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ヒトのキョウカイ6巻(赤十字の精神)
23 (神となったナオ)
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クオリアが ナオにリモート接続をする…海中で散らばったワームを排除しながらのダブルタスクだ。
ナオから 許諾が降りて、10分間限定でナオのほぼすべての処理能力を扱える…。
まずは、ナオのブレインキューブの掌握だ。
私のデータが ナオのデータを汚染しないように、データの隔離をしようとするが、ナオは私が接続する前に処理を終えて降り、こっちが使う領域も設定されている…。
私を盲目的に信用するのでは無く ちゃんリスク管理が出来ている…。
データの参照…。
ナオのブレインキューブ内のデータの大半は、何も無いを意味するNull状態で、記録がされてい無い…ナオは使う脳の場所を限定していたのか?
恐らく保存されている領域は1ミリ四方も使っていないだろう…。
クオリアが、ナオのキューブを中継して義体にアクセスし、視界が完全に義体の視点に切り替わり、倒されたコックピットの光景が映る…。
すぐさまダイレクトリンクシステムを起動…ギリギリ耐え抜いていたファントムの処理をクオリアが操るナオが 肩代わりをする。
ナオ機が量子転換装甲に掛る位置エネルギーを逆転させ、更に増加…。
100tを超えていたワームの山を吹き飛ばし、それと同時にショベルで切り裂く…。
制限時間は10分…十分だ…。
ナオは ヘルメットを外し、ファントムをキューブに戻す。
機体が緑色の量子光に包まれ…吹き飛ぶように消え…コックピットのナオが現れる…。
茶髪に近い黒髪だったナオの髪は 塗料が剥がれ落ち、私と同じ 銀色の髪が見れる…。
更に出力を上げ、髪から量子光を放つ緑色の髪になり、ナオはフライトユニットを背中に装着し、飛び立った…。
海中と言う物理法則を無視し、まるで空を飛ぶかのように海を飛翔する。
狙うは、峡谷にいるワームの残党…。
ナオは、両手にヒトサイズのボックスライフルを召喚し、ワームの上から掃射する…。
ターミナルバレットの弾丸が 海水の抵抗を無視し、ワームに正確に命中…沈黙する。
2丁の銃の制御を完璧にこなし、その処理と並列で腰にマガジンが生成されていく。
弾切れ…ボックスライフルからマガジンが吹き飛び、腰から射出されるマガジンを片手で装填し、更に撃つ…。
銃の弾を常に気を使いつつ、リロード時は もう一方の銃を使えるようにしている。
ワームの全滅を確認…。
すぐさまスピーダーがいる危険地帯に向けてナオが海中を飛ぶ…。
感知…ミサイル型の大群…いや…魚雷型だろうか?
魚雷型ワームを引き付けつつ、ボックスライフルで掃射し迎撃…そろそろ相手は打ち止めだろう…ワームの群れの数が 揃《そろ》えなくなってる。
加速したまま、展開したショベルでワームを真二つに斬り、更に加速…光学観測は出来ないが、ソナーやデータリンクを使いつつ、味方の位置を特定。
双方の間に割って入り、ショベルで大量のワームを切り裂き、ボックスライフルで掃射した。
ナオが並列して状況の確認…。
味方機のスピーダー部隊は、ほぼ全滅…残り少ない部隊もこっちを支援せずに退路を確保しつつ逃げ出す…どうやら撤退戦を始めているようだ。
海底にはスピーダーの残骸と放棄された空マガジンが大量になり、足場が悪く…それをワームが吹き飛ばし、辺りにまき散らす。
やっぱり、スピーダー部隊の方が 被害は大きいか…。
ワームを撃ちつつ…戦線を1人で押し上げ、脱出時間を稼ぐ…残りのボロボロの機体も安全を確保したと判断したのか 後部ハッチを開けて浮袋を使い急速浮上する。
1500…1000…500…200…100…50…30…10…1…0…掃討完了…。
後は、ネスト付近で核の後始末をしているエレクトロンが対処してくれるだろう…。
ナオは周りを気にしつつ…急速浮上…し、光学観測が出来なかった暗い空間から、派手な水しぶきをあげて、明るい空に飛び上がる…。
残り時間は…3分…十分だ。
ナオは すぐさま音速を超えて、後方にソニックブームを放ち、ドロフィン1を目指す…。
シーランド艦の甲板は 野戦病院が立っていて、負傷した兵士の手当てをしている。
そして海面には無数の炭素繊維のゴムボートが展開され、下から上がって来た兵士をエアトラS2がワイヤーを降ろし回収している。
高速で接近した為、対空レーザーがこちらを向き、警報が鳴るが、瞬時に味方と判断され、着艦の許可が出る…速度を落とし、野戦病院付近に近づく…。
野戦病院では、衛生兵が負傷者の手当をしている…。
周りを見る限り、ここにいるのは簡易負傷者で、重傷者は赤十字艦のシーランドだろうか?
