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トラブル発生!どうなる結婚式?!~緊急事態でも妻を愛でる夫は愛の化身~

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「じつにけしからん……。モモは自覚ないんだろうけど、その顔とか声とか喋り方とか表情とか匂いとか手付きとか柔らかさとか小ささとか髪の生え際とか体温とかツンデレとかほくろの位置とか首筋の産毛とか……とにかくマジですべてが可愛すぎる……!」

尚史はどんだけマニアックに私のことが好きなんだ!
顔とか声とか表情なんかは好きだと思う理由としてある程度は理解できたとしても、その他がヤバすぎる!
さすがの私も引くわ!
きっと尚史の萌えポイントは誰にも理解してもらえないだろう。

「はぁ、かわいすぐる……今すぐ服ひっぺがして撫でまわしたい」

まさかここで夫婦の営みをおっぱじめようと言うのか?!
いくら新婚でもそれは許されないけれど、思春期の男子学生並みの性欲を誇る尚史ならやりかねない。

「ええぇ……ここでそれは勘弁して……」
「もちろんそれは我慢するけど……ちょっとだけ充電させてくれる?」
「充電って……」

尚史は柔らかい唇で私の唇をふさいで、私の言葉を途中で遮った。
私の舌を絡め取る尚史の湿った舌の感触が私の感覚をいたずらに刺激して、体の奥が切なくうずく。
口内を執拗に舐め回され、大きな手で胸の膨らみを服の上から愛でられて、私はこらえきれず小さな声をあげる。
尚史の少し荒い息遣いと、こんな場所でイケナイことをしている背徳感で、体がいつもより過剰に反応しているのが自分でもわかった。
まずいな……。
ここでは思いきり抱き合ってお互いの体を満たすことなんてできないのに、今こんなことをされたら、このあとの仕事に身が入らないのは目に見えている。

「尚史……これ、ちょっと……じゃない……」
「んー……ごめん、モモが可愛すぎて……」
「私もこのあとまだ仕事があるから、もうこれくらいにしてくれる……?」
「それもそうだな。メシもまだ済んでないし」

野獣と化しそうになった尚史をなんとか抑制して、乱れた髪や衣服を整え、食べかけのおにぎりに手を伸ばした。
やれやれ、危ないとこだった。
あのままうっかり尚史のペースに巻き込まれていたら、TLティーンズラブ漫画でよくある秘密の社内恋愛のラブシーン……いや、ラブシーンなんてかわいいもんじゃないな。
ファンタジーかと見まがうほどの、現実離れしたエロシーンに突入していただろう。

「ヘンなこと聞くけど……尚史って性欲強いの?」
「別に普通だと思うけど?」
「成人男性の性欲って、普通でそんな感じ?」
「あー……俺の性欲はモモ限定で500%だから」

尚史よ、それはウィットに富んだジョークなのか?
それとも本気で言っているのか?
性欲500%ってなんだ?!
普通の尚史5人分ってことか?
そもそも普通の尚史の性欲はいかほど?!
私は尚史の言葉にうろたえ、おにぎりもまだ食べ掛けなのに野菜サンドの封を開けて急いで口に運び、シャキシャキのレタスを咀嚼しながら、心の中で尚史にツッコミを入れ続ける。
答えの返ってこない一人ツッコミで、尚史との結婚生活で私の身はもつのだろうかとか、私だけではさばききれない尚史の性欲はどう処理すればいいのかという新たな不安が生まれた。
尚史は爆弾おにぎりの最後の一口を口に放り込んで、モグモグと噛みしめながら私の頭をポンポンと優しく叩く。

「モモ、どうした?顔色悪いぞ」
「性欲魔人尚史のせいだ……」
「んー……そっか、ごめん。がっついて悪かった。もうがっつかないから、まだ時間あるならもう少し充電させてくれる?」
「TL展開にならないならいいけど……」
「なんないよ。俺もあれ以上するとヤバイし、まだ仕事残ってるし」

尚史は笑いながらそう言って、私の肩に軽く頭を乗せて手を握った。

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