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どうもくすぶるなと思ったら私は餅を焼いていたらしい~気付いたときにはすでに飼い慣らされておりまして~
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「しかもあの子、俺とキヨの高校時代の友達の妹だしな。モモが八坂さんと食事に行った日、仕事のあとで谷口さんに声かけられて、谷口の妹だって言われた。俺は全然覚えてなかったけど、昔何回か会ったことがあるんだって。谷口も呼んで一緒にキヨの店に行って話してたら、パーティーのメンバーだってわかった。金曜の夜も谷口兄妹と一緒にキヨの店で飯食ってゲームしてた」
「でも今日の昼休みだって谷口さんと一緒にいたでしょ?私、見たもん」
「今日は遅刻しかけて途中で昼飯買いそびれて、昼休みにコンビニ行こうと思ったらエレベーターでたまたま会って、谷口さんもコンビニに金おろしに行くって言うから一緒に行っただけ。全然付き合ってない」
「……じゃあさっきの電話は?谷口って呼び捨てにするほど仲良くなったの?」
「さっきのは妹じゃなくて兄貴の方の谷口だから。イベント始まったから、これからキヨの店で一緒にゲームしないかって誘われたけど断った」
なんてまぎらわしい……!
だけどそうか……付き合ってたわけじゃないんだ。
尚史があんなに楽しそうに谷口さんと話していたのは、仲の良い友人の妹だということと、同じゲームにハマっているという共通点があって多少は気を許しているからなのだと納得がいった。
「で……話戻すけど、俺は谷口さんとも他の誰とも付き合ってないし、モモと結婚してもなんの問題もない」
「でも尚史は誰かと付き合うとか結婚とかめんどくさいって、ずっと言ってたもん」
「それはマジでめんどくさい」
光子おばあちゃんと私を気遣ってくれる気持ちは嬉しいけど、結婚なんてマジでめんどくさいと思っている尚史を、私のわがままに付き合わせるわけにはいかない。
結婚するふりだけならまだしも、今だけの気まぐれな思い付きで、この先ずっと尚史を私に縛り付けておくのは心苦しい。
今ならまだ『あれは冗談でした!』で済ませられるだろうか?
もしいつか尚史に誰か好きな人ができたら私はただの足枷にしかならないし、私よりも他の人を想う尚史なんか見たくない。
もしかしたらそんな日が来るかもと思ったら、ギュッとわしづかみにされたように胸が痛くなって、また涙が込み上げてきた。
「バカ……だったらなんで私と結婚するとか言うのよ……」
私が涙ぐみながら呟くと、尚史は少し笑って私の頬を指先で軽くつまんだ。
「モモが恋愛とか結婚なんてめんどくさいって言うから俺もそう言ってたし、他の子とはマジでめんどくさいけど、モモとだったらめんどくさいとは思ってない」
「……それってもしかして、私とだったら『はじめまして』から始める手間が省けるから?」
私が尋ねると、尚史は私の頬を思いきりつまんで盛大にため息をついた。
私は尚史の手を振り払ってジンジン痛む頬をさする。
「ちょっ……なんなの?!痛いんだけど!」
尚史は眉間にシワを寄せて私をにらみつけ、私の頭を両手でガッシリとつかんで額をぶつける。
「いたっ!さっきからなんなのよ、もう!」
「この間の頭突きの仕返しだ!いいか、よく聞けバカモモ。俺は好きでもない女とは手ぇ繋いだりしないし、デートもキスも結婚も、好きな女としかしない」
「……はい?いや、私と散々手ぇ繋いでデートしたし、抱きしめたりくっついたり、おまけにキスまでしたよね?あなた、私になんの断りもなく私の大事なファーストキスを奪いましたよね?」
私が食ってかかると、尚史は私から両手を離し、苛立った様子で頭をグシャグシャとかき乱した。
「ああもう!なんでわかんねぇかな?言うよ、言いますよ!言えばいいんだろ!」
えっ、なんで逆ギレ?
どうしてそんなにイライラしているのかはわからないけれど、尚史は私に何か隠していたことがあるらしい。
「でも今日の昼休みだって谷口さんと一緒にいたでしょ?私、見たもん」
「今日は遅刻しかけて途中で昼飯買いそびれて、昼休みにコンビニ行こうと思ったらエレベーターでたまたま会って、谷口さんもコンビニに金おろしに行くって言うから一緒に行っただけ。全然付き合ってない」
「……じゃあさっきの電話は?谷口って呼び捨てにするほど仲良くなったの?」
「さっきのは妹じゃなくて兄貴の方の谷口だから。イベント始まったから、これからキヨの店で一緒にゲームしないかって誘われたけど断った」
なんてまぎらわしい……!
だけどそうか……付き合ってたわけじゃないんだ。
尚史があんなに楽しそうに谷口さんと話していたのは、仲の良い友人の妹だということと、同じゲームにハマっているという共通点があって多少は気を許しているからなのだと納得がいった。
「で……話戻すけど、俺は谷口さんとも他の誰とも付き合ってないし、モモと結婚してもなんの問題もない」
「でも尚史は誰かと付き合うとか結婚とかめんどくさいって、ずっと言ってたもん」
「それはマジでめんどくさい」
光子おばあちゃんと私を気遣ってくれる気持ちは嬉しいけど、結婚なんてマジでめんどくさいと思っている尚史を、私のわがままに付き合わせるわけにはいかない。
結婚するふりだけならまだしも、今だけの気まぐれな思い付きで、この先ずっと尚史を私に縛り付けておくのは心苦しい。
今ならまだ『あれは冗談でした!』で済ませられるだろうか?
もしいつか尚史に誰か好きな人ができたら私はただの足枷にしかならないし、私よりも他の人を想う尚史なんか見たくない。
もしかしたらそんな日が来るかもと思ったら、ギュッとわしづかみにされたように胸が痛くなって、また涙が込み上げてきた。
「バカ……だったらなんで私と結婚するとか言うのよ……」
私が涙ぐみながら呟くと、尚史は少し笑って私の頬を指先で軽くつまんだ。
「モモが恋愛とか結婚なんてめんどくさいって言うから俺もそう言ってたし、他の子とはマジでめんどくさいけど、モモとだったらめんどくさいとは思ってない」
「……それってもしかして、私とだったら『はじめまして』から始める手間が省けるから?」
私が尋ねると、尚史は私の頬を思いきりつまんで盛大にため息をついた。
私は尚史の手を振り払ってジンジン痛む頬をさする。
「ちょっ……なんなの?!痛いんだけど!」
尚史は眉間にシワを寄せて私をにらみつけ、私の頭を両手でガッシリとつかんで額をぶつける。
「いたっ!さっきからなんなのよ、もう!」
「この間の頭突きの仕返しだ!いいか、よく聞けバカモモ。俺は好きでもない女とは手ぇ繋いだりしないし、デートもキスも結婚も、好きな女としかしない」
「……はい?いや、私と散々手ぇ繋いでデートしたし、抱きしめたりくっついたり、おまけにキスまでしたよね?あなた、私になんの断りもなく私の大事なファーストキスを奪いましたよね?」
私が食ってかかると、尚史は私から両手を離し、苛立った様子で頭をグシャグシャとかき乱した。
「ああもう!なんでわかんねぇかな?言うよ、言いますよ!言えばいいんだろ!」
えっ、なんで逆ギレ?
どうしてそんなにイライラしているのかはわからないけれど、尚史は私に何か隠していたことがあるらしい。
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