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219.2視察という名のおもてなし2(突然の溶岩)✔ 2024.3.10修正 文字数 前3,125後3,890増765
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グラグラグラグラ……ドーーーン
翌朝早くの揺れと音に跳び起きたところに、レックスから念話が届いた。
《アルフレッド、火山が爆発して溶岩が流れ出し、ゆっくりと向かってきている。このままではこの辺りは溶岩に飲み込まれてしまうだろう。オレ様でも溶岩が相手ではやりようがないぞ。早く逃げた方がいい!》
《ありがとうレックス。どれくらいでここに到達しそう?》
《早ければ明日か遅くとも二日後には届くのではないか》
《国王陛下たちにはすぐに帰ってもらうよ、悪いけど子供たちに馬車を牽いてもらえる》
《やらせよう。だが、アルフレッドはどうするのだ! お前たちも早く逃げた方がいいぞ! あれはどうすることもできんぞ!》
《……状況を確認してから逃げるかどうか決めるよ。大規模な噴火になるかな?》
《オレ様には分からんが、今のところあれ以後の爆発は聞えておらん。温泉とオレ様の家がなくなるのは残念ではあるが、熱いドロドロはどうにもできんぞ。オレ様は家族と一緒に魔狼迷宮に戻るか、訓練場に逃げるぞ。アルフレッドも無理せずに逃げろよ!》
《分かった。……危なくなったら飛んで逃げるから、チビとベビも連れて行ってくれる?》
《任せておけ!》
レックスからの念話がプツリと途絶えた。
みんな揺れと音に驚いたようで、目を覚まし不安そうに俺の所にやって来た。レックスの情報を説明し、直ぐに帰るように伝える。
ここでも、魔法師団長がワシの魔法で溶岩を食い止めてみせると言い出し困らせていたが、第三騎士団長が首トンして静かにさせていた。
キャスペル殿下が心配そうに見てくる。
「無理せずに逃げるのだぞ!」
アルテミシア様も不安そうにしている。
「危ない事はしないでくださいね」
国王陛下たちは慌ただしく、お父様とお母様、サーシャと共に出発していった。お父様たちは国王陛下を製塩所まで連れて行き、職人たちと一緒に屋敷に戻ってもらうようにお願いしておいた。
レックスの子供たちの足なら、今日中には屋敷に戻れるはずだ。
立ち昇る噴煙を目印に飛んで行くと、真っ赤な溶岩が噴火口から流れ出し、温泉と別荘のある方向にドロドロと流れている。レックスから聞いていた通りだ。近くの川の水を使い水魔法で溶岩を冷やしてみたが、まさに焼け石に水だな。ジュッと音がして水蒸気が上がると、直ぐに蒸発してしまった。
表面が黒く変色し、その部分を避けるように溶岩が流れていたが、それほど時間もかからずに真っ赤な溶岩に飲み込まれ、勢いは変わらない。
そうだ、溶岩の流れを変えてやればいいんだ
グランドダウンとグランドアップの魔法を使い、山の傾斜を海側に向ける。少しだけではあるが、溶岩の流れる方向に変化が見える。だが、このままではいずれ、別荘と温泉を呑み込むことになりそうだ。
少し離れた場所に海に向かって流れる川がある。これを上手く使って溶岩を防げないだろうか? ここで食い止められれば、別荘と温泉は護ることができるだろう。
グランドダウンで川を掘り下げ、その土を反対側にグランドアップで盛り上げる。川を溶岩の誘導路とし、最終防衛ラインと定めた。
川幅も深さも不足しているため、土魔法のラウンドダウンとラウンドアップを繰り返す。
数時間が経過しただろうか、川幅も広がり深さもそれなりになってきた。これなら何とかなりそうだ。
しかし、海まではまだまだ距離があり簡単にはいきそうにない、下流も同じようにやるか。
《ママ帰りが遅いの!》
《アルママだめダォ!》
《アルフレッド、逃げろと言ったはずだぞ!》
べビ、チビ、レックスが心配してやってきた。そして、風を制御し始めると川底を掘り下げ土を吹き飛ばしてくれる。
一人で掘り下げていた時と違いかなりの勢いで深く広くなっていく。水も流れているため、そこまで硬くはないのだろう。
《みんなありがとう、助かるよ!》
《オレ様たちだけではないぞ! よく見ろ! ここで暮らす魔物たちも手伝うと言っているぞ。俺様は強制も命令もしていないからな》
オークやゴブリンまでが川底から石を拾い上げ、川のほとりに積み上げている。オークの上位種は魔法を使っているものまでいるな。
レックスが魔狼迷宮から連れて来たのだろう。多くの魔狼たちがやってくると、さらに風の制御により作業が進んでいく。人海戦術ではないが、ありえない光景を目の当たりにして、驚きと感謝の気持ちが込み上げてきた。
既に一日が経過したが、魔物達は交代で休みながらも、作業を続けてくれている。メラメラと木々が終え上がるのが見え始めた。高温の溶岩が迫っており、魔物達に川底から上がってもらった。
それから数時間後に最初の溶岩が川に到達し、水に触れると大量の蒸気が吹き上がった。そして川の流れに沿って海へと流れる方向を変えることに成功した。
だが、これ以上、溶岩が増えるようであれば川を越えてしまう可能性もあるだろう。
かなりギリギリだったが、なんとか海まで溶岩を誘導することに成功したな。魔物たちも喜んでいるのが伝わってくる。
レックスに通訳出来ないかお願いしてみた。
《これで住処を失わずに済んだと言っているぞ》
《みんな頑張ったからね。本当によかった。これだけ協力したんだから、もう、ここの魔物は食べれそうにないね!》
《何を言っているんだ! それとこれとは別のことだ。生きるためには食わねばならん。こいつらも腹が減れば、狩りをして命を貰う。生きるとはそういうものだ!》
《そういうものかな!?》
《そういうものだぞ!》
レックスは平然と言い切る。
《お礼を伝えてよ》
《分かっておる、もう、伝えておいてやった》
レックスが伝えてくれたのだろう、魔物たちが帰りだした。みんなの協力により温泉や別荘を含め、森の木々や土地を溶岩から護ることができた。しかし、川が溶岩で埋まっており、また溶岩が流れてきたら防げないだろう。このままでは洪水の可能性もあるな。
埋まった川の代わりも必要だ。
まだ、溶岩の熱が高いため、もう少し落ち着いてきたら元の川の横に新たに川幅も深さも倍のものを造ろう。
働き場も必要だから、川の新設工事は仕事斡旋所に依頼すればいい。俺は火山の南側に、新たに海までの溶岩の通り道を少しずつ造って行こうかな。
ひと月ほどで溶岩の流出が減少し始めている。この分ならそう遠くないうちに止まりそうだな。でも、またいつ流れ出るか分からないから、海への誘導路は造っておいた方がいいな。
レックスから念話があり、新たにできたと言っていたオーク迷宮の入り口が、溶岩で塞がっていると報告があった。近くに入り口を探すとは言っていたが、魔法で入り口を造ってやるかな。中のオークは生きているのだろうか? 新たな迷宮ができるのを待つ方がいいのかもしれない。
魔物たちの協力もあり、被害は最小限に抑えられた。森の多くが以前のままの姿で残っているのはありがたいな。
レックスたちの家族は別荘に戻っており、今日も露天風呂は魔物天国になっていた。
新しい美味しいものを食べさせろと念話が届いたから、ミルクレープでも作ってやるかな。
ひと月ほど、ひたすら溶岩の誘導路を作り続けている。また、土魔法の腕が上がったかな。最近は土木工事ばかりやっているが、国王陛下に頼まれて、グラン帝国や魔法大国アスラダに出かける回数も増えているんだ。
アスラダに行ったら、新たな銅像が作られていたし、俺を公爵にしようと協議されているらしい。土地を何処にするかで揉めているみたいだと、なぜかキャスペル殿下が教えてくれた。そういえば、留学していて第一王子とも仲がいいとか言っていたな。
そうそう、溶岩対策をしていて、グラン帝国のワイバーンの調教の秘密を知ってしまったんだ。と言っても俺が言い当てただけだけどね。ワイバーンの巣に卵を獲りに行って……あとは孵して育てる。そこからは育てたワイバーンの卵で同じことを繰り返すだけなんだ。
チビやベビもある意味、同じように育てたようなものだからね。簡単に答えが分かってしまったよ。
この一ヶ月の間、『魔大陸』に行く可動か悩んでいたんだけど、行こうと思っているんだ。メダリオン王国、グラン帝国、アスラダ国の迷宮ではエリクサーを発見することはできなかったからね。
手に入れるためには魔大陸に行くしかないよね。
可能なら三本以上は手に入れたいんだ。サーシャの言語障害に、キャスペル殿下とコーラス・クラフト男爵の足の欠損も治したい。できるだけ多くのエリクサーを手に入れたいんだ。簡単には行かないだろうけどね。
それと、ベビとチビを故郷の魔大陸に連れて行ってやりたい。今でも大きくなっているけど、ママ龍さんくらいになるとすれば、ここではとても暮らせないよ。自由に暮らすには、龍の住む魔大陸がいいはずだからね。
白い帆船の人たちを温泉に招待しているので、訪ねて来たら、帰りに一緒に行けないかな?
俺の帆船で一緒に行けるように準備も始めよう。水先案内人がいれば、迷子にならずに魔大陸に行くことができるからね。
白い帆船の人たちは、危険な場所や生き物などの情報や経験と知識を持っているはずだから、これ程確かな方法はない。
白い帆船の護衛をすると言えば連れて行ってくれるよね。また海賊が襲ってきても撃退すればいいからね。
なので、少しずつだけど魔大陸に行くための準備をしているところなんだ。
船に樽や日持ちのする食べ物を持ち込んでいる。他にも剣や弓矢などの武器に爆裂弾なども準備し始めているんだ。修理用の材料なども積み込んでいるよ。
壊血病やペラグラに脚気対策も必要になるな。
まだ、誰にも行ってないけど、俺としては決定事項だ。まだまだ、忙しくなるぞ。
翌朝早くの揺れと音に跳び起きたところに、レックスから念話が届いた。
《アルフレッド、火山が爆発して溶岩が流れ出し、ゆっくりと向かってきている。このままではこの辺りは溶岩に飲み込まれてしまうだろう。オレ様でも溶岩が相手ではやりようがないぞ。早く逃げた方がいい!》
《ありがとうレックス。どれくらいでここに到達しそう?》
《早ければ明日か遅くとも二日後には届くのではないか》
《国王陛下たちにはすぐに帰ってもらうよ、悪いけど子供たちに馬車を牽いてもらえる》
《やらせよう。だが、アルフレッドはどうするのだ! お前たちも早く逃げた方がいいぞ! あれはどうすることもできんぞ!》
《……状況を確認してから逃げるかどうか決めるよ。大規模な噴火になるかな?》
《オレ様には分からんが、今のところあれ以後の爆発は聞えておらん。温泉とオレ様の家がなくなるのは残念ではあるが、熱いドロドロはどうにもできんぞ。オレ様は家族と一緒に魔狼迷宮に戻るか、訓練場に逃げるぞ。アルフレッドも無理せずに逃げろよ!》
《分かった。……危なくなったら飛んで逃げるから、チビとベビも連れて行ってくれる?》
《任せておけ!》
レックスからの念話がプツリと途絶えた。
みんな揺れと音に驚いたようで、目を覚まし不安そうに俺の所にやって来た。レックスの情報を説明し、直ぐに帰るように伝える。
ここでも、魔法師団長がワシの魔法で溶岩を食い止めてみせると言い出し困らせていたが、第三騎士団長が首トンして静かにさせていた。
キャスペル殿下が心配そうに見てくる。
「無理せずに逃げるのだぞ!」
アルテミシア様も不安そうにしている。
「危ない事はしないでくださいね」
国王陛下たちは慌ただしく、お父様とお母様、サーシャと共に出発していった。お父様たちは国王陛下を製塩所まで連れて行き、職人たちと一緒に屋敷に戻ってもらうようにお願いしておいた。
