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第2章 少年期
19.1週間
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現在、ノエルとテオは中庭で2人仲良く散歩をしている。
先程までテオと睨み合いをしていたローレンツは、もはや恒例行事の如くイリーナに連れ去られて行った。
流石のローレンツも、イリーナには反抗できないらしく大人しくルーベルトと一緒に引っ張られて行った。
それをいいことに、テオは今現在ノエルを独占している。
案内してもらうということを口実に、テオはノエルの左手を握りしめている。
「でね、あっちにあるのが温室で、イーヴォ師匠……、庭師が育ててくれてるの。」
昔と異なり名前の発音は上手くなったが、”師匠”という敬称は今でも変わっていない。
「そうなんだ、ノエルは花が好きなの?」
「うん!だってお花ってすっごく可愛いでしょ?」
そう言ってにんまりと口角を上げ、くるりと一回転した。
「………………ほんとに可愛い。」
テオはノエルに後ろからきゅっと抱きつくと、ノエルの肩に頭を乗せて耳元で囁いた。
「えへへ…………、ありがと…?」
ノエルははにかみながらそう答えた。
「…………………………はぁ。」
テオは、ノエルの肩に頭を埋めたまま動かなくなった。
「テオ……?どうしたの?」
「なんでもないよ、ノエル大好き。」
そう言ってテオはノエルの左頬に軽くキスを落とした。
「………よし。ノエル、次はどこに連れてってくれるの?」
「ええと………、じゃあ本読んで!僕難しい文字はまだ読めないから……。」
「勿論。ノエルのためならなんだってするよ。」
そう言って2人は図書室へと歩みを進めた。
✿✿✿
「……ロイ、まだ拗ねてんの?いい加減機嫌治しなさいよ。」
先程、イリーナによって強制的にノエル達から引き剥がされたのが気に食わなかったらしく、真顔で木にもたれかかっている。
「………………………ん。」
「そういう所が子供っぽいのよ。ルーを見習ったら?もう完全に諦めて私に付き合おうとしてるじゃない。」
「あぁ………、自分がめんどくさい事自覚してるんだね。」
「だから貴方達しか付き合ってくれる人が居ないんじゃないの。」
普段はイリーナの無茶振りに差程拗ねることは無いが、ノエル絡みのことになるとやはりローレンツも面倒臭いことこの上ない。
「………………絶対後でテオには吐かす。」
「出来れば物理攻撃はやめてあげて。私と違ってあの子は滅茶苦茶貧弱だから。」
「……………………………。」
「無言怖いからやめてもらってもいいかしら?」
「いいよリリ、ちゃんと僕が見張っておくから。」
「本当によく出来たお兄様だ事。」
年上組もテオとノエルを心配はするものの、退屈はしていないようだ。
この後、例の如くイリーナが木登りを初めてランドルフに叱られたのはまた別の話である。
先程までテオと睨み合いをしていたローレンツは、もはや恒例行事の如くイリーナに連れ去られて行った。
流石のローレンツも、イリーナには反抗できないらしく大人しくルーベルトと一緒に引っ張られて行った。
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案内してもらうということを口実に、テオはノエルの左手を握りしめている。
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「うん!だってお花ってすっごく可愛いでしょ?」
そう言ってにんまりと口角を上げ、くるりと一回転した。
「………………ほんとに可愛い。」
テオはノエルに後ろからきゅっと抱きつくと、ノエルの肩に頭を乗せて耳元で囁いた。
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「…………………………はぁ。」
テオは、ノエルの肩に頭を埋めたまま動かなくなった。
「テオ……?どうしたの?」
「なんでもないよ、ノエル大好き。」
そう言ってテオはノエルの左頬に軽くキスを落とした。
「………よし。ノエル、次はどこに連れてってくれるの?」
「ええと………、じゃあ本読んで!僕難しい文字はまだ読めないから……。」
「勿論。ノエルのためならなんだってするよ。」
そう言って2人は図書室へと歩みを進めた。
✿✿✿
「……ロイ、まだ拗ねてんの?いい加減機嫌治しなさいよ。」
先程、イリーナによって強制的にノエル達から引き剥がされたのが気に食わなかったらしく、真顔で木にもたれかかっている。
「………………………ん。」
「そういう所が子供っぽいのよ。ルーを見習ったら?もう完全に諦めて私に付き合おうとしてるじゃない。」
「あぁ………、自分がめんどくさい事自覚してるんだね。」
「だから貴方達しか付き合ってくれる人が居ないんじゃないの。」
普段はイリーナの無茶振りに差程拗ねることは無いが、ノエル絡みのことになるとやはりローレンツも面倒臭いことこの上ない。
「………………絶対後でテオには吐かす。」
「出来れば物理攻撃はやめてあげて。私と違ってあの子は滅茶苦茶貧弱だから。」
「……………………………。」
「無言怖いからやめてもらってもいいかしら?」
「いいよリリ、ちゃんと僕が見張っておくから。」
「本当によく出来たお兄様だ事。」
年上組もテオとノエルを心配はするものの、退屈はしていないようだ。
この後、例の如くイリーナが木登りを初めてランドルフに叱られたのはまた別の話である。
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