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番外編
同窓会※<後編>
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しばらく染谷たちと喋り、莉斗がお腹が空いてきたというから莉斗の好きそうなものを皿にとり楽しい時間を過ごしていると、
「四ノ宮ーっ! おっ、やっぱり青葉もいるじゃん!」
少し離れた場所から俺たちの姿を見かけて男たちが駆け寄ってきた。声を聞いて、あいつらかとゲンナリする。
もう受付時間も終わっただろうし、今日は来てないとホッとしていたのに。
ニヤニヤとした顔で近づいてきたのは、東原と川谷。どちらも莉斗に好意を持っていた奴らだ。こいつらは高校時代はかなりの陰キャで萎縮しまくってて俺たちに近づくこともなかったから見逃しておいてやってたのに、大人になって態度がデカくなったようだな。莉斗に会うってことで意識してきたのか、そこそこ値段のしそうなスーツと時計を身につけているが、残念。莉斗はそんなこと、何も気にしないんだよ。
そんなことも知らずに、莉斗に近づいてニヤついた顔で声をかけている。
「青葉、相変わらず可愛い顔してるな」
「えっと、誰だっけ?」
やっぱりな。莉斗がこいつらを記憶しているはずがない。だって、俺がこいつらが近づこうとしていたのを排除していたからな。だが、東原たちは莉斗に覚えてもらえてなかったことがショックだったようだ。
「はぁ? ひどいな、東原だよ。こっちは川谷。体育の時一緒のバスケチームだったこともあっただろう?」
必死に莉斗の記憶を呼び起こそうとしているが、そんな微々たること覚えているはずがないだろう。
「東原と、川谷? そうなんだ、ごめん。あんまり覚えてなくて」
「まぁいいけどさ。それでお前ら、結婚したって本当か?」
「ああ。そうだよ。ねっ、湊介」
莉斗は嬉しそうに隣に立つ俺を見上げる。その表情は無意識なんだろうが、可愛くてたまらない。
「ま、マジかよ。うぇー、じゃあ青葉は四ノ宮に挿入られて、気持ちよくなっちゃったりしてるわけ?」
「――っ!!」
「その顔、図星かよー。まぁ、四ノ宮はデカそうだもんな。じゃあ、デカいので奥までゴリゴリされてよがってるわけか。なぁ、俺さぁ、結構デカいって言われるんだよ。多分四ノ宮よりデカくて青葉を満足させてやれるから、俺と試してみないか? 気持ちよくなれるぜ」
「うっ!」
「莉斗!」
東原の言葉にみるみるうちに表情が青褪めていく莉斗を急いで抱きしめるが、莉斗はよほど気持ちが悪かったのかそのまま意識を失ってしまった。
「な、なんだよ。想像して欲しくなったのか?」
こんな状態の莉斗をみてもなお、軽口を叩いてくる東原にムカついて仕方がない。
「おい!」
「な、なんだよ」
「その自慢のブツを一生使えないようにしてやろうか?」
「ひぃ――っ!!」
思いっきり蹴り上げた足を股間スレスレで止めてやると、東原は膝から崩れ落ちその場に水溜りを作っていた。
小心者のくせに調子乗りやがって、莉斗を傷つけてこれだけで許すつもりはないが今は莉斗をこの場から離した方がいい。
「河口!」
「あ、四ノ宮くん。ごめん、今東原くんたちが勝手に――って、青葉くん、どうしたの?」
「その東原たちに傷つけられて失神した」
「えっ! 本当に?」
「ああ。だから帰るよ」
「ごめんなさい……私がしっかり把握してなかったから……」
「いや、河口のせいじゃない。とりあえずあとは任せるよ」
それだけ言って俺は足早に駐車場に向かい、莉斗を車に乗せて自宅に帰った。
自宅に戻り、すべての服を脱ぎ捨てて莉斗と裸でベッドに潜り込む。
肌と肌をピッタリと合わせて抱きしめていると、
「んっ……」
莉斗の頬に赤みがさして、ゆっくりと瞼が開いた。
「そ、うすけ?」
「ああ。そうだよ」
「あれ? なんで、ここ?」
「何も気にしないで愛し合おう」
「んっ……ん」
莉斗が嫌なことを思い出す前に、甘く深いキスを与え、そのまま最奥に入り込んで愛し合う。
「ああっ、そ、うすけぇ……きもち、いぃ……っ!!」
「莉斗っ、ああっ、愛してる!!」
何度目かの律動の後、俺は莉斗の中に欲望の蜜を注ぎ込んだ。
たっぷりと俺の愛を伝えてから、抱きかかえたまま風呂場に向かう。
「莉斗、身体キツくないか?」
「湊介……ありがとう。いつもいっぱい愛されて嬉しいよ。ごめんね、心配かけて」
「思い出したのか?」
「うん。でもあいつに言われてつくづく思ったんだ。俺は男が好きなんじゃなくて、湊介が好きなんだって。だから、他のやつのモノを受け入れるなんて気持ち悪くてできないよ」
「ああ。俺もだよ。莉斗以外にはもう勃ちもしないからな」
「ははっ。じゃあ、俺がずっと可愛がってやらないとな」
「ああ。頼むよ」
莉斗の可愛い笑顔にホッとしながら、俺たちは風呂場でも愛し合った。
莉斗はそれ以来、俺の息子が自分だけのものだと認識したようで今まで以上にたっぷりと愛してくれるようになった。
それはそれで最高だが、それでもあいつを許すわけにはいかない。
さて、どんな報復をしてやろうか……。楽しみだな。
* * *
いつも読んでいただきありがとうございます!
