200 / 240
初めての夫婦喧嘩(?)で新妻爆発する~なぜそんなものを犬に食わせようとした?~
22
しおりを挟む
「そもそも夫婦喧嘩は食べ物じゃないのに、なんで犬に食わせようとしたんだろう?それになんで犬なの?猫とか牛とか他の動物は食べようとしたけど、犬が食べようとしなかったからそんな風に言うようになったのかな?」
尚史は少し呆れた顔をして枕元に置いていたスマホを手に取り、ネットで『夫婦喧嘩は犬も食わぬ』を検索して、その画面を私に見せた。
「物の例えだな。実際に食わせようとしたわけではないらしい」
【夫婦喧嘩は犬も食わないの解説】
何でも食う犬でさえ見向きもしないという意から、夫婦間の細かい内情などは知りがたいものだし、すぐに元に戻るようなことなのだから、ほうっておけばよいということのたとえ。
「なるほど……。でも最近の犬はなんでもかんでも食べないらしいし、夫婦円満にひと役買う家族みたいな存在だって話、よく聞かない?この犬はきっと飼い犬じゃなくて、夫婦喧嘩以外はなんでも食べる野良犬だったんだね」
「モモの着眼点はそこか?これは要するに、『他人が口をはさまなくても、夫婦喧嘩なんてそのうちおさまるからほっときゃいい』ってことだろ?」
「それでおさまればの話だけどね。夫婦喧嘩も末期になると、話し合うのも離婚するのも面倒になってお互いに自分の中から相手の存在を消すんだって」
私の何気ない一言に、尚史は顔をひきつらせた。
まさかさっきの些細な喧嘩で、いつか自分たちもそうなるのかと思ったのか?
だからそこはそうならないように努力しようよ。
私は尚史のひきつった口元を指でつついて無理やり口角をあげた。
「私たちはそんな風にならないように、喧嘩してもちゃんと話し合って、お互いが納得して仲直りしよう。そのためにはやっぱり、これだけは約束して欲しいんだけど」
「もしかして……『浮気は絶対にしない』ってこと?」
あのとき尚史はやっぱり気付いてたんだな。
そりゃそうか。
新婚夫婦のルールが『うちの中でも歩きスマホは禁止!』なんて、どう考えてもおかしいもんね。
「そう。私と結婚する前のことは、本当にもう気にしなくていいから。このさき一生、よそ見しないで私のことだけ好きでいて。他の人には絶対に触ったり触らせたりしないで。私も尚史のことだけずっと好きでいるし、尚史にしか触らないし触らせないから」
「もちろん最初からそのつもり。俺はずっと昔から好きなのはモモだけだし、目の前に本物のモモがいるんだから身代わりなんて要らないし。触ってもいいなら妄想じゃなくて本物のモモを抱きたい」
改めて『抱きたい』なんて言われると、さっきまでの自分の乱れぶりや、尚史にされたあれやこれやを思い出して、無性に恥ずかしくなった。
それでも尚史に求められていることは嬉しいし、私も尚史と触れ合いたいと思う。
だけどそれを伝えるにはどう言えばいい?
『私も尚史としたい』 なんて言うのは恥ずかしいし、『浮気する余裕がなくなるくらい毎日しよう!』とか『好きなだけ触っていいよ!』も違う気がする。
『モモじゃなきゃ満足できない体にしてあ・げ・る♡』とか……いや、これは絶対に違うだろう。
「じゃあ……これからは私にだけ……してね」
恥ずかしさをこらえて小さな声でそう言うと、尚史は私をガバッと抱きしめて、大きなため息をついた。
「またそんな言葉を……!それ、完全に反則だから!」
反則って、なんのことだろう?
私はもしかして、言ってはならぬ言葉をのたまってしまったのか?
