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パパたちに見せたい!
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<side昇>
集中して勉強を終えたのは早かったが、そのあとであのファイルに動画と写真を保存し、少しだけ見てみようと思ったのが、誤算だった。
直くんのあまりにも可愛い姿に昂りが止まらない。
鼻血が出そうになるほど興奮してしまい、ベッドに直くんが寝ている近くで処理してしまった。
必死に声を抑えたが、我慢できない声が漏れてバレたかと焦ったりもしつつ、なんとか無事に落ち着きを取り戻した。
綺麗に手を洗って可愛いウサギが寝ているベッドに近づくと、俺があげたクマのぬいぐるみを抱きしめて幸せそうに寝ているのが見えた。
少し暑かったのか、夏用の布団をお腹だけにかけて気持ちよさそうに寝ているのがなんとも可愛い。
俺が抱きしめて寝れば布団もいらないかもしれないな。
そっとベッドに身体を滑りこませて直くんが抱きしめているクマとさっと交換すると、俺をぬいぐるみだと思っているのか、さっきのように嬉しそうに抱きついてきた。
ああ、これでいい。
自分の居場所をとられたとでも思っていそうなクマに、お前は俺が来るまでの繋ぎなんだよと睨みきかせたが、直くんが可愛がってくれているぬいぐるみをそうそう邪険にもできず、仕方なく直くんの反対隣に置いてやった。
直くんの背中越しにぬいぐるみが俺を見ているが、そこにいさせてもらえるだけでもありがたいと思ってもらおうか。
可愛いウサギ直くんを抱きしめて、俺も目を閉じた。
もうすでに下半身は反応しているけれど、ダボダボの着ぐるみズボンだから朝起きてもバレはしないだろう。
そう思っていたけれど、
「ふふ……いい、におぃ……っ」
と可愛らしい寝言にドキッとしてしまった。
まさか、起きてる?
さっきの見られてた?
慌てて起き上がり、直くんを見たけれど、ぐっすり寝ているようだ。
もしかしたら俺のあの匂いが残っていて反応したのかもしれない。
だが、もしそうだとしたらあれをいい匂いだと思ってくれているということだ。
ああ、もう本当に直くんの可愛さにおかしくなりそうだ。
それでも勉強疲れとさっきたっぷりと欲望の蜜を出した疲れも相まって、気づけば興奮のままに俺も寝入ってしまっていた。
「んっ」
何か見られているような視線を感じて目を覚ますと、直くんが嬉しそうに俺の顔を覗き込んでいた。
「直くん、おはよう」
「ふふっ。おはようございます」
「どうした? すごく嬉しそうだね」
「昇さんがクマの姿でぐっすり寝ていたから可愛いなって見てました」
「――っ、それは……恥ずかしいな」
好きな子にこんなこと言われたら、絶対に気があると思ってしまうけれど、直くんの場合はそうじゃないかもしれないってところがあるんだよな。
好きとかそういうのもよくわかっていないしな。
「あの、昇さん」
「んっ?」
「パパとあやちゃんにこのウサギさん、見せたいです」
「あ、ああ。そうだね。そろそろ起きてるかな? 顔洗ってから、リビングに行ってみようか」
「はい!」
ウキウキしているけど、どうだろう?
