。ちゃんと差し入れ渡せたみたいですね」
何事もなかったように席に着いた私に、アキちゃんがコーヒーを飲みながら小声で尋ねる。
「うん、まぁ……タイミング良くエレベーターで会ってね。差し入れ渡して、話しながら一緒に食べた」
「いいなぁ、ラブラブで……。モモさんはフル充電完了したみたいだし、私も休憩して頭スッキリしたことだし、頑張って残りの仕事やっつけて、さっさと帰りましょう!」
「よし、頑張ろう!」
私たちは笑いながらパソコンに向かい、入力作業の続きに取り掛かった。
尚史も頑張っているんだと思うといつもより仕事が捗る。
さっきまではイライラしながら作業に取り組んでいたみんなも、休憩してリフレッシュしたのが良かったようで、幾分か穏やかな表情をしている。
その結果、最初に予想していたより作業は順調に進み、2時半を少し回った頃にすべての入力が終わった。
課長のチェックも無事に済んで、作業していた全員が安堵の息をつく。
「みんな、お疲れ様。タクシー代払ったら領収書きっちりもらっとけよ。来週経理部にまとめて請求するからな」
課長の言葉を聞きながら帰り支度をして、バッグからスマホを取り出した。
尚史はもう終わったかな?
「さぁ帰りましょう、モモさん!早く帰って、結婚式に備えて少しでも休んでください!」
「うん……どういたしまして」
尚史の大きな手の優しさと、私より少し高めの体温が手のひらからジンジンと伝わってくる。
このぬくもりを一生独り占めしたい。
私は間違いなく、誰よりも尚史が好きだ。
それから5分ほどして、尚史が「ずっとこうしてたいけど、そろそろ仕事に戻らないとな」と言いながら、ネクタイをしめ直した。
私ももう少しこうしていたかったけど、あと少しで休憩時間が終わろうとしている。
「そうだ……。私も残業になったから、バウムクーヘンの受け取りはお父さんに頼んだよ。それと、明日は11時半頃に迎えに来てもらえることになったから」
「そりゃ助かるな。じゃあ死ぬ気で頑張って、できるだけ早く終わらせる」
「私も頑張る。明日は結婚式だもんね」
コンビニ袋にまとめたゴミをバッグにしまって立ち上がると、尚史はイスに座ったまま右手で私の体を抱き寄せ、軽く口付けた。
「それももちろんあるけど、早く帰って少しでもモモと一緒に休みたいから」
「ホントに休ませてくれる……?」
「当たり前だ。でも日曜日は一日中イチャイチャする所存。モモを思いきり撫で回して舐め回して、これでもかってくらい愛でる」
「そんなのいちいち宣言しなくていいよ……」
尚史とはもう何度も抱き合っているのに、あまりにもストレートに求められるとやっぱり恥ずかしい。
さっき服の上から少し触られただけでも、そのさきを期待して体の奥がうずいてしまったことを思い出し、余計に恥ずかしくなって頬が熱く火照った。
「モモ、その顔可愛すぎてヤバイ。他の男には絶対に見せたくないから、今すぐ顔戻して」
「そんなこと言われても……」
「円周率、言えるとこまで言ってみるとか」
「円周率なんか3.14までしか知らないよ!」
「じゃあお経唱えてみるとか?」
「もっと知らんわ!」
尚史の狙い通り、やいやい言っているうちに頬の火照りもおさまり、小会議室を出てお互いのオフィスに戻った。
オフィスではみんながそろそろ休憩を終えて仕事を再開しようとしていた。
「おかえりなさい、モモさん。ちゃんと差し入れ渡せたみたいですね」
何事もなかったように席に着いた私に、アキちゃんがコーヒーを飲みながら小声で尋ねる。
「うん、まぁ……タイミング良くエレベーターで会ってね。差し入れ渡して、話しながら一緒に食べた」
「いいなぁ、ラブラブで……。モモさんはフル充電完了したみたいだし、私も休憩して頭スッキリしたことだし、頑張って残りの仕事やっつけて、さっさと帰りましょう!」
「よし、頑張ろう!」
私たちは笑いながらパソコンに向かい、入力作業の続きに取り掛かった。
尚史も頑張っているんだと思うといつもより仕事が捗る。
さっきまではイライラしながら作業に取り組んでいたみんなも、休憩してリフレッシュしたのが良かったようで、幾分か穏やかな表情をしている。
その結果、最初に予想していたより作業は順調に進み、2時半を少し回った頃にすべての入力が終わった。
課長のチェックも無事に済んで、作業していた全員が安堵の息をつく。
「みんな、お疲れ様。タクシー代払ったら領収書きっちりもらっとけよ。来週経理部にまとめて請求するからな」
課長の言葉を聞きながら帰り支度をして、バッグからスマホを取り出した。
尚史はもう終わったかな?
「さぁ帰りましょう、モモさん!早く帰って、結婚式に備えて少しでも休んでください!」
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