レックスの子供たちの足なら、今日中には屋敷に戻れるはずだ。
立ち昇る噴煙を目印に飛んで行くと、真っ赤な溶岩が噴火口から流れ出し、温泉と別荘のある方向にドロドロと流れている。レックスから聞いていた通りだ。近くの川の水を使い水魔法で溶岩を冷やしてみたが、まさに焼け石に水だな。ジュッと音がして水蒸気が上がると、直ぐに蒸発してしまった。
表面が黒く変色し、その部分を避けるように溶岩が流れていたが、それほど時間もかからずに真っ赤な溶岩に飲み込まれ、勢いは変わらない。
そうだ、溶岩の流れを変えてやればいいんだ
グランドダウンとグランドアップの魔法を使い、山の傾斜を海側に向ける。少しだけではあるが、溶岩の流れる方向に変化が見える。だが、このままではいずれ、別荘と温泉を呑み込むことになりそうだ。
少し離れた場所に海に向かって流れる川がある。これを上手く使って溶岩を防げないだろうか? ここで食い止められれば、別荘と温泉は護ることができるだろう。
グランドダウンで川を掘り下げ、その土を反対側にグランドアップで盛り上げる。川を溶岩の誘導路とし、最終防衛ラインと定めた。
川幅も深さも不足しているため、土魔法のラウンドダウンとラウンドアップを繰り返す。
数時間が経過しただろうか、川幅も広がり深さもそれなりになってきた。これなら何とかなりそうだ。
しかし、海まではまだまだ距離があり簡単にはいきそうにない、下流も同じようにやるか。
《ママ帰りが遅いの!》
《アルママだめダォ!》
《アルフレッド、逃げろと言ったはずだぞ!》
べビ、チビ、レックスが心配してやってきた。そして、風を制御し始めると川底を掘り下げ土を吹き飛ばしてくれる。
一人で掘り下げていた時と違いかなりの勢いで深く広くなっていく。水も流れているため、そこまで硬くはないのだろう。
《みんなありがとう、助かるよ!》
《オレ様たちだけではないぞ! よく見ろ! ここで暮らす魔物たちも手伝うと言っているぞ。俺様は強制も命令もしていないからな》
オークやゴブリンまでが川底から石を拾い上げ、川のほとりに積み上げている。オークの上位種は魔法を使っているものまでいるな。
レックスが魔狼迷宮から連れて来たのだろう。多くの魔狼たちがやってくると、さらに風の制御により作業が進んでいく。人海戦術ではないが、ありえない光景を目の当たりにして、驚きと感謝の気持ちが込み上げてきた。
既に一日が経過したが、魔物達は交代で休みながらも、作業を続けてくれている。メラメラと木々が終え上がるのが見え始めた。高温の溶岩が迫っており、魔物達に川底から上がってもらった。
それから数時間後に最初の溶岩が川に到達し、水に触れると大量の蒸気が吹き上がった。そして川の流れに沿って海へと流れる方向を変えることに成功した。
だが、これ以上、溶岩が増えるようであれば川を越えてしまう可能性もあるだろう。
かなりギリギリだったが、なんとか海まで溶岩を誘導することに成功したな。魔物たちも喜んでいるのが伝わってくる。
レックスに通訳出来ないかお願いしてみた。
《これで住処を失わずに済んだと言っているぞ》
《みんな頑張ったからね。本当によかった。これだけ協力したんだから、もう、ここの魔物は食べれそうにないね!》
《何を言っているんだ! それとこれとは別のことだ。生きるためには食わねばならん。こいつらも腹が減れば、狩りをして命を貰う。生きるとはそういうものだ!》
《そういうものかな!?》
《そういうものだぞ!》
レックスは平然と言い切る。
《お礼を伝えてよ》
《分かっておる、もう、伝えておいてやった》
レックスが伝えてくれたのだろう、魔物たちが帰りだした。みんなの協力により温泉や別荘を含め、森の木々や土地を溶岩から護ることができた。しかし、川が溶岩で埋まっており、また溶岩が流れてきたら防げないだろう。このままでは洪水の可能性もあるな。