「……反則って?」
「可愛すぎるから!モモにそんなこと言われたら、俺また我慢できなくなってヤバイから!モモがもう少し慣れるまではできるだけ1回で抑えるように我慢するから、あんまり俺を煽らないで」
私の体に密着した尚史のそれが、また頭をもたげて熱く張りつめていることに気付いた。
尚史は少し呆れた顔をして枕元に置いていたスマホを手に取り、ネットで『夫婦喧嘩は犬も食わぬ』を検索して、その画面を私に見せた。
「物の例えだな。実際に食わせようとしたわけではないらしい」
【夫婦喧嘩は犬も食わないの解説】
何でも食う犬でさえ見向きもしないという意から、夫婦間の細かい内情などは知りがたいものだし、すぐに元に戻るようなことなのだから、ほうっておけばよいということのたとえ。
「なるほど……。でも最近の犬はなんでもかんでも食べないらしいし、夫婦円満にひと役買う家族みたいな存在だって話、よく聞かない?この犬はきっと飼い犬じゃなくて、夫婦喧嘩以外はなんでも食べる野良犬だったんだね」
「モモの着眼点はそこか?これは要するに、『他人が口をはさまなくても、夫婦喧嘩なんてそのうちおさまるからほっときゃいい』ってことだろ?」
「それでおさまればの話だけどね。夫婦喧嘩も末期になると、話し合うのも離婚するのも面倒になってお互いに自分の中から相手の存在を消すんだって」
私の何気ない一言に、尚史は顔をひきつらせた。
まさかさっきの些細な喧嘩で、いつか自分たちもそうなるのかと思ったのか?
だからそこはそうならないように努力しようよ。
私は尚史のひきつった口元を指でつついて無理やり口角をあげた。
「私たちはそんな風にならないように、喧嘩してもちゃんと話し合って、お互いが納得して仲直りしよう。そのためにはやっぱり、これだけは約束して欲しいんだけど」
「もしかして……『浮気は絶対にしない』ってこと?」
あのとき尚史はやっぱり気付いてたんだな。
そりゃそうか。
新婚夫婦のルールが『うちの中でも歩きスマホは禁止!』なんて、どう考えてもおかしいもんね。
「そう。私と結婚する前のことは、本当にもう気にしなくていいから。このさき一生、よそ見しないで私のことだけ好きでいて。他の人には絶対に触ったり触らせたりしないで。私も尚史のことだけずっと好きでいるし、尚史にしか触らないし触らせないから」
「もちろん最初からそのつもり。俺はずっと昔から好きなのはモモだけだし、目の前に本物のモモがいるんだから身代わりなんて要らないし。触ってもいいなら妄想じゃなくて本物のモモを抱きたい」
改めて『抱きたい』なんて言われると、さっきまでの自分の乱れぶりや、尚史にされたあれやこれやを思い出して、無性に恥ずかしくなった。
それでも尚史に求められていることは嬉しいし、私も尚史と触れ合いたいと思う。
だけどそれを伝えるにはどう言えばいい?
『私も尚史としたい』 なんて言うのは恥ずかしいし、『浮気する余裕がなくなるくらい毎日しよう!』とか『好きなだけ触っていいよ!』も違う気がする。
『モモじゃなきゃ満足できない体にしてあ・げ・る♡』とか……いや、これは絶対に違うだろう。
「じゃあ……これからは私にだけ……してね」
恥ずかしさをこらえて小さな声でそう言うと、尚史は私をガバッと抱きしめて、大きなため息をついた。
「またそんな言葉を……!それ、完全に反則だから!」
反則って、なんのことだろう?
私はもしかして、言ってはならぬ言葉をのたまってしまったのか?
「……反則って?」
「可愛すぎるから!モモにそんなこと言われたら、俺また我慢できなくなってヤバイから!モモがもう少し慣れるまではできるだけ1回で抑えるように我慢するから、あんまり俺を煽らないで」
私の体に密着した尚史のそれが、また頭をもたげて熱く張りつめていることに気付いた。
0
お気に入りに追加
161
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる