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ヒトのキョウカイ2巻(エンゲージネジを渡そう)
25 (ゲームなら勝てる時もある)
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しばらく自室に戻りのんびりと過ごし…ふと、クオリアが何をやっているのかが気になった。
普段、オレが見るクオリアは ARのキーボードを打っている姿が多い。
エレクトロン大使館に行った時も 娯楽品の類は一切見当たらなかったし、こちらのイベントに参加する事はあっても、自分で企画した事は無い。
だが、実家に帰省した今なら クオリアはどんな休日を過ごしているのだろう…それが気になった。
向かいのクオリアの部屋に立つと ガチャと言う音がしてロックが外れる。
「どうぞ…。」
ここでは、インターフォン何て必要ないのか…。
ドアを開けて中に入る。
クオリアの部屋は ゲーム部屋だった。
棚にレトロゲーのカセットが積まれ…実機もかなりの数ある。
「よく来た…。」
クオリアがこちらを見て答える。
クオリアが握っているコントローラーは、64bitの家庭用ゲーム機器の奇抜なデザインのコントローラーだ。
「ゲームが趣味だったんだな」
ヤフー…ヤフー…ヤフー…ヤフーハッヤッフフフフフフフフ………。
「もう死んでしまった『ゲマ』と言う奴がいてな…ソイツの趣味だった…。
今は私の趣味にも成りつつある…かな…。」
クオリアはこっちを向いたままゲームをしている。
画面では 赤帽子を被ったおっさんが、奇声を上げながら後ろ向きでケツで走り、壁を貫通する…。
唐揚げを食べると脈絡の無い事を言いつつ、大きなカメを投げ飛ばし、爆弾にぶつける。
最後にお姫様がおっさんにキスし、2人でお城に海老を食べに行った。
ゲームの内容が全く分からない。
最後にクリアタイムが表示され、6分43秒…と表示される。
「もしかして、タイムアタックしてるのか?」
「そう…やっと理論値までたどり着いた。」
「普通そう言う遊び方をするもんじゃないから…。」
画面すら見ないで理論値を叩き出すのか…。
「ナオもやるか…色々あるぞ。」
「いや…勝てる訳ないだろう…。」
あのレベルを実現できる訳無い。
「一般人レベルまで性能を落としてプレイしている。
性能だけならナオの方が上だぞ…。」
「よし…なら、試してみるか…。」
ナオが棚から取り出したソフトはパーティゲーム…。
ランダム要素が多い条件なら対等に戦えるだろう。
が…。
「何で、狙った数字が出るんだ…。」
高速で動くサイコロを目押しするが…上手く当たらない…。
それに対してクオリアは サイコロを振る前にキャラに奇怪な行動をさせる事で、望む値を意図的に出す。
「乱数調整だ…普通は使わないのか?」
「いやいや…使わないって普通…てか乱数って10分の1だろ…。」
6面体サイコロなのに、10まで表示されるのはおかしいのだが…ちゃんと表示されている。
「厳密には乱数じゃ無くて疑似乱数だ…。
ランダムに見えるがキャラクターの行動で調整は可能だ。」
「あっそ…。」
続いて、格ゲー…これは 良い勝負になった。
この義体になってから、集中すれば…キャラクターがフレーム単位で見えるまで加速出来るようになった。
技をフレーム単位で計算して、瞬時に出す…そこに誘いなどのフェイクも織り込む…。
いかに相手に攻撃させて 受け止め、反撃をして難しい即死コンボに持っていくかが、このゲームの鍵で 視覚が強化された事で もう別ジャンルになっている。
病人設定はどこに行ったのか…『命は投げ捨てるもの』と言わんばかりにに暴れまくり、敵をドリブル状態にし124コンボで削り切った時の達成感は凄かった。
「やっぱり、まともに勝てないな…。」
「と言ってもナオ…思考加速していたよな。」
「…ん?これが思考加速ってのか…。」
「知らずに使ってたのか…。
と言う事は サポートアプリが 気を利かせたのか…。
全く…サポートアプリを入れた事もそうだが…ナオは自分の頭をコンピューターとして扱っているんだぞ…怖くは無いのか?」
「そりゃあ…怖いと思ったさ…特にオレのメモリを見た時なんか…。」
ジガとオレが、キューブのファイルを見た時…先頭に『Nao_Brain』のフォルダがあった。
この中にオレが収まっているのは少し違和感があったが…。
Deviceフォルダにアプリを入れた事で慣れた…。
Deviceフォルダはの処理は意識に上ら無い…だから、使っている内に便利なツールの1つに落ち着いた…まぁ1週間程度で適応が早いとは思ってるんだが…。
「結局人には戻れないんだから、こっちの身体で慣れるしかないんだろう…。」
「後悔しているか?今の身体になった事を…。」
クオリアが聞く…。
「いや…でも変われなかった方が後悔していた気はする…。」
ナオはしばらく考えそう答えた。
「そうか…。」
「あっ…そうだ…今更だが、ありがとうな…復活させてくれて…。」
「私を守ろうとしてくれた礼だ…。」
「あそこで、分解しなかった恰好良かったんだけどな…。」
ナオは笑いながら言う。
「だが、どんなに活躍しても あの世には名誉も名声も、ましては天尊銀行の支店も無い…。
ナオはもっと自分を大事にした方が良い…。
私のようにバックアップは取れないのだから。」
「分かっているよ…。
でもサイボーグ化して…やれる事が増えたのが、嬉しいんだ。
オレは忍者の中でも落ちこぼれだったから…。」
「落ちこぼれか…それは私にも分かる気がする。」
「へぇクオリアがね…。」
「さっ休憩は終りだ…ゲームの楽しみ方をみっちり教えるからな…。」
「はいよ…。」
その後、オレが何勝かした所で、オレは部屋に戻った。
オレは Deviceフォルダに、クオリアからお土産に貰ったARで完全再現したレトロゲームを大量に保存した…。
そしてキューブのスペックが気になり調べて見た。
キューブの名前は、澗
処理能力は、毎秒10の36乗フロップス…つまり1澗の浮動小数演算が出来る…容量も同じく1澗。
人の処理能力が毎秒10の16乗なので、人の1禾予倍の加速が出来る。
これは 1秒で太陽系の歴史46憶年を6893回繰り返せる計算になる。
葬式をした店長が、10分で2000年加速出来るスペックにも驚いたが…それ以上だ。
多分、実質無限と表現しても支障は無いだろう。
こんなスペックを扱い切れる訳は無いのだから…。
普段、オレが見るクオリアは ARのキーボードを打っている姿が多い。
エレクトロン大使館に行った時も 娯楽品の類は一切見当たらなかったし、こちらのイベントに参加する事はあっても、自分で企画した事は無い。
だが、実家に帰省した今なら クオリアはどんな休日を過ごしているのだろう…それが気になった。
向かいのクオリアの部屋に立つと ガチャと言う音がしてロックが外れる。
「どうぞ…。」
ここでは、インターフォン何て必要ないのか…。
ドアを開けて中に入る。
クオリアの部屋は ゲーム部屋だった。
棚にレトロゲーのカセットが積まれ…実機もかなりの数ある。
「よく来た…。」
クオリアがこちらを見て答える。
クオリアが握っているコントローラーは、64bitの家庭用ゲーム機器の奇抜なデザインのコントローラーだ。
「ゲームが趣味だったんだな」
ヤフー…ヤフー…ヤフー…ヤフーハッヤッフフフフフフフフ………。
「もう死んでしまった『ゲマ』と言う奴がいてな…ソイツの趣味だった…。
今は私の趣味にも成りつつある…かな…。」
クオリアはこっちを向いたままゲームをしている。
画面では 赤帽子を被ったおっさんが、奇声を上げながら後ろ向きでケツで走り、壁を貫通する…。
唐揚げを食べると脈絡の無い事を言いつつ、大きなカメを投げ飛ばし、爆弾にぶつける。
最後にお姫様がおっさんにキスし、2人でお城に海老を食べに行った。
ゲームの内容が全く分からない。
最後にクリアタイムが表示され、6分43秒…と表示される。
「もしかして、タイムアタックしてるのか?」
「そう…やっと理論値までたどり着いた。」
「普通そう言う遊び方をするもんじゃないから…。」
画面すら見ないで理論値を叩き出すのか…。
「ナオもやるか…色々あるぞ。」
「いや…勝てる訳ないだろう…。」
あのレベルを実現できる訳無い。
「一般人レベルまで性能を落としてプレイしている。