埋まった川の代わりも必要だ。
まだ、溶岩の熱が高いため、もう少し落ち着いてきたら元の川の横に新たに川幅も深さも倍のものを造ろう。
働き場も必要だから、川の新設工事は仕事斡旋所に依頼すればいい。俺は火山の南側に、新たに海までの溶岩の通り道を少しずつ造って行こうかな。
ひと月ほどで溶岩の流出が減少し始めている。この分ならそう遠くないうちに止まりそうだな。でも、またいつ流れ出るか分からないから、海への誘導路は造っておいた方がいいな。
レックスから念話があり、新たにできたと言っていたオーク迷宮の入り口が、溶岩で塞がっていると報告があった。近くに入り口を探すとは言っていたが、魔法で入り口を造ってやるかな。中のオークは生きているのだろうか? 新たな迷宮ができるのを待つ方がいいのかもしれない。
魔物たちの協力もあり、被害は最小限に抑えられた。森の多くが以前のままの姿で残っているのはありがたいな。
レックスたちの家族は別荘に戻っており、今日も露天風呂は魔物天国になっていた。
新しい美味しいものを食べさせろと念話が届いたから、ミルクレープでも作ってやるかな。
ひと月ほど、ひたすら溶岩の誘導路を作り続けている。また、土魔法の腕が上がったかな。最近は土木工事ばかりやっているが、国王陛下に頼まれて、グラン帝国や魔法大国アスラダに出かける回数も増えているんだ。
アスラダに行ったら、新たな銅像が作られていたし、俺を公爵にしようと協議されているらしい。土地を何処にするかで揉めているみたいだと、なぜかキャスペル殿下が教えてくれた。そういえば、留学していて第一王子とも仲がいいとか言っていたな。
そうそう、溶岩対策をしていて、グラン帝国のワイバーンの調教の秘密を知ってしまったんだ。と言っても俺が言い当てただけだけどね。ワイバーンの巣に卵を獲りに行って……あとは孵して育てる。そこからは育てたワイバーンの卵で同じことを繰り返すだけなんだ。
チビやベビもある意味、同じように育てたようなものだからね。簡単に答えが分かってしまったよ。
この一ヶ月の間、『魔大陸』に行く可動か悩んでいたんだけど、行こうと思っているんだ。メダリオン王国、グラン帝国、アスラダ国の迷宮ではエリクサーを発見することはできなかったからね。
手に入れるためには魔大陸に行くしかないよね。
可能なら三本以上は手に入れたいんだ。サーシャの言語障害に、キャスペル殿下とコーラス・クラフト男爵の足の欠損も治したい。できるだけ多くのエリクサーを手に入れたいんだ。簡単には行かないだろうけどね。
それと、ベビとチビを故郷の魔大陸に連れて行ってやりたい。今でも大きくなっているけど、ママ龍さんくらいになるとすれば、ここではとても暮らせないよ。自由に暮らすには、龍の住む魔大陸がいいはずだからね。
白い帆船の人たちを温泉に招待しているので、訪ねて来たら、帰りに一緒に行けないかな?
俺の帆船で一緒に行けるように準備も始めよう。水先案内人がいれば、迷子にならずに魔大陸に行くことができるからね。
白い帆船の人たちは、危険な場所や生き物などの情報や経験と知識を持っているはずだから、これ程確かな方法はない。
白い帆船の護衛をすると言えば連れて行ってくれるよね。また海賊が襲ってきても撃退すればいいからね。
なので、少しずつだけど魔大陸に行くための準備をしているところなんだ。
船に樽や日持ちのする食べ物を持ち込んでいる。他にも剣や弓矢などの武器に爆裂弾なども準備し始めているんだ。修理用の材料なども積み込んでいるよ。
壊血病やペラグラに脚気対策も必要になるな。
まだ、誰にも行ってないけど、俺としては決定事項だ。まだまだ、忙しくなるぞ。
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