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264.2異世界初の大型プロジェクト2(最悪の第一印象)✔
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ミルト達の元に戻って来たが、獣人やドワーフの数が増えているようだ。到着した者たちは河が渡れないと分かってきっと驚いているだろうな。
ミルト達を見つけた。エグザイルエルフと談笑しているが、始めて見る顔だな。仲がよさそうにしているから、ミルトの知り合いなんだろう。ひとりでも協力者を増やしておきたい。他にも十名ほど知らない顔のエグザイルエルフが見える。
念話しているから全部聞こえてくる。巨大なまずの話だな……河が渡れないせいでかなりイライラしているみたいだな。話しかけない方が良さそうだ、ひと段落着くまで待つことにしよう。
話が終わったみたいだ。話しかけてもいいかな。念話の方がいいか。
〈ミルト! ドワーフがトンネル工事に合意してくれたよ! エルフに協力してくれるようにお願いしてよ!〉
〈え! こんなに短時間であの気難しいドワーフを納得させて来たんですか? 相変わらず、アルフレッドのやることは信じれないですね!〉
ミルトと護衛達が驚いている。そういえば、ドワーフは気難しいとミルトが言っていたな。すっかり忘れていた。
〈嘘は言ってないよ! ちゃんと説明してドワーフ全員が賛成したんだから! 信じてよ!〉
〈そういう意味の信じられないではないのですが、反対したドワーフはひとりもいなかったんですか?〉
〈そうだよ! みんな喜んで協力すると言ってくれた!〉
〈それはすごいですね! ちょうどいいですね。こちらは森のエルフでミーメ、こっちがノールでふたりは本流の血筋です。ふたりにも協力してもらいましょう!〉
ミーメとノールは、いきなり協力してもらいたいと言われてキョトンとしている。エグザイルエルフと見分けがつかないが森のエルフだったんだな。エルフは少し肌の色が白いようだ。元は同じエルフだと言っていたから、帆船乗りで日焼けする生活と、木陰がある生活で、肌の色に違いが出たのかな。実は、ただの日焼けだったりして。
〈ミルト! ドワーフがどうのって、私たちに何をさせる気なの? いきなり過ぎて状況が分からないんだけど! 分かるように説明しなさいよ!〉
俺とミルトの念話を聞いていたみたいだな。説明が楽になりそうで助かる。
〈ミーメ、巨大ナマズのせいで船が出せなくなっていますよね〉
早速、ミルトがお願いしてくれるみたいだ。
〈そうね、さっき聞いてどうしたらいいか困っているところよ! 購入してきた物資を届けられないし、いつまでここにいることになるか不安で仕方ないわ! 何か方法があるといいけど!〉
エグザイルエルフとエルフも、〈〈〈心配している〉〉〉と念話が飛び交っている。
〈安全に渡る方法ですが、河の下にトンネルを作ることにドワーフが協力してくれます。そのためには、対岸のエルフの土地にもトンネルを掘る必要があります。そこでミーメとノールにも、この計画のために協力してほしいです!〉
ミルトが完璧な説明を行なってくれた。
〈人間に騙されてはいけないわ! あの気難しいドワーフが人間に協力するはずがないわ! ミルトもそれくらいのこと分かっているはずよ!〉
ミーメは人間の事が嫌いなのだろうか? 嫌な感情が流れ込んでくる。念話は便利だけど、感情のコントロールができないと、今回のように相手に気持ち迄伝わってしまうからな。
〈アルフレッドは信用できるいい人間です。何度も命を助けてもらいました!〉
ミルトが直ぐに反論している。するとミーメが俺を品定めするように見てくる。なんだろうか視線に悪意のようなものまで感じるな。
〈ミルトがそう言うのなら……まあいいわ。ワタシは自分の目で見て判断するから! ノール! 行くわよ!〉
〈ボクまだ、挨拶してないんだけど!〉
〈挨拶なんていいから行くわよ!〉
ミルトより色白で少しだけ背の高いエルフの男の子ノールは、ミーメに腕を強引に引っ張られて行った。他のエルフ達も二人を護るように去って行く。本流の血筋と言っていたが王族という事なのだろうか? 第一印象は最悪だったな。ミーメは人間と何かあったのかもしれない。
〈アルフレッド、すみません。ミーメは悪い子ではないのですが、ちょっと色々ありまして……あの様子だと協力してもらうのは難しそうですね〉
〈何があったの? よかったら聞かせてよ〉
ミーメは何十年も前、街で買い物している時に人間に誘拐されていた。エルフの子供は高い値段で取引されているらしい。腕輪の事を知らない人間だったため、無事に助け出されたそうだ。そんなことがあれば人間を嫌いになってもおかしくない。少しずつ信頼してもらうしかないだろうな。
だけど、トンネル工事とは関係ない。俺が表に出ずにドワーフが行うならなんとかなるのではないだろうか。俺はミルトにそのように説明した。ミルトは申し訳なさそうにしていたが、エルフ全体が人間を嫌っているのは間違いないと教えてくれた。だからエルフの森まで一緒についてくることを決めたみたいだ。
エルフの町の観光とか料理にも興味があったんだけど。この様子だとエルフの国を通過するのは難しそうだな。飛んで行くのがいいかもしれない。
ドワーフがやる気を出してくれたのだから、トンネル工事の目途だけはつけて出発したいな。
あれ? 陸揚げされていた小舟の数が減っている? 河に出る奴はいないはずなのに、巨大ナマズを見ていないのだろうか?
