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358. 資料解析(ラノベあるある)✔
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ベスとベルの子供達の世話はアルテミシア様とサーシャがやってくれることになったよ。お父様とお母様も参加したそうにしてはいたが仕事があるので残念そうにしていた。仕事のストレス発散に隙を見てモフリに行くんじゃないかな。
城の地下から持ち帰った邪神教の資料を調べないと、ルナで一週間も無駄にしてしまったからね。お父様とお母様が調べてくれていたそうで、重要なことは暗号化され読めなかったんだって。それだけ分かっただけでも時間を無駄にせずにすむ、感謝しないとね。
暗号化されているから直ぐに解読できないだろう、と、邪神教の信者が考えていれば、拠点を押さえられるかもしれない。
早速、整理された書類を受け取りお母様に説明をお願いした。
「読めない文字で暗号化されているの! でも手掛かりになりそうなものが見つかっていないの、解読するにはかなりの月日がかかるかもしれないわ! 試みてはみたのよ、でもこんなの読めないわよ!」
お母様は机に広げた書類を指さしながら説明を始めた。お父様は書類を広げる掛かりのようだな。
「えっ!」思わず声が漏れたため慌てて口を塞ぐ。お母様とお父様が俺を見る目は訝しんでいるようだが、話の腰を折らないように最後まで黙って聞くことにした。
俺の他にも日本人が転生している可能性が高そうだ。暗号だと説明された文字なんだけど、マイバイブルのラノベあるある、『日本語』で書かれていたんだよ。
その中に『王家』『墓所』と読めたんだ。木を隠すなら森の中と言うけど、棺を隠すなら墓所の中、きっとパズズ王家の墓所に棺があるんじゃないかな。
他にも貴族や商人らしき名前がいくつも書かれており、メダリオン王国、グラン帝国、アスラダの国名も記載されていた。他にも人魚や魔大陸のことまであるようだ。
日本語を暗号として使っているのだろう、いくらなんでもたまたまなんてことはないよね。ミスリードの可能性も捨てきれないから、そのまま信用していいのか悩むところだな。
パズズ国の地図には王家の墓所らしき記載は確認できなかった。墓が荒らされないように公にされていないのだろうね。どちらにしても人が住まない山とか谷にあるんじゃないかな。
早足で説明を受けたんだけど、重要度が高いのか『邪神』、『聖剣エクスカリバー』『棺』の文字は発見できなかったんだよ。
読めた文字は書きだして、ブラフの可能性も考慮したんだ。名前の出てきた貴族や商人については、グラン帝国はボルトマン将軍に、アスラダ国はフラム・バニングスさんの父である宰相にお願いしたけど、パズズ国にはそこまで信用できる人がいないんだ。
邪神教の関係者が入り込んでいるかもしれないから、取り扱いに注意して信頼のおける少人数で監視して欲しいことも言っておいたよ。パズズ国だけは引き続き俺が監視するかな。だけど、何ヶ所もあるからひとりで監視はできない……人手が足りないな。
悩んでいたら心の声が念話で伝わっていたらしい、チビとベビ、フラトゥスが人化して監視に加わってくれると言ってくれたんだ。あと一ヶ所足りないが仕方ないかな、そう考えていたらベスが行くと言ってくれた。
ハイルーン領から出て人化するならと、条件付きで女神様が許可してくれたと嬉しそうにしている。もしかして女神様にまで俺の心が伝わってしまったかな。うかつに考えるのは止めた方がいいな。
女神様が寂しそうに……『もっと話しかける』とか『料理を作ろう』とか『かわいいな』とか伝わっていなければいいんだけど。……なんか恥ずかしくなってきた。
「あっ!」
今うかつに考えるのは止めた方がと考えたばかりなのに、魔道具作動していなかったよね?
そうそう、フラトゥスにはエグザイルエルフの念話の魔道具を装着してもらったんだ。距離にも依るけど離れていても話ができるようになっているんだよ。だから今回の事も伝わってしまったんだろうね。魔道具をいくつも装着しているからか、思ってもいないのに念話を発信することがたまにあるんだよね。
パズズ王への邪神教の説明は一旦保留することに決めたんだ。木を切り倒した場所を街道にするのか植林するかだけ確認したんだけど、街道にしてほしいそうだ。
ハイルーン領に早く行けるようになるのが嬉しいんだって喜んでいたよ。メダリオン王国にもどうするか伺いを立てに行ったんだけど、パズズ国との交渉も任せるからと、いつものように外交を一任するという内容の任命書を貰ってしまった。
俺としてはやりやすくていいんだけど、全部丸投げで本当にいいのかメダリオン王国の行く末が不安になるよ。近いうちに退位するとか言い出してキャスペル殿下に譲る気なんじゃないかな。なんかそんな気がしてならないんだよね。陛下は温泉が好きだから、老後のためにハイルーン領に屋敷を造ったんじゃないかと思えてならないんだよね。
街道の整備費用の七割はパズズ国が負担してくれるというから、帰ったらいつものようにマシュー商会に丸投げしよう。
そういえば、マシューさんがレックスを重機のように使いこなしているのには本当に驚かされたよ。報酬はふわふわパンケーキやプリンに調味料セットだと教えてもらったんだけど、安い労働費だと思って聞いていたら、受け渡す量を見て考えが吹き飛んでしまった。あの量はすごい、きっと家族のだけではなくて魔狼たちの食べる分も入っているよ。
