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完全降伏宣言
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「イヤじゃない……です……」
「じゃあ……遠慮なく、狼になっていいですか?」
やっぱり聞くんだ、と愛美の口元に笑みがこぼれた。
(いつもは仔犬みたいで可愛いのに、こういう時は優しい狼になるんだもんな……)
愛美は『政弘さん』の唇にほんの少し触れるだけのキスをした。
「大好きだから、いいですよ」
『政弘さん』は微笑んで、愛美の髪を撫でながら唇を重ねた。
短いキスを何度もくりかえすうちに、優しいキスが次第に熱を帯びて深くなる。
愛美の素肌を熱く火照った大きな手で優しく撫でていた『政弘さん』が、胸の膨らみの先で固くなったそれを口に含み、舌の先で転がすように愛でると、愛美は堪えきれず甘い声を漏らした。
その声に欲情を煽られた『政弘さん』は、いつになく性急に、長い指で愛美の体の奥の柔らかいところを探る。
『政弘さん』は舌を絡めた激しいキスをしながら、荒ぶる指先で愛美の弱いところをこれでもかと言うほどかき回した。
愛美は甘い声を上げながら、抗えない快楽に体をよじって蜜をしたたらせる。
『政弘さん』はそんな愛美を愛しそうに見つめながら、少し汗ばんだ細い腰を引き寄せた。
そして熱く張り詰めたそれを、潤いきった愛美の体の入り口にあてがい、唇にありったけの愛を伝えるような優しいキスをした。
「ホントはめちゃくちゃ優しくしてあげたいんだけど……久しぶり過ぎて余裕ないから思いきり激しくしちゃうと思うし、朝まで寝かせてあげられないかも。もしつらかったらできる限り自制するから、遠慮なく言って」
「……頑張ります……」
愛美の部屋で一緒に迎えた初めての朝。
太陽が少し高くなってきた頃、愛美は『政弘さん』の腕の中で目を覚ました。
(私と同じシャンプーの匂いがする……)
まだ気持ち良さそうに寝息をたてている『政弘さん』の胸に頬をすり寄せると、『政弘さん』は素肌の胸に触れる愛美の髪の感触に、くすぐったそうに身をよじって愛美を抱き寄せた。
眠っていても優しく抱き寄せる腕の温かさにドキドキする。
(こんなふうに一緒に朝を迎えられるって、幸せだな……)
愛美は『政弘さん』の寝顔を見ながら、いつもと違った夕べの『政弘さん』を思い出していた。
夕べ『政弘さん』は、愛美を抱きしめ、何度も何度も甘いキスをした。
大きな手で余裕なさげに愛美の素肌に触れて、甘く優しい声で『愛美、愛してる』とくりかえしながら性急に愛美を求めた。
そして本人が最初に言っていた通り、あんなに余裕のない『政弘さん』は初めてだった。
ただ単に久しぶりだったから余裕がなかったのか、何かしら『政弘さん』に思うところがあったのかはわからない。
愛美が何度果てても、執拗に肌に唇と舌を這わせ、容赦なく体の奥をかき混ぜられて、いつも以上に激しく求められた。
絶え間なく与えられる快感に抗う事も忘れて、何度も名前を呼びながら『政弘さん』の背中にしがみついた。
何度も激しく求められ、愛美は心も体も甘く溶かされて、身体中に『政弘さん』の熱を残したまま眠りに就いた。
夕べの『政弘さん』を思い出しているうちに、自分の乱れぶりも思い出して、愛美は思わず赤面してしまう。
(やっぱり狼だ!!あんなに何度も……!おまけにあんなことやそんなことまで……!恥ずかしいっ……!)
熱くなった頬を広い胸にうずめると、愛美を抱きしめていた『政弘さん』の腕にギュッと力がこもった。
「愛美……おはよ……」
『政弘さん』は愛美の額にキスをして、優しく髪を撫でる。
さっきまで思い出していたゆうべの自分の痴態が恥ずかしくて、愛美は顔を上げられない。
「ん……?どうかした?」
「いえ、なんでも……」
(夕べの事思い出してたなんて言えない!)
「顔見せてよ」
「いや……あの……」
だんだん頬が熱くなって、おまけにゆうべ『政弘さん』がこれでもかと言うほど愛でた体の奥が切なく疼く。
(何これ?!思い出しただけでこんなになるなんて、めちゃくちゃ恥ずかしい……!)