大きな船でも沈められるんだから、小舟なんて沈めてくださいと言ってるようなものなのに!
ミルト達を見つけた。エグザイルエルフと談笑しているが、始めて見る顔だな。仲がよさそうにしているから、ミルトの知り合いなんだろう。ひとりでも協力者を増やしておきたい。他にも十名ほど知らない顔のエグザイルエルフが見える。
念話しているから全部聞こえてくる。巨大なまずの話だな……河が渡れないせいでかなりイライラしているみたいだな。話しかけない方が良さそうだ、ひと段落着くまで待つことにしよう。
話が終わったみたいだ。話しかけてもいいかな。念話の方がいいか。
〈ミルト! ドワーフがトンネル工事に合意してくれたよ! エルフに協力してくれるようにお願いしてよ!〉
〈え! こんなに短時間であの気難しいドワーフを納得させて来たんですか? 相変わらず、アルフレッドのやることは信じれないですね!〉
ミルトと護衛達が驚いている。そういえば、ドワーフは気難しいとミルトが言っていたな。すっかり忘れていた。
〈嘘は言ってないよ! ちゃんと説明してドワーフ全員が賛成したんだから! 信じてよ!〉
〈そういう意味の信じられないではないのですが、反対したドワーフはひとりもいなかったんですか?〉
〈そうだよ! みんな喜んで協力すると言ってくれた!〉
〈それはすごいですね! ちょうどいいですね。こちらは森のエルフでミーメ、こっちがノールでふたりは本流の血筋です。ふたりにも協力してもらいましょう!〉
ミーメとノールは、いきなり協力してもらいたいと言われてキョトンとしている。エグザイルエルフと見分けがつかないが森のエルフだったんだな。エルフは少し肌の色が白いようだ。元は同じエルフだと言っていたから、帆船乗りで日焼けする生活と、木陰がある生活で、肌の色に違いが出たのかな。実は、ただの日焼けだったりして。
〈ミルト! ドワーフがどうのって、私たちに何をさせる気なの? いきなり過ぎて状況が分からないんだけど! 分かるように説明しなさいよ!〉
俺とミルトの念話を聞いていたみたいだな。説明が楽になりそうで助かる。
〈ミーメ、巨大ナマズのせいで船が出せなくなっていますよね〉
早速、ミルトがお願いしてくれるみたいだ。
〈そうね、さっき聞いてどうしたらいいか困っているところよ! 購入してきた物資を届けられないし、いつまでここにいることになるか不安で仕方ないわ! 何か方法があるといいけど!〉
エグザイルエルフとエルフも、〈〈〈心配している〉〉〉と念話が飛び交っている。
〈安全に渡る方法ですが、河の下にトンネルを作ることにドワーフが協力してくれます。そのためには、対岸のエルフの土地にもトンネルを掘る必要があります。そこでミーメとノールにも、この計画のために協力してほしいです!〉
ミルトが完璧な説明を行なってくれた。
〈人間に騙されてはいけないわ! あの気難しいドワーフが人間に協力するはずがないわ! ミルトもそれくらいのこと分かっているはずよ!〉
ミーメは人間の事が嫌いなのだろうか? 嫌な感情が流れ込んでくる。念話は便利だけど、感情のコントロールができないと、今回のように相手に気持ち迄伝わってしまうからな。
〈アルフレッドは信用できるいい人間です。何度も命を助けてもらいました!〉
ミルトが直ぐに反論している。するとミーメが俺を品定めするように見てくる。なんだろうか視線に悪意のようなものまで感じるな。
〈ミルトがそう言うのなら……まあいいわ。ワタシは自分の目で見て判断するから! ノール! 行くわよ!〉
〈ボクまだ、挨拶してないんだけど!〉
〈挨拶なんていいから行くわよ!〉
ミルトより色白で少しだけ背の高いエルフの男の子ノールは、ミーメに腕を強引に引っ張られて行った。他のエルフ達も二人を護るように去って行く。本流の血筋と言っていたが王族という事なのだろうか? 第一印象は最悪だったな。ミーメは人間と何かあったのかもしれない。
〈アルフレッド、すみません。ミーメは悪い子ではないのですが、ちょっと色々ありまして……あの様子だと協力してもらうのは難しそうですね〉
〈何があったの? よかったら聞かせてよ〉
ミーメは何十年も前、街で買い物している時に人間に誘拐されていた。エルフの子供は高い値段で取引されているらしい。腕輪の事を知らない人間だったため、無事に助け出されたそうだ。そんなことがあれば人間を嫌いになってもおかしくない。少しずつ信頼してもらうしかないだろうな。
だけど、トンネル工事とは関係ない。俺が表に出ずにドワーフが行うならなんとかなるのではないだろうか。俺はミルトにそのように説明した。ミルトは申し訳なさそうにしていたが、エルフ全体が人間を嫌っているのは間違いないと教えてくれた。だからエルフの森まで一緒についてくることを決めたみたいだ。
エルフの町の観光とか料理にも興味があったんだけど。この様子だとエルフの国を通過するのは難しそうだな。飛んで行くのがいいかもしれない。
ドワーフがやる気を出してくれたのだから、トンネル工事の目途だけはつけて出発したいな。
あれ? 陸揚げされていた小舟の数が減っている? 河に出る奴はいないはずなのに、巨大ナマズを見ていないのだろうか?
大きな船でも沈められるんだから、小舟なんて沈めてくださいと言ってるようなものなのに!
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