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第1章 面倒なことはお断りします
アデルとの交渉1-3
しおりを挟む「やめろ!」
アデルがハンマーをミーレスに向かって振り上げた時にソーマはアデルの行動を止めようとした。
しかし、何も武器になるものを装備していなかったので能力を使おうかとも思案する。
しかし、室内でそれも木造建築では使おうにも燃え移ってしまった場合自分やアデルは切り抜けられると思うが座り込んでいるアブとファルサ、それに縛りつけられているミーレスはまず助からないだろう。
そう考えが達したソーマは他に使えるものがあるか探した。
幸運にもミーレスの周辺に落ちている道具の中に血で汚れ、錆び付いた鉄の剣を見つける。
それからのソーマの行動は速かった。
5mほどの距離を瞬時に縮め、アデルとミーレスの間に割り込んだ。
左足を器用に使い、錆び付いた鉄の剣を真上に蹴り上げると左手で剣を掴み取った。
アデルが振り下ろしてくるハンマーの柄を狙ってなおかつ錆び付いた鉄の剣が折れないようにヘッドに向かって滑らすように受け止める。
しかし、片手だけでは分が悪いのか、そのまま押されそうになるため両手に持ち直した。
ハンマーはミーレスの顔を潰す前にソーマに止められた。
「何すんだよ。ソーマ」
アデルが振り下ろしたハンマーがソーマに止められたことに苛立ちを覚えながら問いかける。
「もうこんなにボロボロにしたのに...。これ以上するなら僕が止めるよ」
「立派な正当防衛だろ、これは。こいつから先に殺そうとしたんだ。同じ事をする権利があると思うんだがなぁ」
こうして話している時も鍔迫り合いが行われており、位置関係もあってか若干アデルの有利のようだ。
それを見たアブは、この間にミーレスを助け出そうと一歩動こうとした。
だが、壁の一部から発射された長さ10cmほどのナイフが足元に突き刺さったことにより強制終了されられた。
「そこで腰を抜かしているファルサを除いても、二対一では、さすがにキツイからな。死にたくなければ動くなよ」
アデルは、視線をアブに移して忠告する。
視線がソーマから外れた。
この機会を逃さないとばかりにソーマは競り合っていたハンマーのヘッドを左手で掴み、錆び付いた鉄の剣でミーレスを縛っている縄を切ろうとした。
「うぉ、マジか」
アデルはハンマーから伝わってきた感覚がおかしいことに気付き、振り返るがソーマが錆び付いた鉄の剣で縄を切ろうといる時だった。
「チッ、ならば」
アデルはソーマに止められていたハンマーを手放した。
元々、片手で持てるものではないので重力に従って落下していく。
ソーマは多少バランスが崩れたがハンマーを手放して回避する。
ソーマの気が散っている時にアデルは錆び付いた鉄の剣を蹴り飛ばして切ることを防ごうとしたがソーマはしっかりと握っていてそれは失敗した。
身体のバランスが崩れたままの姿勢で振り下ろしてくるのを見て何を思ったのかソーマの剣を握っている上から両手で鷲掴みした。
「な!」
その異様な行動でソーマの意識が完全にそれる。
意識がそれたことを確認せずにアデルはミーレスの縛っている縄を切る瞬間、鉄の剣を前に突き出し、ソーマを押し込んだ。
......剣はミーレスの身体を突き破ってそこから飛び出た血でソーマの全身が染まった
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