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ヲタはヲタを呼ぶ?昨日の恋敵は今日の同志~流れ星に集い愛を語ろう~
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「うん、ドレスにしたよ」
「いいなぁ……。女子ならやっぱり憧れますよね、ウエディングドレス……。式はどこで挙げるんですか?」
「結婚式場とかではなくてね。私のおばあちゃんが入院してる病院のロビーで挙げることにしたんだ」
「えっ、病院のロビーでですか?!」
谷口さんは大きな目をさらに大きく見開いた。
病院のロビーで結婚式を挙げるなんて聞かされたら、そりゃあ誰だって驚くだろう。
尚史の発想には当事者の私でさえ驚かされたのだから。
「キリスト教系の病院で、ロビーのステンドグラスがすごくきれいなの。私のおばあちゃんが、私たちの結婚式に出席するのを楽しみにしてるんだけど、外出は難しい状態でね。でもそこなら大丈夫だって、主治医の先生からも許可が下りたから。身内と極親しい友人だけを呼んで、こぢんまりとね」
「披露宴とかもしないんですか?」
「うん、そのつもり」
谷口さんはおそらく、結婚式や披露宴の準備の話をいろいろ聞きたかったんだと思う。
思い描いていたような盛大な結婚式ではないからか、かなり拍子抜けしているようだ。
それとは逆に、キヨはなるほどと言うような顔をして大きくうなずく。
「そうか、モモっちは元々、おばあちゃんに花嫁姿を見せたいって言ってたんだもんな。で、式はいつ?」
「今週末は新居に引っ越しだから、来週の土曜にしようかなって」
「おお、新居も決まったんだな。尚史は呼んでくれなくても、モモっちは結婚式にも新居にも呼んでくれるよな?」
「もちろんそのつもり。尚史、機嫌直して。二人にも来てもらおうね」
私がそう言って尚史の方を見ると、尚史はふてくされた顔で舌打ちをして、大きなため息をついた。
「モモがそう言うならしょうがないから呼んでやる。けど先に言っておく。結婚式でいくらモモの花嫁姿がきれいでも、絶対に惚れるなよ」
惚れるなよって……!
そんなことあり得ないのに、バカじゃないの?
キヨは尚史の言葉がよほど面白かったのか、涙を流して笑っている。
谷口兄はキヨとは逆に、大真面目な顔をしてうなずいた。
「わかった、気を付ける」
「尚史のモモ馬鹿ぶりもとうとうここまで来たか」
「モモ先輩、愛されてますねぇ」
谷口さんは未来の旦那様に溺愛されているシーンでも想像しているのか、うっとりとした顔で呟いた。
尚史のバカな発言に巻き込まれた私の方が恥ずかしい。
もしかして尚史はこれまでも、私の知らないところでこんなバカなことを言っていたんだろうか?
「尚史、バカ丸出し発言は控えて」
「どこがバカなんだ?モモが可愛いのはホントのことだろ?」
「だから、そういうのをやめてって言ってるの!」
私は恥ずかしくてしょうがないのに、尚史はちっとも恥ずかしくないらしい。
いくら新婚でも人前でこんな恥ずかしいことを言うなんて、尚史は本物のバカなんじゃなかろうか?
「そうだ……。病院のロビーにあるエレクトーン使っていいって言われたんだけど、エレクトーン弾ける人、誰か知らないか?」
尚史が真面目な顔をして尋ねると、谷口さんが私の隣で身を乗り出して、大きく手を挙げた。
「はい、私エレクトーン弾けます!」
「えっ?谷口さん、エレクトーン弾けるの?」
「3歳から高3のはじめまで習ってたんです。受験勉強に専念するためにやめちゃったんですけど、今は趣味でたまに弾いてます。コンクールで賞をもらったこともありますよ」
体育会系だと思っていた谷口さんが、コンクールで受賞するほどのエレクトーンの腕前の持ち主だとは!
「いいなぁ……。女子ならやっぱり憧れますよね、ウエディングドレス……。式はどこで挙げるんですか?」
「結婚式場とかではなくてね。私のおばあちゃんが入院してる病院のロビーで挙げることにしたんだ」
「えっ、病院のロビーでですか?!」
谷口さんは大きな目をさらに大きく見開いた。
病院のロビーで結婚式を挙げるなんて聞かされたら、そりゃあ誰だって驚くだろう。
尚史の発想には当事者の私でさえ驚かされたのだから。
「キリスト教系の病院で、ロビーのステンドグラスがすごくきれいなの。私のおばあちゃんが、私たちの結婚式に出席するのを楽しみにしてるんだけど、外出は難しい状態でね。でもそこなら大丈夫だって、主治医の先生からも許可が下りたから。身内と極親しい友人だけを呼んで、こぢんまりとね」
「披露宴とかもしないんですか?」
「うん、そのつもり」
谷口さんはおそらく、結婚式や披露宴の準備の話をいろいろ聞きたかったんだと思う。
思い描いていたような盛大な結婚式ではないからか、かなり拍子抜けしているようだ。
それとは逆に、キヨはなるほどと言うような顔をして大きくうなずく。
「そうか、モモっちは元々、おばあちゃんに花嫁姿を見せたいって言ってたんだもんな。で、式はいつ?」
「今週末は新居に引っ越しだから、来週の土曜にしようかなって」
「おお、新居も決まったんだな。尚史は呼んでくれなくても、モモっちは結婚式にも新居にも呼んでくれるよな?」
「もちろんそのつもり。尚史、機嫌直して。二人にも来てもらおうね」
私がそう言って尚史の方を見ると、尚史はふてくされた顔で舌打ちをして、大きなため息をついた。
「モモがそう言うならしょうがないから呼んでやる。けど先に言っておく。結婚式でいくらモモの花嫁姿がきれいでも、絶対に惚れるなよ」
惚れるなよって……!
そんなことあり得ないのに、バカじゃないの?
キヨは尚史の言葉がよほど面白かったのか、涙を流して笑っている。
谷口兄はキヨとは逆に、大真面目な顔をしてうなずいた。
「わかった、気を付ける」
「尚史のモモ馬鹿ぶりもとうとうここまで来たか」
「モモ先輩、愛されてますねぇ」
谷口さんは未来の旦那様に溺愛されているシーンでも想像しているのか、うっとりとした顔で呟いた。
尚史のバカな発言に巻き込まれた私の方が恥ずかしい。
もしかして尚史はこれまでも、私の知らないところでこんなバカなことを言っていたんだろうか?
「尚史、バカ丸出し発言は控えて」
「どこがバカなんだ?モモが可愛いのはホントのことだろ?」
「だから、そういうのをやめてって言ってるの!」
私は恥ずかしくてしょうがないのに、尚史はちっとも恥ずかしくないらしい。
いくら新婚でも人前でこんな恥ずかしいことを言うなんて、尚史は本物のバカなんじゃなかろうか?
「そうだ……。病院のロビーにあるエレクトーン使っていいって言われたんだけど、エレクトーン弾ける人、誰か知らないか?」
尚史が真面目な顔をして尋ねると、谷口さんが私の隣で身を乗り出して、大きく手を挙げた。
「はい、私エレクトーン弾けます!」
「えっ?谷口さん、エレクトーン弾けるの?」
「3歳から高3のはじめまで習ってたんです。受験勉強に専念するためにやめちゃったんですけど、今は趣味でたまに弾いてます。コンクールで賞をもらったこともありますよ」
体育会系だと思っていた谷口さんが、コンクールで受賞するほどのエレクトーンの腕前の持ち主だとは!
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