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サプライズはビックリさせてなんぼですが、予期せぬカミングアウトは歓迎しません
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リビングの真ん中で火曜日に買ってきた生活用品を広げていた尚史が、私がリビングに入ってきたことに気付いて振り返った。
「モモ、おかえり」
『おかえり』という言葉がやけにくすぐったい。
そうか、これからは尚史と私は毎日この部屋に帰るんだ。
「ただいま。差し入れにドーナツ買ってきたよ」
私が隣に座ってドーナツの入った袋を差し出すと、尚史は腕を伸ばして、ドーナツではなく私の体を抱き寄せて唇に軽くキスをした。
「……いきなり?」
「ドーナツもいいけど、まずはただいまのキスだろ」
「まるで新婚さんみたいなんだけど」
「まるでじゃなくて、正真正銘の新婚だからな」
このイケメン夫はどこまで甘いんだ?
きっとドーナツよりも甘いに違いない。
「お茶でもって思ったけど、よく考えたらポットもやかんも買ってないね」
「あー……忘れてたな。じゃあ電気ケトルでも買うか。たぶん買い忘れてるものがいろいろあると思うから、メモしといて明日にでも買いに行こう」
「わかった。じゃあ私、何か飲み物買ってくるよ」
「いや、俺が行ってくる。モモはゆっくりでいいから、この辺のもの適当にしまっといて」
尚史は財布を持って立ち上がり、飲み物を買いに行ってくれた。
その間に私は洗面器やシャンプー、ボディーソープなどを浴室に置き、洗濯用洗剤と柔軟剤を洗面台の下に収納して、台所用洗剤とスポンジ、食洗機用の洗剤をキッチンに運ぶ。
佐和ちゃんが言うには、食洗機は庫内にセットするだけで一度にたくさん洗えて、自分で洗う必要がないため、その間に別の用事ができるので便利な反面、光熱費が割とかかるらしい。
夫婦二人分の食器なら量が知れているので、食洗機を使うよりその都度手洗いした方が早くて経済的なんだそうだ。
もし使うなら、食器をためてから洗った方が経済的だとも言っていた。
生活するには家賃だけでなく、食費や光熱費、細々としたものを買うための雑費がかかるから、最初からその分のお金をきちんと予算組しておいて、節約できるところは節約して、夫婦二人だけのうちに貯蓄もしっかりしておくべきだというアドバイスもしてもらった。
私も尚史も実家を出て生活するのは初めてでわからないことばかりだから、アドバイスをしてくれる人がいることはとてもありがたい。
『新婚なんです♡』と言える今のうちに、わからないことは先輩方からしっかりと教わっておこう。
尚史の買ってきてくれた飲み物とドーナツでひと息ついてからカーテンを取り付け、作り付けの収納スペースに収納できるものを片付けたあとは、尚史の家に寄って車で私の家に行き荷物を運んだ。
漫画は本棚が届いてから運ぶことにしたので荷物はたいした量ではなかったけれど、自分たちで運ぶのは思ったより大変だった。
ようやく荷物を運び終える頃には日が暮れて、外は薄暗くなっていた。
「今日はこれくらいにしておくか」
「そうだね」
ゴミをまとめて洗面所で手を洗い、戸締まりをして玄関に向かおうとすると、尚史が私を後ろから抱きしめた。
「明日からはモモと二人で、ここで暮らすんだな」
「うん」
尚史は私の体をくるりと自分の方に向かせ、正面からギュッと抱きしめて頭を撫でる。
「毎日モモと一緒にいられる。すげぇ嬉しい」
「私も嬉しい」
「そのうち家族が増えたりすんのかな」
「えっ?!」
「そんなに驚くことないだろ?夫婦なんだから」
まだ一緒に暮らし始めてもいないのに……いや、それどころか私たちはまだ子どもができるような行為に及んだこともないのに、いきなり子どものいる生活を思い描くのは気が早すぎる。
「モモ、おかえり」
『おかえり』という言葉がやけにくすぐったい。
そうか、これからは尚史と私は毎日この部屋に帰るんだ。
「ただいま。差し入れにドーナツ買ってきたよ」
私が隣に座ってドーナツの入った袋を差し出すと、尚史は腕を伸ばして、ドーナツではなく私の体を抱き寄せて唇に軽くキスをした。
「……いきなり?」
「ドーナツもいいけど、まずはただいまのキスだろ」
「まるで新婚さんみたいなんだけど」
「まるでじゃなくて、正真正銘の新婚だからな」
このイケメン夫はどこまで甘いんだ?
きっとドーナツよりも甘いに違いない。
「お茶でもって思ったけど、よく考えたらポットもやかんも買ってないね」
「あー……忘れてたな。じゃあ電気ケトルでも買うか。たぶん買い忘れてるものがいろいろあると思うから、メモしといて明日にでも買いに行こう」
「わかった。じゃあ私、何か飲み物買ってくるよ」
「いや、俺が行ってくる。モモはゆっくりでいいから、この辺のもの適当にしまっといて」
尚史は財布を持って立ち上がり、飲み物を買いに行ってくれた。
その間に私は洗面器やシャンプー、ボディーソープなどを浴室に置き、洗濯用洗剤と柔軟剤を洗面台の下に収納して、台所用洗剤とスポンジ、食洗機用の洗剤をキッチンに運ぶ。
佐和ちゃんが言うには、食洗機は庫内にセットするだけで一度にたくさん洗えて、自分で洗う必要がないため、その間に別の用事ができるので便利な反面、光熱費が割とかかるらしい。
夫婦二人分の食器なら量が知れているので、食洗機を使うよりその都度手洗いした方が早くて経済的なんだそうだ。
もし使うなら、食器をためてから洗った方が経済的だとも言っていた。
生活するには家賃だけでなく、食費や光熱費、細々としたものを買うための雑費がかかるから、最初からその分のお金をきちんと予算組しておいて、節約できるところは節約して、夫婦二人だけのうちに貯蓄もしっかりしておくべきだというアドバイスもしてもらった。
私も尚史も実家を出て生活するのは初めてでわからないことばかりだから、アドバイスをしてくれる人がいることはとてもありがたい。
『新婚なんです♡』と言える今のうちに、わからないことは先輩方からしっかりと教わっておこう。
尚史の買ってきてくれた飲み物とドーナツでひと息ついてからカーテンを取り付け、作り付けの収納スペースに収納できるものを片付けたあとは、尚史の家に寄って車で私の家に行き荷物を運んだ。
漫画は本棚が届いてから運ぶことにしたので荷物はたいした量ではなかったけれど、自分たちで運ぶのは思ったより大変だった。
ようやく荷物を運び終える頃には日が暮れて、外は薄暗くなっていた。
「今日はこれくらいにしておくか」
「そうだね」
ゴミをまとめて洗面所で手を洗い、戸締まりをして玄関に向かおうとすると、尚史が私を後ろから抱きしめた。
「明日からはモモと二人で、ここで暮らすんだな」
「うん」
尚史は私の体をくるりと自分の方に向かせ、正面からギュッと抱きしめて頭を撫でる。
「毎日モモと一緒にいられる。すげぇ嬉しい」
「私も嬉しい」
「そのうち家族が増えたりすんのかな」
「えっ?!」
「そんなに驚くことないだろ?夫婦なんだから」
まだ一緒に暮らし始めてもいないのに……いや、それどころか私たちはまだ子どもができるような行為に及んだこともないのに、いきなり子どものいる生活を思い描くのは気が早すぎる。
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