気づいたら周りの皆が僕を溺愛していた。

第2章 少年期

21.誕生日

色々なことが起きたが、とりあえず長い1週間が終了した。ローレンツとテオの険悪さが増したことがこの1週間での1番の問題である。


そんなことはさておき、明日にはノエルの誕生パーティーが控えている。そのため、今日のノエルはいつもより早寝である。


やっと明日が待ちに待ったパーティーだ……!すっごく楽しみだけど早く寝なくちゃね。明日も早いだろうから。

そんなことを頭の片隅で考えながら、ノエルは眠りに着いた。



✿✿✿




そして僕は今、会場前の扉の前でソワソワとしている。


もちろん、既にテオ達は中で席に着いており、一緒に入場するのは僕と、お父様、ルー兄さん、ロイ兄さんのみだ。


続々と人が邸宅へと集待ってきたようで、会場からはまだノエルが耳にした事の無い雑多の声が聞こえてくる。


僕のためにこんなにも沢山の人が集まっていると思うと、すっごく嬉しい。


勿論今日集まった中には、本心でノエルを祝いたいと言う人も居るであろうが、大抵の人々はあまり公に出ないクーレル家一同を見たいと言う興味本位や、あわよくば、と狙っている下衆な貴族が多いであろう。


「旦那様、そろそろ。」

ノエル達のそばに居た従者がそう告げると、中から音楽が流れ始めた。

 すると同時に、扉の両脇に控えていた従者が扉に手をかけた。



ガチャリ。



すると、中からは大きな拍手と歓声が上げられた。


そしてクーレル家一同は、中央に設置された大きな丸型のテーブルへと着席した。



「本日は我が息子であるノエル・クーレルの為にこの場に集まってくれて心より感謝致します。どうぞ、短い会ではありますがお楽しみいただけると幸いです。」


ロイスがそう言い、軽く微笑むとそれを皮切りに、大勢の人々が立ち上がり、挨拶回りをし始めた。