エアトラS2で ゴムボートから負傷者を優先して回収しているが、自力で動ける者が大半で、精々が骨折 位だろう…。
ただ…周りの兵の人数がやけに少ない…重傷者が多いのか?撃墜されて海底に沈んでいるのだろうか?
フォースネットにアクセス…戦況をダウンロード…。
重傷者が多く、赤十字艦の方に大半がいるらしい。
生還は7割と言った所か…私の楽観値より被害が少ない…良い誤算だ。
ナオは 野戦病院の近く 静かに着地し、ヒザをつく…。
衛生兵がこちらに気づいて近づいて来るが、廃熱が仕切れていない為、周囲の空気が100℃を越えていて近寄れない。
パイロットスーツの中の廃熱が間に合わず、身体の皮膚が焼けて行っている…。
内部機器には問題は出ないだろうが、全身の皮膚の貼り替えが必要だろうな…。
ダメージコントロール班が駆けつけてくれて、出力を下げつつ、消火ホースを斜めに向けて発射…。
ナオの上から海水のシャワーを受け、大幅に温度が低下…海水が即座に水蒸気になり当たりに霧が発生する。
「おう…大丈夫か…。
確かキョウカイ小隊のナオだったか…。」
温度が下がった所で衛生兵が駆け寄る。
「YESだ…私の身体を頼む…。
ケーブルを繋いで 電源を確保してくれれば良い…。
義体のメンテナンスは、キョウカイ小隊のジガに任せる。」
ナオのバッテリーは 戦闘で、危険域まで下がっていた…。
そろそろスリープモードに移行するだろう。
「分かった…それで 戦況は?」
衛生兵が聞いてくる…海中とは散発的な情報しか送られず、上がってくるのは脱出したヒトだ…相当に不安なのだろう…。
「犠牲者の数は、まだ 分からないが…。
ミッションはクリアだろう…。」
「そうか…。」
「では、身体を頼む…。」
そう言い、活動時間が過ぎ、ナオはスリープモードに切り替わった。
ナオから 許諾が降りて、10分間限定でナオのほぼすべての処理能力を扱える…。
まずは、ナオのブレインキューブの掌握だ。
私のデータが ナオのデータを汚染しないように、データの隔離をしようとするが、ナオは私が接続する前に処理を終えて降り、こっちが使う領域も設定されている…。
私を盲目的に信用するのでは無く ちゃんリスク管理が出来ている…。
データの参照…。
ナオのブレインキューブ内のデータの大半は、何も無いを意味するNull状態で、記録がされてい無い…ナオは使う脳の場所を限定していたのか?
恐らく保存されている領域は1ミリ四方も使っていないだろう…。
クオリアが、ナオのキューブを中継して義体にアクセスし、視界が完全に義体の視点に切り替わり、倒されたコックピットの光景が映る…。
すぐさまダイレクトリンクシステムを起動…ギリギリ耐え抜いていたファントムの処理をクオリアが操るナオが 肩代わりをする。
ナオ機が量子転換装甲に掛る位置エネルギーを逆転させ、更に増加…。
100tを超えていたワームの山を吹き飛ばし、それと同時にショベルで切り裂く…。
制限時間は10分…十分だ…。
ナオは ヘルメットを外し、ファントムをキューブに戻す。
機体が緑色の量子光に包まれ…吹き飛ぶように消え…コックピットのナオが現れる…。
茶髪に近い黒髪だったナオの髪は 塗料が剥がれ落ち、私と同じ 銀色の髪が見れる…。
更に出力を上げ、髪から量子光を放つ緑色の髪になり、ナオはフライトユニットを背中に装着し、飛び立った…。
海中と言う物理法則を無視し、まるで空を飛ぶかのように海を飛翔する。
狙うは、峡谷にいるワームの残党…。
ナオは、両手にヒトサイズのボックスライフルを召喚し、ワームの上から掃射する…。
ターミナルバレットの弾丸が 海水の抵抗を無視し、ワームに正確に命中…沈黙する。
2丁の銃の制御を完璧にこなし、その処理と並列で腰にマガジンが生成されていく。
弾切れ…ボックスライフルからマガジンが吹き飛び、腰から射出されるマガジンを片手で装填し、更に撃つ…。
銃の弾を常に気を使いつつ、リロード時は もう一方の銃を使えるようにしている。
ワームの全滅を確認…。
すぐさまスピーダーがいる危険地帯に向けてナオが海中を飛ぶ…。
感知…ミサイル型の大群…いや…魚雷型だろうか?
