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第二章 1995
1995!
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1995 AD
私、須久麻(ジョー)ショーンは、『マーミン・システム』と呼ばれる一種のタイムマシンによって、この時代にやって来た。
そこには、若くして『蔵財団』を率いている、私と歳の頃が同じ、蔵鷹が居た。つまり、彼は二十歳だ。蔵は、まず我々を彼のアパルトマンへ招いた。蔵は気のいい男だ。我々にディナーをご馳走してくれるという。我々は暫し、彼の居間でテレビを見ていた。1995年のテレビ番組など、はじめてだ。多くのテレビ広告が流れていた。ポカリスエット? ニュートラシューティカルズ? いったい、何のことだろう? 我々がテレビを見ていた間に、蔵は近くのスーパーに買い出しに行ったようだ。彼はイタリア産のトマトソースと、トルコ産のスパゲティ乾麺、そして牛豚合い挽きミンチを買って来た。スパゲティ・ボロネーゼを作るらしい。蔵の手際はいい。蔵は学生時代にイタリアで旨いスパゲティの作り方を習得したというのだ。彼は麺は塩ゆでしない。そのままゆでる。六分ゆでだが、五分ちょっとで切りあげる。同時に、ピュア・トマトソースにミンチを絡める。ミンチはまずオリーブオイルで、電気コンロを使ってフライパン炒め。このとき、少量の塩をまぶす。炒めて良い色が付いたら、トマトソースを流し込む。そして、暫らく煮るのだ。そう長くはない。湯をしっかり切った麺をその出来たばっかりのボロネーゼソースに入れ、少し火にかければ出来上がりだ。
「さあ、テーブルに来てくれ」そう言って、蔵は我々をディナーの席に招くのだった。
私、須久麻(ジョー)ショーンは、『マーミン・システム』と呼ばれる一種のタイムマシンによって、この時代にやって来た。
そこには、若くして『蔵財団』を率いている、私と歳の頃が同じ、蔵鷹が居た。つまり、彼は二十歳だ。蔵は、まず我々を彼のアパルトマンへ招いた。蔵は気のいい男だ。我々にディナーをご馳走してくれるという。我々は暫し、彼の居間でテレビを見ていた。1995年のテレビ番組など、はじめてだ。多くのテレビ広告が流れていた。ポカリスエット? ニュートラシューティカルズ? いったい、何のことだろう? 我々がテレビを見ていた間に、蔵は近くのスーパーに買い出しに行ったようだ。彼はイタリア産のトマトソースと、トルコ産のスパゲティ乾麺、そして牛豚合い挽きミンチを買って来た。スパゲティ・ボロネーゼを作るらしい。蔵の手際はいい。蔵は学生時代にイタリアで旨いスパゲティの作り方を習得したというのだ。彼は麺は塩ゆでしない。そのままゆでる。六分ゆでだが、五分ちょっとで切りあげる。同時に、ピュア・トマトソースにミンチを絡める。ミンチはまずオリーブオイルで、電気コンロを使ってフライパン炒め。このとき、少量の塩をまぶす。炒めて良い色が付いたら、トマトソースを流し込む。そして、暫らく煮るのだ。そう長くはない。湯をしっかり切った麺をその出来たばっかりのボロネーゼソースに入れ、少し火にかければ出来上がりだ。
「さあ、テーブルに来てくれ」そう言って、蔵は我々をディナーの席に招くのだった。
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