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263.4魔大陸の大河4(対岸に行く方法を考えよう)✔
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魔物がうようよしている河の中に橋脚を作るとか無理そうだ。橋は諦めた方がいいだろう。船は作っても魔物を倒さなければ意味はなさそうだし、何十年かごとに襲われるのも困る。ワイバーンなら運べるかもしれないけど大量輸送は無理だろう。魔大陸だと龍になるのだろうか? 金属や塩を運んでほしいとお願いしたら、ママ龍さんが嫌がりそうだから却下だな。
「ねえミルト、ここは誰の土地になるの?」
「ここですか? ドワーフではないでしょうか、詳しくは知りませんよ」
「河の向こう側は誰の土地なの?」
「河の向こう側の土地ですか? エルフではないでしょうか? 色々な種族が住んでますがあそこからエルフの国ですから!」
「確認する方法ってある? それと土地を購入することはできるの? 河の下の土地とか、地面の下の権利とかどうなっているか分かる?」
立て続けに質問したらミルトが変な顔をしている。
「変なこと聞きますね。土地の購入はできると思いますが、河の下の土地なんて買っても使えないでしょ? 地面の下の権利ですか? 聞いたことがないですが、土地を持っている人に権利があるんじゃないですかね! そんなのわかんないですよ」
「地上権とか地下の利用権とかの法律とかあるのかな?」
「なんですか? 利用権ですか? 土地の権利と違うんですか?」
「合ってるけど、微妙に違うのかな。地下百メートルとかを使う権利とかなんだけど」
「え! いきなりどうしたんですか? どこかにドワーフのための鉱山でも掘るつもりですか?」
「掘るのは合ってるかな。ドワーフに相談してからだけどね。エルフの土地を購入するなら便宜を図ってよ!」
「え! エルフの土地も買う気なんですか? それは難しいと思いますよ。それに人間には売らないでしょうね」
ミルトがかなり驚いている。
「そうだよね。土地を売ると権利を主張されるのは嫌だろうし、変な文化とか入ってきそうだよね。そんなつもりはないんだけど信じてもらえないだろうな」
「アルフレッドのことは信じていますが、エグザイルエルフ達が全員信じていても、森のエルフを納得させるのは簡単ではないですよ!」
護衛のエグザイルエルフ達もミルトの考えにうんうんと頷いている。
「河底から百メートルの位置にトンネルを掘ろうと考えているんだけど! 陸地部分から六パーセントの勾配で道を地面まで作ろうとすると最低でも五キロメートルくらいになりそうなんだ。実際には河底から更に百メートル下だからもっと長い距離になるな。螺旋や折り返しさせれば土地は少なくできるけど、ヤーク車や荷車なんかが旋回するのが大変になるし、ヤーク車が六パーセントの勾配を登れるかな? 荷物積むと下るのですら危険だよね」
「なんですか六パーセントとは?」
「百メートル進むと高さ六メートルになる坂道かな? ヤークで利用することを考えるともっと勾配を緩やかにしないと上がれないだろうね。そうするためにはトンネルの長さが十キロメートルとか必要になりそうだ! これは直ぐには無理だろうね!」
「河の下にトンネルを掘るなんてよくそんなこと考え付きますね!」
ミルトが変な生き物を見つけた時のような顔をしている。いや、周りのエグザイルエルフ達も同じ顔で俺を見ていた。おかしなことは言っていないんだけどな。たまにアルフレッドっておかしなことを考えるよな。とか念話が届く。俺も念話の魔道具していることを忘れているのだろうか? それとも誤って念話しちゃった的な奴だろうか? どちらでもいいが、せめて本人に分からないようにしてほしいな。
トンネルの傾斜道は将来的に整備すればいいか!? まずは河底の下、百メートルにトンネル一キロメートル。河の両端に竪穴と階段を作れば荷物は運べるな。上手くいったらスロープも作ろうかな。でも急こう配だと使えないか。
ここにいてもできることが無さそうだから、ドワーフの町に行ってガンツさんに提案してみよう。図面だけ先に書いておこうかな。
対岸のエルフの了解が取れなかったら作れないから、ミルトに説明するのが先だろうな。
「ねえミルト、ちょっと相談に乗ってよ」
「いいですよ」
俺はエグザイルエルフ達の前にトンネルの図面を置くと、課題や利用者からは使用料を徴収することなども含めて説明を始めた。
「そんなことができるんですか?」
「できると思うけど。工事はドワーフに任せるつもりだからドワーフ次第かな」
「分かりました。ドワーフがやると言うのなら、森のエルフもこのままだと困るので説得してみます!」
「ちょっとガンツさんに説明しに行って来るから!」
俺はウイングスーツに着替えてドワーフの町に向かうことにする。チビとベビはミルトに預けて、露店の食べ物を買い与えてもらうようにお願いした。
ベビもチビも好きなだけ食べていいと言うと嬉しそうにしていた。一緒に行くとごねたりしなかったな。ふたりとも本当にお利口さんなんだよね。だけど、食べ物に負けた気がして少し寂しいのはなぜだろうか。
関門トンネルとかは海底部分が七百八十メートルだけどトンネル長は約三千五百メートルもある。青函トンネルに至っては海底部分が約二十三キロメートル、総延長は約五十四キロメートルにもなる。この距離のトンネルが作れるんだから河底部分が一キロメートルなら作れそうだよね。