魚雷型ワームを引き付けつつ、ボックスライフルで掃射し迎撃…そろそろ相手は打ち止めだろう…ワームの群れの数が 揃《そろ》えなくなってる。
加速したまま、展開したショベルでワームを真二つに斬り、更に加速…光学観測は出来ないが、ソナーやデータリンクを使いつつ、味方の位置を特定。
双方の間に割って入り、ショベルで大量のワームを切り裂き、ボックスライフルで掃射した。
ナオが並列して状況の確認…。
味方機のスピーダー部隊は、ほぼ全滅…残り少ない部隊もこっちを支援せずに退路を確保しつつ逃げ出す…どうやら撤退戦を始めているようだ。
海底にはスピーダーの残骸と放棄された空マガジンが大量になり、足場が悪く…それをワームが吹き飛ばし、辺りにまき散らす。
やっぱり、スピーダー部隊の方が 被害は大きいか…。
ワームを撃ちつつ…戦線を1人で押し上げ、脱出時間を稼ぐ…残りのボロボロの機体も安全を確保したと判断したのか 後部ハッチを開けて浮袋を使い急速浮上する。
1500…1000…500…200…100…50…30…10…1…0…掃討完了…。
後は、ネスト付近で核の後始末をしているエレクトロンが対処してくれるだろう…。
ナオは周りを気にしつつ…急速浮上…し、光学観測が出来なかった暗い空間から、派手な水しぶきをあげて、明るい空に飛び上がる…。
残り時間は…3分…十分だ。
ナオは すぐさま音速を超えて、後方にソニックブームを放ち、ドロフィン1を目指す…。
シーランド艦の甲板は 野戦病院が立っていて、負傷した兵士の手当てをしている。
そして海面には無数の炭素繊維のゴムボートが展開され、下から上がって来た兵士をエアトラS2がワイヤーを降ろし回収している。
高速で接近した為、対空レーザーがこちらを向き、警報が鳴るが、瞬時に味方と判断され、着艦の許可が出る…速度を落とし、野戦病院付近に近づく…。
野戦病院では、衛生兵が負傷者の手当をしている…。
周りを見る限り、ここにいるのは簡易負傷者で、重傷者は赤十字艦のシーランドだろうか?
エアトラS2で ゴムボートから負傷者を優先して回収しているが、自力で動ける者が大半で、精々が骨折 位だろう…。
ただ…周りの兵の人数がやけに少ない…重傷者が多いのか?撃墜されて海底に沈んでいるのだろうか?
フォースネットにアクセス…戦況をダウンロード…。
重傷者が多く、赤十字艦の方に大半がいるらしい。
生還は7割と言った所か…私の楽観値より被害が少ない…良い誤算だ。
ナオは 野戦病院の近く 静かに着地し、ヒザをつく…。
衛生兵がこちらに気づいて近づいて来るが、廃熱が仕切れていない為、周囲の空気が100℃を越えていて近寄れない。
パイロットスーツの中の廃熱が間に合わず、身体の皮膚が焼けて行っている…。
内部機器には問題は出ないだろうが、全身の皮膚の貼り替えが必要だろうな…。
ダメージコントロール班が駆けつけてくれて、出力を下げつつ、消火ホースを斜めに向けて発射…。
ナオの上から海水のシャワーを受け、大幅に温度が低下…海水が即座に水蒸気になり当たりに霧が発生する。
「おう…大丈夫か…。
確かキョウカイ小隊のナオだったか…。」
温度が下がった所で衛生兵が駆け寄る。
「YESだ…私の身体を頼む…。
ケーブルを繋いで 電源を確保してくれれば良い…。
義体のメンテナンスは、キョウカイ小隊のジガに任せる。」
ナオのバッテリーは 戦闘で、危険域まで下がっていた…。
そろそろスリープモードに移行するだろう。
「分かった…それで 戦況は?」
衛生兵が聞いてくる…海中とは散発的な情報しか送られず、上がってくるのは脱出したヒトだ…相当に不安なのだろう…。
「犠牲者の数は、まだ 分からないが…。
ミッションはクリアだろう…。」
「そうか…。」
「では、身体を頼む…。」
そう言い、活動時間が過ぎ、ナオはスリープモードに切り替わった。
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