伯父さんはともかく、絢斗さんは起きてこない気もする。
確か今日は絢斗さんは午前中の授業はなかったはずだし、昨夜あれほど堂々と宣言していたから朝方まで……なんてことも考えられる。
そのことについては夫夫なんだし、仲睦まじい証拠だし、父さんたちも昼まで起きてこないことも多々あったし、気にはしないけれど、直くんのことだけが気になるな。
とりあえず、こっそり伯父さんにメッセージを送っておこう。
<直くんが伯父さんと絢斗さんに見せたいものがあると言っているから、俺が学校に行くまでに少し出てこれないかな?>
これで返事が来なければ、今日の夜にしようと直くんを説得しようか。
なんて思っていると、少し経って伯父さんから端的なメッセージが来た。
<絢斗を抱きかかえてリビングに座らせるから、座らせてからこっちに来るようにしてくれ。座らせたら連絡する>
ああ、なるほど。そういうことか。
<了解!>
何も聞かずに一言だけ返し、メッセージが来るまで洗面所で時間を潰しがてら、俺は着替えを済ませた。
クマを脱いでいると少し寂しそうだったが、このあと学校に出かけるから納得してくれたようだ。
そして、
<いいぞ>
と一言だけのメッセージが届いてようやく直くんを連れてリビングに向かうと、
「――っ!!!」
直視できないほど色気ダダ漏れの絢斗さんが伯父さんと寄り添うように椅子に座っているのが見えた。
わぁ……これほどまでとは思わなかったな。
幸い、直くんからはまだ絢斗さんの様子は見えてないようだ。
俺はできるだけ絢斗さんを見ないようにして、直くんに視線を向けて、一緒にリビングに入った。
「パパ、あやちゃん! 見てください!」
俺の隣からそれこそウサギのように飛び出して、伯父さんと絢斗さんの前にその姿を露わにした直くんはものすごく嬉しそうだ。
「わぁ、直くん! 可愛い!! ウサギさんだね!!」
「昇さんがプレゼントしてくれたんです!!!」
「昇、いいものを選ぶじゃないか。直くんにピッタリだ」
「周防さんにもお墨付きをもらったんで買ってみたんですけど、よく似合ってますよね」
「そうか、将臣くんが。なるほどな」
そういいながら、伯父さんは持っていたスマホで嬉しそうにウサギ直くんの写真を取り出した。
もうすっかり直くんのパパになっているな。
伯父さんのこんな姿を見られるなんて、少し前なら思いもしなかった。
伯父さんも絢斗さんも直くんがきてくれて本当に良かったんだな。
「直くん。後ろ向いて。ああ、可愛いまんまる尻尾! 耳も可愛い!!」
絢斗さんは可愛い直くんに終始ご機嫌で、はしゃいでいるうちにだんだんと色気ダダ漏れも落ち着いていた。
ふぅ。良かった。
集中して勉強を終えたのは早かったが、そのあとであのファイルに動画と写真を保存し、少しだけ見てみようと思ったのが、誤算だった。
直くんのあまりにも可愛い姿に昂りが止まらない。
鼻血が出そうになるほど興奮してしまい、ベッドに直くんが寝ている近くで処理してしまった。
必死に声を抑えたが、我慢できない声が漏れてバレたかと焦ったりもしつつ、なんとか無事に落ち着きを取り戻した。
綺麗に手を洗って可愛いウサギが寝ているベッドに近づくと、俺があげたクマのぬいぐるみを抱きしめて幸せそうに寝ているのが見えた。
少し暑かったのか、夏用の布団をお腹だけにかけて気持ちよさそうに寝ているのがなんとも可愛い。
俺が抱きしめて寝れば布団もいらないかもしれないな。
そっとベッドに身体を滑りこませて直くんが抱きしめているクマとさっと交換すると、俺をぬいぐるみだと思っているのか、さっきのように嬉しそうに抱きついてきた。
ああ、これでいい。
自分の居場所をとられたとでも思っていそうなクマに、お前は俺が来るまでの繋ぎなんだよと睨みきかせたが、直くんが可愛がってくれているぬいぐるみをそうそう邪険にもできず、仕方なく直くんの反対隣に置いてやった。
直くんの背中越しにぬいぐるみが俺を見ているが、そこにいさせてもらえるだけでもありがたいと思ってもらおうか。
可愛いウサギ直くんを抱きしめて、俺も目を閉じた。
もうすでに下半身は反応しているけれど、ダボダボの着ぐるみズボンだから朝起きてもバレはしないだろう。
そう思っていたけれど、
「ふふ……いい、におぃ……っ」
と可愛らしい寝言にドキッとしてしまった。
まさか、起きてる?
さっきの見られてた?
