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密着型特訓?これはもはやデレのテロだ~幼馴染みが溺愛系俺様イケメンに豹変したら発熱した件~
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尚史はクッションをどけて、また私の体を両腕で支えゆっくりとベッドに横にならせた。
意図せず尚史と触れ合っていることや、尚史の顔がすぐ近くにあることをいちいち意識してしまう。
もしかしてこれも特訓のうちに入ってる?
元気なときでも私には刺激が強いのに、体が弱っているときに優しくされると破壊力は倍増で、『私と尚史はこれが当たり前』なんて言うような妙な錯覚を起こしてしまいそうだ。
やっぱり無理やりにでも帰ってもらおうかなと思ったり、それでも一人では心細いなとか、ここにいてもらえると心強いなとも思ったりする。
ぼんやり天井を眺めてどうしようか考えていると、尚史は私の顔を見ながら笑みを浮かべてそっと頭を撫でた。
その顔や手があまりにも優しかったから、心地よくてこのままずっとそうしていて欲しいような気がした。
「そう言えば昔さ……俺が病気して学校休んだら、モモが連絡帳とかプリント持って来てくれたの、覚えてる?」
「うん、そんな頃もあったねぇ」
子どもの頃の尚史は小柄で体も弱く、しょっちゅう熱を出したり病気にかかったりして学校を休んだ。
そんなときの連絡係は私の役目で、学校帰りに尚史の家に連絡袋を持っていき、ほんの少しの時間だけど、尚史の顔を見てその日の学校での出来事を報告していた。
「病気がうつるからっておふくろが止めるのも聞かないでさ、俺の部屋に来てその日にあったことをモモがいろいろ教えてくれて……」
「休んでる間のこと自分だけが知らないって、学校に行ったときに尚史は寂しいだろうなって思ったの。尚史の病気が私にうつっちゃったらどうしようって、洋子ママは困ってただろうけどね」
「あれ、嬉しかったんだよなぁ……。病気で学校休んだ日はしんどいし退屈だからイヤなんだけど、モモが来てくれるのだけは嬉しくて、すっごい楽しみに待ってた」
もう20年近くも前のことなのに、そんな些細なことを大人になった今でも覚えているなんて、尚史も案外可愛いところがあるんだな。
幼馴染みだからこそ子どもの頃の懐かしい話ができるわけで、大人になった今も変わらずすぐそばにいて、心配したり相談に乗ったりしてくれるって、じつはすごいことなんじゃないかと思う。
「子どもの頃の尚史は小柄で女の子みたいに可愛かったのにね。いつの間にかこんなに大きくなって……」
私がなにげなくそう言うと、尚史は私の手を握って頬擦りをした。
頬だけでなく、思いがけず手の甲に尚史の唇が微かに触れて、その柔らかさを感じた私の鼓動が急激に速くなる。
「もう大人だからな。モモが困ってるときは俺が助けるし守るよ。病気のときには看病もできるから、モモはもっと俺に頼っていいんだ」
「うん……ありがと……」
私が思っていた以上に、尚史はずいぶん大人になっているらしい。
『俺が守る』とか『もっと俺に頼れ』とかサラッと言えるなんて、おまえは真性イケメンか!
ああもう……恋愛漫画の胸キュンシチュエーションみたいじゃないか……!
あろうことか尚史がカッコよく見えて、どうしようもなく萌える……!
「ちゃんとそばにいるから、モモは安心して休め」
その一言で、ズキュンと胸を撃ち抜くような音が聞こえた気がした。
私を萌え死にさせる気か!
ああ……ダメだこりゃ、完全に頭がバグってる。
私は熱に浮かされて、かなりおかしくなっているのかも知れない。
そのあとも尚史はずっとそばにいて、私が起き上がるのを手伝ったり、食事や薬の用意などもしてくれた。
そのおかげか夜には37度5分まで熱が下がり、ずいぶんと体がラクになった。
「すごい汗かいたからお風呂に入りたいけど、まだやめておいた方がいいかな」
「そうさなぁ。完全に下がるまでは無理しない方がいいと思うぞ」
意図せず尚史と触れ合っていることや、尚史の顔がすぐ近くにあることをいちいち意識してしまう。
もしかしてこれも特訓のうちに入ってる?