ドワーフは器用だし土の精霊と相性がいいと言っていたからなんとかなるでしょ。河底トンネルプロジェクトとかこの世界初だよね。なんか楽しくなってきたぞ。
「ねえミルト、ここは誰の土地になるの?」
「ここですか? ドワーフではないでしょうか、詳しくは知りませんよ」
「河の向こう側は誰の土地なの?」
「河の向こう側の土地ですか? エルフではないでしょうか? 色々な種族が住んでますがあそこからエルフの国ですから!」
「確認する方法ってある? それと土地を購入することはできるの? 河の下の土地とか、地面の下の権利とかどうなっているか分かる?」
立て続けに質問したらミルトが変な顔をしている。
「変なこと聞きますね。土地の購入はできると思いますが、河の下の土地なんて買っても使えないでしょ? 地面の下の権利ですか? 聞いたことがないですが、土地を持っている人に権利があるんじゃないですかね! そんなのわかんないですよ」
「地上権とか地下の利用権とかの法律とかあるのかな?」
「なんですか? 利用権ですか? 土地の権利と違うんですか?」
「合ってるけど、微妙に違うのかな。地下百メートルとかを使う権利とかなんだけど」
「え! いきなりどうしたんですか? どこかにドワーフのための鉱山でも掘るつもりですか?」
「掘るのは合ってるかな。ドワーフに相談してからだけどね。エルフの土地を購入するなら便宜を図ってよ!」
「え! エルフの土地も買う気なんですか? それは難しいと思いますよ。それに人間には売らないでしょうね」
ミルトがかなり驚いている。
「そうだよね。土地を売ると権利を主張されるのは嫌だろうし、変な文化とか入ってきそうだよね。そんなつもりはないんだけど信じてもらえないだろうな」
「アルフレッドのことは信じていますが、エグザイルエルフ達が全員信じていても、森のエルフを納得させるのは簡単ではないですよ!」
護衛のエグザイルエルフ達もミルトの考えにうんうんと頷いている。
「河底から百メートルの位置にトンネルを掘ろうと考えているんだけど! 陸地部分から六パーセントの勾配で道を地面まで作ろうとすると最低でも五キロメートルくらいになりそうなんだ。実際には河底から更に百メートル下だからもっと長い距離になるな。螺旋や折り返しさせれば土地は少なくできるけど、ヤーク車や荷車なんかが旋回するのが大変になるし、ヤーク車が六パーセントの勾配を登れるかな? 荷物積むと下るのですら危険だよね」
「なんですか六パーセントとは?」
「百メートル進むと高さ六メートルになる坂道かな? ヤークで利用することを考えるともっと勾配を緩やかにしないと上がれないだろうね。そうするためにはトンネルの長さが十キロメートルとか必要になりそうだ! これは直ぐには無理だろうね!」
「河の下にトンネルを掘るなんてよくそんなこと考え付きますね!」
ミルトが変な生き物を見つけた時のような顔をしている。いや、周りのエグザイルエルフ達も同じ顔で俺を見ていた。おかしなことは言っていないんだけどな。たまにアルフレッドっておかしなことを考えるよな。とか念話が届く。俺も念話の魔道具していることを忘れているのだろうか? それとも誤って念話しちゃった的な奴だろうか? どちらでもいいが、せめて本人に分からないようにしてほしいな。
トンネルの傾斜道は将来的に整備すればいいか!? まずは河底の下、百メートルにトンネル一キロメートル。河の両端に竪穴と階段を作れば荷物は運べるな。上手くいったらスロープも作ろうかな。でも急こう配だと使えないか。
ここにいてもできることが無さそうだから、ドワーフの町に行ってガンツさんに提案してみよう。図面だけ先に書いておこうかな。
対岸のエルフの了解が取れなかったら作れないから、ミルトに説明するのが先だろうな。
「ねえミルト、ちょっと相談に乗ってよ」
「いいですよ」
俺はエグザイルエルフ達の前にトンネルの図面を置くと、課題や利用者からは使用料を徴収することなども含めて説明を始めた。
「そんなことができるんですか?」
「できると思うけど。工事はドワーフに任せるつもりだからドワーフ次第かな」
「分かりました。ドワーフがやると言うのなら、森のエルフもこのままだと困るので説得してみます!」
「ちょっとガンツさんに説明しに行って来るから!」
俺はウイングスーツに着替えてドワーフの町に向かうことにする。チビとベビはミルトに預けて、露店の食べ物を買い与えてもらうようにお願いした。
ベビもチビも好きなだけ食べていいと言うと嬉しそうにしていた。一緒に行くとごねたりしなかったな。ふたりとも本当にお利口さんなんだよね。だけど、食べ物に負けた気がして少し寂しいのはなぜだろうか。
関門トンネルとかは海底部分が七百八十メートルだけどトンネル長は約三千五百メートルもある。青函トンネルに至っては海底部分が約二十三キロメートル、総延長は約五十四キロメートルにもなる。この距離のトンネルが作れるんだから河底部分が一キロメートルなら作れそうだよね。
ドワーフは器用だし土の精霊と相性がいいと言っていたからなんとかなるでしょ。河底トンネルプロジェクトとかこの世界初だよね。なんか楽しくなってきたぞ。
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