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どうもくすぶるなと思ったら私は餅を焼いていたらしい~気付いたときにはすでに飼い慣らされておりまして~
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「わかんねぇって……何が?」
「好きだからキスしたんだよ!俺はずっとモモのファーストキスが……ってか、モモが欲しかったんだよ、悪いか!」
「……おーまいがー……」
おおぅ……なんてことだ。
私のファーストキスはずっと前から尚史に狙われていたのか?
物好きにもほどがある!
まさか初物好き……?
おまけに私が欲しかっただって?!
「もしかして……尚史の欲しかったお礼って、私だったの?!」
「そうだよ!今頃気付いたのか、このバカ!超絶鈍感!!」
「そんなの気付くわけないじゃん!」
「そこは気付けよ!それに俺は最初からモモを他の男にくれてやるつもりなんてねぇわ、ずっと好きだったからな!仮想カップル作戦だってな、八坂さんとデートする前に俺に惚れさせようと思ったから乗ったんだよ!モモに俺を男として意識させて、俺に触られることに慣れさせて、モモが俺じゃないとダメってなるように仕向けたの!わかったか!」
「えぇぇ……何それ……」
思ってもみなかったことを次々と暴露され、私の脳はキャパを遥かにオーバーして大パニックを起こしている。
完全な鯖落ちだ。
尚史が私を好きだとか、八坂さんとの結婚を阻止するために仮想カップル作戦を引き受けたとか、私を飼い慣らそうとしていたとか、なんだかもうめちゃくちゃすぎてわけがわからない。
私は気合いでなんとか脳を復旧させて、これまでの情報を整理する。
そうするとあれか?
私は味方であるはずの尚史に欺かれていたということか?
って言うか……尚史が私のことずっと好きだったって……?
え、マジか!
告白シーンって、どの漫画でももっとロマンチックだったはずだけど?
八坂さんに肩を抱かれて『好きだよ』と言われたときは不快感で倒れるかと思ったけど、こんな風にドキドキしなかった。
告白なんかされた経験がそれしかないから他に比べようもないのだけど、こんなムードもへったくれもない告白なのに、尚史の『好き』という言葉は時間差で私の脳をガツンと攻撃してきて、頭はクラクラ、胸はドキドキし始めた。
さすが伝説のソルジャー、なんて破壊力だ……!
「俺はモモがおばあちゃんのために結婚するって言い出したときもそのあとも、いつになったら俺を頼ってくれるんだろうって思いながら待ってたのに、モモは俺を婚約者候補にすら入れないし、彼女ができたら教えろとか言うんだもんな。俺のこと、家族みたいだから恋愛とか考えられないって言ってたんだろ?」
「それは確かにそうだけど……なぜそれを?」
「キヨから聞いた。でもそんなの今はどうでもいい。モモが俺のこと家族みたいって思ってるんだったら、いっそのこと結婚したら本物の家族になれるし、ずっと一緒にいられるって思ったんだ、俺は」
ほほぅ……なるほど、それは確かに名案だ……って、感心してる場合じゃない!
キヨめ、二人だけのときに私が話したことを、こっそり尚史に吹き込んでいたなんて……!
今度会ったら文句言ってやらなくちゃ。
だけどおしゃべりなキヨのおかげで尚史の本音を聞くことができたわけだ。
それを考えると怒っていいのか感謝していいのかわからない。
「そんなこと考えてたんだね……。知らなかった」
「そりゃ当然だ、言ったことないからな。いきなり結婚することになって俺は棚ぼただって思ったけど、モモが怯んでるのも迷ってるのも気付いてた。だからこれ以上モモをビビらせないようにって思って、形だけとか今まで通りでいいって言ったし、できるだけ触らないようにしてたけど……俺、ホントはモモとちゃんとした夫婦になりたい」
「好きだからキスしたんだよ!俺はずっとモモのファーストキスが……ってか、モモが欲しかったんだよ、悪いか!」
「……おーまいがー……」
おおぅ……なんてことだ。
私のファーストキスはずっと前から尚史に狙われていたのか?
物好きにもほどがある!
まさか初物好き……?
おまけに私が欲しかっただって?!
「もしかして……尚史の欲しかったお礼って、私だったの?!」
「そうだよ!今頃気付いたのか、このバカ!超絶鈍感!!」
「そんなの気付くわけないじゃん!」
「そこは気付けよ!それに俺は最初からモモを他の男にくれてやるつもりなんてねぇわ、ずっと好きだったからな!仮想カップル作戦だってな、八坂さんとデートする前に俺に惚れさせようと思ったから乗ったんだよ!モモに俺を男として意識させて、俺に触られることに慣れさせて、モモが俺じゃないとダメってなるように仕向けたの!わかったか!」
「えぇぇ……何それ……」
思ってもみなかったことを次々と暴露され、私の脳はキャパを遥かにオーバーして大パニックを起こしている。
完全な鯖落ちだ。
尚史が私を好きだとか、八坂さんとの結婚を阻止するために仮想カップル作戦を引き受けたとか、私を飼い慣らそうとしていたとか、なんだかもうめちゃくちゃすぎてわけがわからない。
私は気合いでなんとか脳を復旧させて、これまでの情報を整理する。
そうするとあれか?
私は味方であるはずの尚史に欺かれていたということか?
って言うか……尚史が私のことずっと好きだったって……?
え、マジか!
告白シーンって、どの漫画でももっとロマンチックだったはずだけど?
八坂さんに肩を抱かれて『好きだよ』と言われたときは不快感で倒れるかと思ったけど、こんな風にドキドキしなかった。
告白なんかされた経験がそれしかないから他に比べようもないのだけど、こんなムードもへったくれもない告白なのに、尚史の『好き』という言葉は時間差で私の脳をガツンと攻撃してきて、頭はクラクラ、胸はドキドキし始めた。
さすが伝説のソルジャー、なんて破壊力だ……!
「俺はモモがおばあちゃんのために結婚するって言い出したときもそのあとも、いつになったら俺を頼ってくれるんだろうって思いながら待ってたのに、モモは俺を婚約者候補にすら入れないし、彼女ができたら教えろとか言うんだもんな。俺のこと、家族みたいだから恋愛とか考えられないって言ってたんだろ?」
「それは確かにそうだけど……なぜそれを?」
「キヨから聞いた。でもそんなの今はどうでもいい。モモが俺のこと家族みたいって思ってるんだったら、いっそのこと結婚したら本物の家族になれるし、ずっと一緒にいられるって思ったんだ、俺は」
ほほぅ……なるほど、それは確かに名案だ……って、感心してる場合じゃない!
キヨめ、二人だけのときに私が話したことを、こっそり尚史に吹き込んでいたなんて……!
今度会ったら文句言ってやらなくちゃ。
だけどおしゃべりなキヨのおかげで尚史の本音を聞くことができたわけだ。
それを考えると怒っていいのか感謝していいのかわからない。
「そんなこと考えてたんだね……。知らなかった」
「そりゃ当然だ、言ったことないからな。いきなり結婚することになって俺は棚ぼただって思ったけど、モモが怯んでるのも迷ってるのも気付いてた。だからこれ以上モモをビビらせないようにって思って、形だけとか今まで通りでいいって言ったし、できるだけ触らないようにしてたけど……俺、ホントはモモとちゃんとした夫婦になりたい」
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