元気なときでも私には刺激が強いのに、体が弱っているときに優しくされると破壊力は倍増で、『私と尚史はこれが当たり前』なんて言うような妙な錯覚を起こしてしまいそうだ。
やっぱり無理やりにでも帰ってもらおうかなと思ったり、それでも一人では心細いなとか、ここにいてもらえると心強いなとも思ったりする。
ぼんやり天井を眺めてどうしようか考えていると、尚史は私の顔を見ながら笑みを浮かべてそっと頭を撫でた。
その顔や手があまりにも優しかったから、心地よくてこのままずっとそうしていて欲しいような気がした。
「そう言えば昔さ……俺が病気して学校休んだら、モモが連絡帳とかプリント持って来てくれたの、覚えてる?」
「うん、そんな頃もあったねぇ」
子どもの頃の尚史は小柄で体も弱く、しょっちゅう熱を出したり病気にかかったりして学校を休んだ。
そんなときの連絡係は私の役目で、学校帰りに尚史の家に連絡袋を持っていき、ほんの少しの時間だけど、尚史の顔を見てその日の学校での出来事を報告していた。
「病気がうつるからっておふくろが止めるのも聞かないでさ、俺の部屋に来てその日にあったことをモモがいろいろ教えてくれて……」
「休んでる間のこと自分だけが知らないって、学校に行ったときに尚史は寂しいだろうなって思ったの。尚史の病気が私にうつっちゃったらどうしようって、洋子ママは困ってただろうけどね」
「あれ、嬉しかったんだよなぁ……。病気で学校休んだ日はしんどいし退屈だからイヤなんだけど、モモが来てくれるのだけは嬉しくて、すっごい楽しみに待ってた」
もう20年近くも前のことなのに、そんな些細なことを大人になった今でも覚えているなんて、尚史も案外可愛いところがあるんだな。
幼馴染みだからこそ子どもの頃の懐かしい話ができるわけで、大人になった今も変わらずすぐそばにいて、心配したり相談に乗ったりしてくれるって、じつはすごいことなんじゃないかと思う。
「子どもの頃の尚史は小柄で女の子みたいに可愛かったのにね。いつの間にかこんなに大きくなって……」
私がなにげなくそう言うと、尚史は私の手を握って頬擦りをした。
頬だけでなく、思いがけず手の甲に尚史の唇が微かに触れて、その柔らかさを感じた私の鼓動が急激に速くなる。
「もう大人だからな。モモが困ってるときは俺が助けるし守るよ。病気のときには看病もできるから、モモはもっと俺に頼っていいんだ」
「うん……ありがと……」
私が思っていた以上に、尚史はずいぶん大人になっているらしい。
『俺が守る』とか『もっと俺に頼れ』とかサラッと言えるなんて、おまえは真性イケメンか!
ああもう……恋愛漫画の胸キュンシチュエーションみたいじゃないか……!
あろうことか尚史がカッコよく見えて、どうしようもなく萌える……!
「ちゃんとそばにいるから、モモは安心して休め」
その一言で、ズキュンと胸を撃ち抜くような音が聞こえた気がした。
私を萌え死にさせる気か!
ああ……ダメだこりゃ、完全に頭がバグってる。
私は熱に浮かされて、かなりおかしくなっているのかも知れない。
そのあとも尚史はずっとそばにいて、私が起き上がるのを手伝ったり、食事や薬の用意などもしてくれた。
そのおかげか夜には37度5分まで熱が下がり、ずいぶんと体がラクになった。
「すごい汗かいたからお風呂に入りたいけど、まだやめておいた方がいいかな」
「そうさなぁ。完全に下がるまでは無理しない方がいいと思うぞ」
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