上 下
64 / 76

人生最高の日

しおりを挟む
<sideセオドア>

優しくする。
そう思っていたのに、どこでどうなってしまったのか……。

マモルと身体の奥まで愛し合い、欲望の蜜をマモルの中に吐き出し、満足して引き抜いた瞬間、ぽっかりと私の形に空いたマモルの後孔から蜜が垂れるのを見て、理性が飛んでしまったのだ。

そのまま間髪入れずに己の昂りを突き入れて、マモルの中に欲望を吐き出す。
意識を失ったマモルに気づいて身体を清めに行ったが、中に吐き出した蜜を掻き出す間のマモルの可愛らしい喘ぎにまた興奮した私は、風呂場でも再び愛を交わした。

綺麗に整った寝室に戻り、裸のままのマモルを真っ白なシーツに寝かせただけでまた興奮が甦る。
眠ったまま意識のないマモルを後ろから抱きしめ後孔に昂りを押し込むと、複数回の情交にとろとろに蕩けたマモルの中がキューキューと吸い付いてくる。

そのあまりの気持ちよさにもうすっかり箍が外れて、マモルの全身に赤い花を散らした。
気づけば、色白の肌に赤い花が咲き乱れマモルの果実から溢れた蜜でキラキラと光っていた。

ぐったりと横たわるマモルを急いで抱き上げ、また風呂場で身体を清める。
こんなにもぐったりとしているマモルに申し訳ないと思いつつも、己の昂りを止めることができず、またマモルの中に突き入れた。

欲望を注ぎ込んだ瞬間、風呂場の鏡に映る自分の姿にケダモノのような一面を見て、一気に我に返った。

急いで引き抜き、私の欲望の蜜で汚したマモルの中を清め、再度整えられたベッドに寝かせる。
裸のマモルに触れればまた我慢ができなくなると思い、今度は夜着を着せた。

ローマンが用意してくれていた薬と水を口に含み、マモルに飲ませて寝かせていたが、しばらくしてマモルの身体が熱いことに気づいた。

呼吸も荒く苦しげだ。

ああ、私が無理をさせたからだろう。
こんな小さな身体に私はなんていうことをしてしまったのだろう。

後悔しても遅い。
私は急いでローマンを呼び、メイソンを呼ぶように指示を出した。

ローマンは静かに受け入れたものの、その表情には怒りの色が見えた。
理由はわかっている。
私が愚かだったからだ。

メイソンがマモルを診察してくれたが、その表情にもやはり怒りの色が見えた。

だが、それは全て受け入れる。
全ては私の責任だから。
だから早くマモルを楽にしてやってくれ。

情交どころか、今日精通させてやったことを告げると、メイソンもローマンも鬼の形相で私を見た。

『そんなお方にこれほどの無体をなさったのですか? セオドアさま、どうなさったのです。いつものセオドアさまとは違うお方のようですよ』

『私も自分で自分を押さえられないのだ。優しくしようと思っていたが、マモルを抱けば抱くほどもっと愛したくてたまらなくなる。もっと繋がっていたくなるんだ』

『セオドアさま……それほどまでにこのお方のことをお思いなのですね。そのお気持ちはよく分かりましたが、このままずっと欲望をぶつけていけば、いつかこの小さなお方は壊れてしまいますよ』

『――っ!! マモルが……っ』

『はい。そうなれば、セオドアさまは愛しいお方を失うことになりかねません。ですからもう少しだけ節度を持って――』
『せ、おどあ……』

メイソンの言葉にかぶさるように、弱々しい声が私の耳に飛び込んできた。

『ああっ、マモル! 目が覚めたのか? 悪い、私のせいでマモルを辛い目に遭わせてしまった』

謝罪しながらマモルを抱きしめればまだ身体が熱い。

『身体は辛くないか? どこか痛いところはないか?』

『せお、どあ……ぼく、は……しあわせ、だよ……だ、から……あや、まらないで……っ』

『――っ!! マモルっ!! ああ、もう……どうしてマモルはこんなに……っ』

身体も辛いだろうに、私にそんな優しい言葉をかけてくれるなんて……。
私はマモルにこの気持ちをどう伝えればいいのだろう。

『せ、おどあ……ぼくは、こわれてもいい……だから、もう、あいさないなんて、いわないで……』

『ああっ、マモル!!』

メイソンの話を聞いていたのだろう。
それで必死に私に思いを伝えてくれるなんて……マモルの気持ちが嬉しくてたまらない。
私はこんなにもマモルに愛されているのだ。

『セオドアさま。出過ぎたことを申しましたようで申し訳ありません。マモルさまのお気持ちもよく分かりました。ただ、マモルさまのお身体との体格差があるのは事実でございます。愛し合うのは構いませんがもう少しだけ手加減をなさるようにお気をつけください』

『ああ、メイソンもローマンも心配をかけてすまない。私はマモルに愛されているのか不安だったのかもしれない。だが、もう大丈夫だ。これからは無理をさせないと誓うよ』

『旦那さま……お分かりいただけて何よりでございます。旦那さまがこんなにも素晴らしいご伴侶さまに巡り合われたことをとても嬉しく思います』

『ローマン……私も最高に幸せだ』

腕の中のマモルが可愛らしい笑顔を見せてくれる。
今日は私の人生で最高の日になったな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

あなたの子ですが、内緒で育てます

椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」  突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。  夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。  私は強くなることを決意する。 「この子は私が育てます!」  お腹にいる子供は王の子。  王の子だけが不思議な力を持つ。  私は育った子供を連れて王宮へ戻る。  ――そして、私を追い出したことを後悔してください。 ※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ ※他サイト様でも掲載しております。 ※hotランキング1位&エールありがとうございます!

イケメン王子四兄弟に捕まって、女にされました。

天災
BL
 イケメン王子四兄弟に捕まりました。  僕は、女にされました。

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

モブ男子ですが、生徒会長の一軍イケメンに捕まったもんで

天災
BL
 モブ男子なのに…

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

処理中です...