性能だけならナオの方が上だぞ…。」
「よし…なら、試してみるか…。」
ナオが棚から取り出したソフトはパーティゲーム…。
ランダム要素が多い条件なら対等に戦えるだろう。
が…。
「何で、狙った数字が出るんだ…。」
高速で動くサイコロを目押しするが…上手く当たらない…。
それに対してクオリアは サイコロを振る前にキャラに奇怪な行動をさせる事で、望む値を意図的に出す。
「乱数調整だ…普通は使わないのか?」
「いやいや…使わないって普通…てか乱数って10分の1だろ…。」
6面体サイコロなのに、10まで表示されるのはおかしいのだが…ちゃんと表示されている。
「厳密には乱数じゃ無くて疑似乱数だ…。
ランダムに見えるがキャラクターの行動で調整は可能だ。」
「あっそ…。」
続いて、格ゲー…これは 良い勝負になった。
この義体になってから、集中すれば…キャラクターがフレーム単位で見えるまで加速出来るようになった。
技をフレーム単位で計算して、瞬時に出す…そこに誘いなどのフェイクも織り込む…。
いかに相手に攻撃させて 受け止め、反撃をして難しい即死コンボに持っていくかが、このゲームの鍵で 視覚が強化された事で もう別ジャンルになっている。
病人設定はどこに行ったのか…『命は投げ捨てるもの』と言わんばかりにに暴れまくり、敵をドリブル状態にし124コンボで削り切った時の達成感は凄かった。
「やっぱり、まともに勝てないな…。」
「と言ってもナオ…思考加速していたよな。」
「…ん?これが思考加速ってのか…。」
「知らずに使ってたのか…。
と言う事は サポートアプリが 気を利かせたのか…。
全く…サポートアプリを入れた事もそうだが…ナオは自分の頭をコンピューターとして扱っているんだぞ…怖くは無いのか?」
「そりゃあ…怖いと思ったさ…特にオレのメモリを見た時なんか…。」
ジガとオレが、キューブのファイルを見た時…先頭に『Nao_Brain』のフォルダがあった。
この中にオレが収まっているのは少し違和感があったが…。
Deviceフォルダにアプリを入れた事で慣れた…。
Deviceフォルダはの処理は意識に上ら無い…だから、使っている内に便利なツールの1つに落ち着いた…まぁ1週間程度で適応が早いとは思ってるんだが…。
「結局人には戻れないんだから、こっちの身体で慣れるしかないんだろう…。」
「後悔しているか?今の身体になった事を…。」
クオリアが聞く…。
「いや…でも変われなかった方が後悔していた気はする…。」
ナオはしばらく考えそう答えた。
「そうか…。」
「あっ…そうだ…今更だが、ありがとうな…復活させてくれて…。」
「私を守ろうとしてくれた礼だ…。」
「あそこで、分解しなかった恰好良かったんだけどな…。」
ナオは笑いながら言う。
「だが、どんなに活躍しても あの世には名誉も名声も、ましては天尊銀行の支店も無い…。
ナオはもっと自分を大事にした方が良い…。
私のようにバックアップは取れないのだから。」
「分かっているよ…。
でもサイボーグ化して…やれる事が増えたのが、嬉しいんだ。
オレは忍者の中でも落ちこぼれだったから…。」
「落ちこぼれか…それは私にも分かる気がする。」
「へぇクオリアがね…。」
「さっ休憩は終りだ…ゲームの楽しみ方をみっちり教えるからな…。」
「はいよ…。」
その後、オレが何勝かした所で、オレは部屋に戻った。
オレは Deviceフォルダに、クオリアからお土産に貰ったARで完全再現したレトロゲームを大量に保存した…。
そしてキューブのスペックが気になり調べて見た。
キューブの名前は、澗
処理能力は、毎秒10の36乗フロップス…つまり1澗の浮動小数演算が出来る…容量も同じく1澗。
人の処理能力が毎秒10の16乗なので、人の1禾予倍の加速が出来る。
これは 1秒で太陽系の歴史46憶年を6893回繰り返せる計算になる。
葬式をした店長が、10分で2000年加速出来るスペックにも驚いたが…それ以上だ。
多分、実質無限と表現しても支障は無いだろう。
こんなスペックを扱い切れる訳は無いのだから…。
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