慌てて起き上がり、直くんを見たけれど、ぐっすり寝ているようだ。
もしかしたら俺のあの匂いが残っていて反応したのかもしれない。
だが、もしそうだとしたらあれをいい匂いだと思ってくれているということだ。
ああ、もう本当に直くんの可愛さにおかしくなりそうだ。
それでも勉強疲れとさっきたっぷりと欲望の蜜を出した疲れも相まって、気づけば興奮のままに俺も寝入ってしまっていた。
「んっ」
何か見られているような視線を感じて目を覚ますと、直くんが嬉しそうに俺の顔を覗き込んでいた。
「直くん、おはよう」
「ふふっ。おはようございます」
「どうした? すごく嬉しそうだね」
「昇さんがクマの姿でぐっすり寝ていたから可愛いなって見てました」
「――っ、それは……恥ずかしいな」
好きな子にこんなこと言われたら、絶対に気があると思ってしまうけれど、直くんの場合はそうじゃないかもしれないってところがあるんだよな。
好きとかそういうのもよくわかっていないしな。
「あの、昇さん」
「んっ?」
「パパとあやちゃんにこのウサギさん、見せたいです」
「あ、ああ。そうだね。そろそろ起きてるかな? 顔洗ってから、リビングに行ってみようか」
「はい!」
ウキウキしているけど、どうだろう?
伯父さんはともかく、絢斗さんは起きてこない気もする。
確か今日は絢斗さんは午前中の授業はなかったはずだし、昨夜あれほど堂々と宣言していたから朝方まで……なんてことも考えられる。
そのことについては夫夫なんだし、仲睦まじい証拠だし、父さんたちも昼まで起きてこないことも多々あったし、気にはしないけれど、直くんのことだけが気になるな。
とりあえず、こっそり伯父さんにメッセージを送っておこう。
<直くんが伯父さんと絢斗さんに見せたいものがあると言っているから、俺が学校に行くまでに少し出てこれないかな?>
これで返事が来なければ、今日の夜にしようと直くんを説得しようか。
なんて思っていると、少し経って伯父さんから端的なメッセージが来た。
<絢斗を抱きかかえてリビングに座らせるから、座らせてからこっちに来るようにしてくれ。座らせたら連絡する>
ああ、なるほど。そういうことか。
<了解!>
何も聞かずに一言だけ返し、メッセージが来るまで洗面所で時間を潰しがてら、俺は着替えを済ませた。
クマを脱いでいると少し寂しそうだったが、このあと学校に出かけるから納得してくれたようだ。
そして、
<いいぞ>
と一言だけのメッセージが届いてようやく直くんを連れてリビングに向かうと、
「――っ!!!」
直視できないほど色気ダダ漏れの絢斗さんが伯父さんと寄り添うように椅子に座っているのが見えた。
わぁ……これほどまでとは思わなかったな。
幸い、直くんからはまだ絢斗さんの様子は見えてないようだ。
俺はできるだけ絢斗さんを見ないようにして、直くんに視線を向けて、一緒にリビングに入った。
「パパ、あやちゃん! 見てください!」
俺の隣からそれこそウサギのように飛び出して、伯父さんと絢斗さんの前にその姿を露わにした直くんはものすごく嬉しそうだ。
「わぁ、直くん! 可愛い!! ウサギさんだね!!」
「昇さんがプレゼントしてくれたんです!!!」
「昇、いいものを選ぶじゃないか。直くんにピッタリだ」
「周防さんにもお墨付きをもらったんで買ってみたんですけど、よく似合ってますよね」
「そうか、将臣くんが。なるほどな」
そういいながら、伯父さんは持っていたスマホで嬉しそうにウサギ直くんの写真を取り出した。
もうすっかり直くんのパパになっているな。
伯父さんのこんな姿を見られるなんて、少し前なら思いもしなかった。
伯父さんも絢斗さんも直くんがきてくれて本当に良かったんだな。
「直くん。後ろ向いて。ああ、可愛いまんまる尻尾! 耳も可愛い!!」
絢斗さんは可愛い直くんに終始ご機嫌で、はしゃいでいるうちにだんだんと色気ダダ漏れも落ち着いていた。
ふぅ。良かった。
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