『政弘さん』は愛美の頬を両手で包み、顔を覗き込んで笑った。
「真っ赤だよ?」
「だって……」
「かわいいなぁ……。そんな顔されたら、また我慢できなくなるかも……」
「えぇっ?!」
愛美が思わず逃げ腰になると、『政弘さん』は笑って愛美を抱きしめた。
「ダメ、逃がさない」
『政弘さん』は愛美を包み込むように抱きしめながら、唇に優しく口付ける。
「大好きだよ」
「私も好きです……」
「じゃあ……もっと俺を溺れさせて」
それから二人は、抱きしめ合って何度もキスをして、互いの肌に触れ、落ち着き掛けたゆうべの熱を再び呼び覚ますような甘い時間を過ごした。
愛美は温かく力強い『政弘さん』の腕に抱かれながら、『政弘さん』の甘さや優しさに溺れているのは私の方なのにと、愛する人で身も心もいっぱいに満たされる幸せをかみしめた。
「じゃあ……遠慮なく、狼になっていいですか?」
やっぱり聞くんだ、と愛美の口元に笑みがこぼれた。
(いつもは仔犬みたいで可愛いのに、こういう時は優しい狼になるんだもんな……)
愛美は『政弘さん』の唇にほんの少し触れるだけのキスをした。
「大好きだから、いいですよ」
『政弘さん』は微笑んで、愛美の髪を撫でながら唇を重ねた。
短いキスを何度もくりかえすうちに、優しいキスが次第に熱を帯びて深くなる。
愛美の素肌を熱く火照った大きな手で優しく撫でていた『政弘さん』が、胸の膨らみの先で固くなったそれを口に含み、舌の先で転がすように愛でると、愛美は堪えきれず甘い声を漏らした。
その声に欲情を煽られた『政弘さん』は、いつになく性急に、長い指で愛美の体の奥の柔らかいところを探る。
『政弘さん』は舌を絡めた激しいキスをしながら、荒ぶる指先で愛美の弱いところをこれでもかと言うほどかき回した。
愛美は甘い声を上げながら、抗えない快楽に体をよじって蜜をしたたらせる。
『政弘さん』はそんな愛美を愛しそうに見つめながら、少し汗ばんだ細い腰を引き寄せた。
そして熱く張り詰めたそれを、潤いきった愛美の体の入り口にあてがい、唇にありったけの愛を伝えるような優しいキスをした。
「ホントはめちゃくちゃ優しくしてあげたいんだけど……久しぶり過ぎて余裕ないから思いきり激しくしちゃうと思うし、朝まで寝かせてあげられないかも。もしつらかったらできる限り自制するから、遠慮なく言って」
「……頑張ります……」
愛美の部屋で一緒に迎えた初めての朝。
太陽が少し高くなってきた頃、愛美は『政弘さん』の腕の中で目を覚ました。
(私と同じシャンプーの匂いがする……)
まだ気持ち良さそうに寝息をたてている『政弘さん』の胸に頬をすり寄せると、『政弘さん』は素肌の胸に触れる愛美の髪の感触に、くすぐったそうに身をよじって愛美を抱き寄せた。
眠っていても優しく抱き寄せる腕の温かさにドキドキする。
(こんなふうに一緒に朝を迎えられるって、幸せだな……)
愛美は『政弘さん』の寝顔を見ながら、いつもと違った夕べの『政弘さん』を思い出していた。
夕べ『政弘さん』は、愛美を抱きしめ、何度も何度も甘いキスをした。
大きな手で余裕なさげに愛美の素肌に触れて、甘く優しい声で『愛美、愛してる』とくりかえしながら性急に愛美を求めた。
そして本人が最初に言っていた通り、あんなに余裕のない『政弘さん』は初めてだった。
ただ単に久しぶりだったから余裕がなかったのか、何かしら『政弘さん』に思うところがあったのかはわからない。
愛美が何度果てても、執拗に肌に唇と舌を這わせ、容赦なく体の奥をかき混ぜられて、いつも以上に激しく求められた。
絶え間なく与えられる快感に抗う事も忘れて、何度も名前を呼びながら『政弘さん』の背中にしがみついた。
何度も激しく求められ、愛美は心も体も甘く溶かされて、身体中に『政弘さん』の熱を残したまま眠りに就いた。
夕べの『政弘さん』を思い出しているうちに、自分の乱れぶりも思い出して、愛美は思わず赤面してしまう。
(やっぱり狼だ!!あんなに何度も……!おまけにあんなことやそんなことまで……!恥ずかしいっ……!)
熱くなった頬を広い胸にうずめると、愛美を抱きしめていた『政弘さん』の腕にギュッと力がこもった。
「愛美……おはよ……」
『政弘さん』は愛美の額にキスをして、優しく髪を撫でる。
さっきまで思い出していたゆうべの自分の痴態が恥ずかしくて、愛美は顔を上げられない。
「ん……?どうかした?」
「いえ、なんでも……」
(夕べの事思い出してたなんて言えない!)
「顔見せてよ」
「いや……あの……」
だんだん頬が熱くなって、おまけにゆうべ『政弘さん』がこれでもかと言うほど愛でた体の奥が切なく疼く。
(何これ?!思い出しただけでこんなになるなんて、めちゃくちゃ恥ずかしい……!)
『政弘さん』は愛美の頬を両手で包み、顔を覗き込んで笑った。
「真っ赤だよ?」
「だって……」
「かわいいなぁ……。そんな顔されたら、また我慢できなくなるかも……」
「えぇっ?!」
愛美が思わず逃げ腰になると、『政弘さん』は笑って愛美を抱きしめた。
「ダメ、逃がさない」
『政弘さん』は愛美を包み込むように抱きしめながら、唇に優しく口付ける。
「大好きだよ」
「私も好きです……」
「じゃあ……もっと俺を溺れさせて」
それから二人は、抱きしめ合って何度もキスをして、互いの肌に触れ、落ち着き掛けたゆうべの熱を再び呼び覚ますような甘い時間を過ごした。
愛美は温かく力強い『政弘さん』の腕に抱かれながら、『政弘さん』の甘さや優しさに溺れているのは私の方なのにと、愛する人で身も心もいっぱいに満たされる幸せをかみしめた。
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