これで同窓会編完結ですが、後でおまけを書こうかと思っていますのでどうぞお楽しみに♡
「四ノ宮ーっ! おっ、やっぱり青葉もいるじゃん!」
少し離れた場所から俺たちの姿を見かけて男たちが駆け寄ってきた。声を聞いて、あいつらかとゲンナリする。
もう受付時間も終わっただろうし、今日は来てないとホッとしていたのに。
ニヤニヤとした顔で近づいてきたのは、東原と川谷。どちらも莉斗に好意を持っていた奴らだ。こいつらは高校時代はかなりの陰キャで萎縮しまくってて俺たちに近づくこともなかったから見逃しておいてやってたのに、大人になって態度がデカくなったようだな。莉斗に会うってことで意識してきたのか、そこそこ値段のしそうなスーツと時計を身につけているが、残念。莉斗はそんなこと、何も気にしないんだよ。
そんなことも知らずに、莉斗に近づいてニヤついた顔で声をかけている。
「青葉、相変わらず可愛い顔してるな」
「えっと、誰だっけ?」
やっぱりな。莉斗がこいつらを記憶しているはずがない。だって、俺がこいつらが近づこうとしていたのを排除していたからな。だが、東原たちは莉斗に覚えてもらえてなかったことがショックだったようだ。
「はぁ? ひどいな、東原だよ。こっちは川谷。体育の時一緒のバスケチームだったこともあっただろう?」
必死に莉斗の記憶を呼び起こそうとしているが、そんな微々たること覚えているはずがないだろう。
「東原と、川谷? そうなんだ、ごめん。あんまり覚えてなくて」
「まぁいいけどさ。それでお前ら、結婚したって本当か?」
「ああ。そうだよ。ねっ、湊介」
莉斗は嬉しそうに隣に立つ俺を見上げる。その表情は無意識なんだろうが、可愛くてたまらない。
「ま、マジかよ。うぇー、じゃあ青葉は四ノ宮に挿入られて、気持ちよくなっちゃったりしてるわけ?」
「――っ!!」
「その顔、図星かよー。まぁ、四ノ宮はデカそうだもんな。じゃあ、デカいので奥までゴリゴリされてよがってるわけか。なぁ、俺さぁ、結構デカいって言われるんだよ。多分四ノ宮よりデカくて青葉を満足させてやれるから、俺と試してみないか? 気持ちよくなれるぜ」
「うっ!」
「莉斗!」
東原の言葉にみるみるうちに表情が青褪めていく莉斗を急いで抱きしめるが、莉斗はよほど気持ちが悪かったのかそのまま意識を失ってしまった。
「な、なんだよ。想像して欲しくなったのか?」
こんな状態の莉斗をみてもなお、軽口を叩いてくる東原にムカついて仕方がない。
「おい!」
「な、なんだよ」
「その自慢のブツを一生使えないようにしてやろうか?」
「ひぃ――っ!!」
思いっきり蹴り上げた足を股間スレスレで止めてやると、東原は膝から崩れ落ちその場に水溜りを作っていた。
小心者のくせに調子乗りやがって、莉斗を傷つけてこれだけで許すつもりはないが今は莉斗をこの場から離した方がいい。
「河口!」
「あ、四ノ宮くん。ごめん、今東原くんたちが勝手に――って、青葉くん、どうしたの?」
「その東原たちに傷つけられて失神した」
「えっ! 本当に?」
「ああ。だから帰るよ」
「ごめんなさい……私がしっかり把握してなかったから……」
「いや、河口のせいじゃない。とりあえずあとは任せるよ」
それだけ言って俺は足早に駐車場に向かい、莉斗を車に乗せて自宅に帰った。
自宅に戻り、すべての服を脱ぎ捨てて莉斗と裸でベッドに潜り込む。
肌と肌をピッタリと合わせて抱きしめていると、
「んっ……」
莉斗の頬に赤みがさして、ゆっくりと瞼が開いた。
「そ、うすけ?」
「ああ。そうだよ」
「あれ? なんで、ここ?」
「何も気にしないで愛し合おう」
「んっ……ん」
莉斗が嫌なことを思い出す前に、甘く深いキスを与え、そのまま最奥に入り込んで愛し合う。
「ああっ、そ、うすけぇ……きもち、いぃ……っ!!」
「莉斗っ、ああっ、愛してる!!」
何度目かの律動の後、俺は莉斗の中に欲望の蜜を注ぎ込んだ。
たっぷりと俺の愛を伝えてから、抱きかかえたまま風呂場に向かう。
「莉斗、身体キツくないか?」
「湊介……ありがとう。いつもいっぱい愛されて嬉しいよ。ごめんね、心配かけて」
「思い出したのか?」
「うん。でもあいつに言われてつくづく思ったんだ。俺は男が好きなんじゃなくて、湊介が好きなんだって。だから、他のやつのモノを受け入れるなんて気持ち悪くてできないよ」
「ああ。俺もだよ。莉斗以外にはもう勃ちもしないからな」
「ははっ。じゃあ、俺がずっと可愛がってやらないとな」
「ああ。頼むよ」
莉斗の可愛い笑顔にホッとしながら、俺たちは風呂場でも愛し合った。
莉斗はそれ以来、俺の息子が自分だけのものだと認識したようで今まで以上にたっぷりと愛してくれるようになった。
それはそれで最高だが、それでもあいつを許すわけにはいかない。
さて、どんな報復をしてやろうか……。楽しみだな。
* * *
いつも読んでいただきありがとうございます!
これで同窓会編完結ですが、後でおまけを書こうかと思っていますのでどうぞお楽しみに♡
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