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欲望との戦い※

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平松くんのところにタオルを持って行ったときに自宅の風呂のスイッチを入れておいたから、もうできているはずだ。

「お風呂はもうできてるから入ってて。私はさっと店を片付けてくるから」

そう声をかけて、すぐに平松くんから離れたのは、さっさと片付けを終わらせて平松くんとの時間を過ごすためというのはもちろんあるが、私がいない方が風呂場で可愛い姿を見せてくれるかもしれないという邪な気持ちもあったからだ。

だが、平松くんたちがいた個室と厨房を片付けながら、以前

――湯船の中で眠りかけてて……

と話していたことを思い出した。

今日は泡盛も飲んでいたし、もしかしたら湯船に浸かったまま眠っているかもしれないという嫌な予感がして急いで自宅に戻った。

バタバタとバスルームに直行しようとして、私の視界の隅に入ってきたのは、ソファーにうつ伏せに横たわる平松くんの姿。

「――っ、平松くん!」

のぼせたのか、それとも酒を飲んだ後で風呂に入ったから体調を崩したのか……。
ああ、一人になんてしなければよかった。
自分の浅はかさを呪いながら駆け寄ると、

「んっ……ふふっ、や、ひろさん……っ、いい、におい……」

なんの夢を見ているのか、幸せそうに私の名前を呼びながら眠っていた。

大事には至らなかったことにホッとしつつも、冷静になった私に平松くんのとんでもない姿が目に飛び込んでくる。

「――っ、これは……私の、シャツ……」

今日の午前中、汗をかいたから着替えて後でまとめて洗おうと洗濯機の上に畳んで置いていたものだ。
でもなんで平松くんがこれを?

どうしてこんなことになっているのか、考えようとしてもなかなか考えがまとまらないのは、平松くんが私のシャツしか着ていないからだ。
シャツからはスラリと長い綺麗な足が見えて、私の興奮をそそる。

「んんっ……」

「あぶない――っ」

平松くんの可愛い姿に見入っていると、ソファーの上でうつ伏せから足を動かして横向きに寝相を変えた平松くんがソファーから落ちそうになって慌てて抱き留めた。

落ちなくてホッとしたのも束の間、足を上げた拍子にシャツが捲れ上がって下着が丸見えになってしまって小さくて引き締まった尻が私の目を奪う。

下着の上からとはいえ、勝手に触ってはいけないよな。
だが、見るだけならいいだろう。

映像では裸を見たことがあるが、下着姿をこんなふうに晒されるとこれはこれで興奮してしまうものだ。

ああ、このお尻……私の手にすっぽりと収まりそうだな。

触れたい衝動を必死に抑えていると、平松くんがそれに気づいたように

「んん……っん」

と声をあげながら、今度は仰向けに横たわる。

「くっ――!!」

捲れたシャツから下着が見えるのは変わらないが、今度はぷっくりとした膨らみが見える。

ああ、もうこんな可愛いものを私の前に晒すなんて……。
今すぐにでもその膨らみに触れたい。
中を見たい。そして……

いや、まだだめだ!

己の中に湧き上がった欲望を必死に抑えて、私は捲れあがったシャツを下ろし、平松くんを抱きかかえた。
そしてそのまま寝室に連れて行き、ベッドに寝かせた。

これ以上艶かしい姿が見えないように布団をかけ、私は急いでバスルームに向かった。

「いたたっ……」

限界まで昂ったそれが下着とズボンを押し上げて、とんでもないことになっている。
急いで前を寛げてやると、自分でも引くほどに昂ったモノが飛び出してきた。

平松くんのあんな可愛い姿を目の当たりにしたんだ。
こうなるのも無理はない。

すぐに浴室に入り、風呂場用のタブレットで保存していたお宝映像を流しながら、己の欲を放出した。
一度では到底治まりがつかず、結局三度ほど出してから髪と身体を綺麗に洗い流し、すべての寝支度を整えて寝室に向かった。

布団を飛ばして、またあの可愛い姿を晒していたらどうしようかと思ったが、平松くんは布団をかけたまま大人しく眠ってくれていてホッとする。

だけど明日、起きて自分の姿を見たら驚くだろうな。

まぁ、私がこれだけ焦らされたんだ。
平松くんも少しくらい焦ってもらおうか。

そう思いながら、平松くんの横に身体を滑り込ませて眠りについた。
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