樹木の伐採から資材の運搬に警備までやってくれるから工期は格段に短いからね。グラン帝国にも出張工事していると小耳に挟んだんだけど、今度確認してみようかな。もう土木工事でマシュー商会の相手になる業者とかいないんじゃないかな。
城の地下から持ち帰った邪神教の資料を調べないと、ルナで一週間も無駄にしてしまったからね。お父様とお母様が調べてくれていたそうで、重要なことは暗号化され読めなかったんだって。それだけ分かっただけでも時間を無駄にせずにすむ、感謝しないとね。
暗号化されているから直ぐに解読できないだろう、と、邪神教の信者が考えていれば、拠点を押さえられるかもしれない。
早速、整理された書類を受け取りお母様に説明をお願いした。
「読めない文字で暗号化されているの! でも手掛かりになりそうなものが見つかっていないの、解読するにはかなりの月日がかかるかもしれないわ! 試みてはみたのよ、でもこんなの読めないわよ!」
お母様は机に広げた書類を指さしながら説明を始めた。お父様は書類を広げる掛かりのようだな。
「えっ!」思わず声が漏れたため慌てて口を塞ぐ。お母様とお父様が俺を見る目は訝しんでいるようだが、話の腰を折らないように最後まで黙って聞くことにした。
俺の他にも日本人が転生している可能性が高そうだ。暗号だと説明された文字なんだけど、マイバイブルのラノベあるある、『日本語』で書かれていたんだよ。
その中に『王家』『墓所』と読めたんだ。木を隠すなら森の中と言うけど、棺を隠すなら墓所の中、きっとパズズ王家の墓所に棺があるんじゃないかな。
他にも貴族や商人らしき名前がいくつも書かれており、メダリオン王国、グラン帝国、アスラダの国名も記載されていた。他にも人魚や魔大陸のことまであるようだ。
日本語を暗号として使っているのだろう、いくらなんでもたまたまなんてことはないよね。ミスリードの可能性も捨てきれないから、そのまま信用していいのか悩むところだな。
パズズ国の地図には王家の墓所らしき記載は確認できなかった。墓が荒らされないように公にされていないのだろうね。どちらにしても人が住まない山とか谷にあるんじゃないかな。
早足で説明を受けたんだけど、重要度が高いのか『邪神』、『聖剣エクスカリバー』『棺』の文字は発見できなかったんだよ。
読めた文字は書きだして、ブラフの可能性も考慮したんだ。名前の出てきた貴族や商人については、グラン帝国はボルトマン将軍に、アスラダ国はフラム・バニングスさんの父である宰相にお願いしたけど、パズズ国にはそこまで信用できる人がいないんだ。
邪神教の関係者が入り込んでいるかもしれないから、取り扱いに注意して信頼のおける少人数で監視して欲しいことも言っておいたよ。パズズ国だけは引き続き俺が監視するかな。だけど、何ヶ所もあるからひとりで監視はできない……人手が足りないな。
悩んでいたら心の声が念話で伝わっていたらしい、チビとベビ、フラトゥスが人化して監視に加わってくれると言ってくれたんだ。あと一ヶ所足りないが仕方ないかな、そう考えていたらベスが行くと言ってくれた。
ハイルーン領から出て人化するならと、条件付きで女神様が許可してくれたと嬉しそうにしている。もしかして女神様にまで俺の心が伝わってしまったかな。うかつに考えるのは止めた方がいいな。
女神様が寂しそうに……『もっと話しかける』とか『料理を作ろう』とか『かわいいな』とか伝わっていなければいいんだけど。……なんか恥ずかしくなってきた。
「あっ!」
今うかつに考えるのは止めた方がと考えたばかりなのに、魔道具作動していなかったよね?
そうそう、フラトゥスにはエグザイルエルフの念話の魔道具を装着してもらったんだ。距離にも依るけど離れていても話ができるようになっているんだよ。だから今回の事も伝わってしまったんだろうね。魔道具をいくつも装着しているからか、思ってもいないのに念話を発信することがたまにあるんだよね。
パズズ王への邪神教の説明は一旦保留することに決めたんだ。木を切り倒した場所を街道にするのか植林するかだけ確認したんだけど、街道にしてほしいそうだ。
ハイルーン領に早く行けるようになるのが嬉しいんだって喜んでいたよ。メダリオン王国にもどうするか伺いを立てに行ったんだけど、パズズ国との交渉も任せるからと、いつものように外交を一任するという内容の任命書を貰ってしまった。
俺としてはやりやすくていいんだけど、全部丸投げで本当にいいのかメダリオン王国の行く末が不安になるよ。近いうちに退位するとか言い出してキャスペル殿下に譲る気なんじゃないかな。なんかそんな気がしてならないんだよね。陛下は温泉が好きだから、老後のためにハイルーン領に屋敷を造ったんじゃないかと思えてならないんだよね。
街道の整備費用の七割はパズズ国が負担してくれるというから、帰ったらいつものようにマシュー商会に丸投げしよう。
そういえば、マシューさんがレックスを重機のように使いこなしているのには本当に驚かされたよ。報酬はふわふわパンケーキやプリンに調味料セットだと教えてもらったんだけど、安い労働費だと思って聞いていたら、受け渡す量を見て考えが吹き飛んでしまった。あの量はすごい、きっと家族のだけではなくて魔狼たちの食べる分も入っているよ。
樹木の伐採から資材の運搬に警備までやってくれるから工期は格段に短いからね。グラン帝国にも出張工事していると小耳に挟んだんだけど、今度確認してみようかな。もう土木工事でマシュー商会の相手になる業者とかいないんじゃないかな。
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