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彼を落とすために
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店で出す米にはこだわっていて、選りすぐりの甘くて美味しい米だが、いつも以上に美味しく感じるのはきっと平松くんの唇についていたからだろう。
平松くんがこれでどんな反応をするか知るためにも、ここで私の気持ちを告げるにはまだ早すぎる。
そう判断した私は、
「ふふっ。ご飯、いい硬さだったね。よかったよ」
とわざとはぐらかして告げると、
「あ、ああ。そう、ですね……」
と納得したように笑顔を見せてくれた。
どうやら本当に私が米の硬さを調べたと思ったのだろう。
本当に素直というか純粋というか、可愛いとしか言いようがない。
終始美味しそうに朝食を食べてくれて、満足した彼に部屋のことを尋ねると、元々違う人が入る予定だったと教えてくれた。
まぁ、そうだろうな。
ヘッドハンティングしてすぐに揃えたにしては物が揃い過ぎている。
いくら倉橋くんといえども、一日二日では厳しいところもあるだろう。
だとすればここは藤乃くんの部屋になるはずだったのか。
砂川さんが面接に選ぶ時点でほぼ採用となるはずだから、それならここまで揃っていても納得がいく。
「八尋さんもご存知なんですね? その、社長と藤乃くんのこと……」
少し言いにくそうに尋ねる平松くんに、わざと二人の仲を強調するように
「ああ、彼が西表にきた日から知ってるよ。あの二人の相思相愛っぷりは」
と言ってやった。
まだ彼に気持ちが残っているのなら、何か反応があるはずだと思ったが、平松くんはそこに全く反応せず藤乃くんが元気かどうかを尋ねてきた。
その声に恋愛感情のようなものは感じられなかった。
倉橋くんから彼らが元同僚だと聞いてはいたが、あえて藤乃くんとの関係を尋ねると、素直に同僚だと教えてくれた。
その上で、ここで働けるのは倉橋くんのおかげだと笑顔を見せたのだ。
やっぱり平松くんが抱いていた藤乃くんへの想いは、恋愛感情ではなく、庇護欲のようなものだったのかもしれない。
平松くんこそ守られる存在であるけれど、藤乃くんはそれを上回るものがある。
それを勘違いしたのかもしれないな。
「お、僕……今まで雑用ばっかりで、なんのスキルも持ってなくて……優秀だった藤乃くんと比べて役に立てるかわからないんですけど、そんな僕を雇ってもらえて感謝してます」
確かに倉橋くんだけでなく、砂川さんも藤乃くんの優秀さには一目置いていた節がある。
それでも平松くんが自分から卑屈になってしまう必要などどこにもない。
倉橋くんの性格を考えるといくら藤乃くんを守っていたからと言って、自分の会社に必要のない人間を雇ったりは絶対にしない人間だ。
それは断言できる。
「彼が平松くんをここまで呼んで、家も提供してくれるってことは、ちゃんと君の能力を見抜いて期待してるってことじゃないのかな?」
倉橋くんの性格も織り交ぜつつ、そう話してやると平松くんは目を潤ませた。
「新しい会社に入るときにはみんな緊張するものだけど、スタートはみんな同じだから。今までのことは忘れて、一からやる気になればいいんだよ。平松くんはそれができる人だと思うよ」
背中を押してあげたくてさらに言葉を続けると、平松くんは何かを思い出したかのように大きく頷いてみせた。
初日だから気楽にやればいいと安心させながら、気になっていたことを付け加えておいた。
「わざわざ言い直さなくても、俺でいいよ。私は会社の人間でもないし、平松くんとは気楽に付き合いたいから」
その言葉に彼は少し顔を赤らめたが、
「俺も……八尋さんと気楽に話せるの、嬉しいです」
と言ってくれた。
これでいい。
素の表情を見せてくれた方が距離は縮まりやすいからな。
「会社まで送って行こうか?」
そう声をかけたけれど、どうやら名嘉村くんが迎えにきてくれるらしい。
なるほど。
さっき
――すみません。まだ支度できてなくて……
と言いながら出てきたのはそれが理由だったか。
出迎えようとした相手が名嘉村くんだったことに少しほっとしたが、あの姿は名嘉村くんにだって見せたくない。
本当に私でよかった。
名嘉村くんが迎えにきてくれるというのに、無理に押し通すのは良くない。
引き際が肝心だ。
それに何より、これから私が送れるように約束を取り付ければいいんだ。
「あの、お弁当……ありがとうございました」
と朝食のお礼を言ってくれる平松くんに、
「私の家ならもっと手の込んだものも食べさせてあげられるから、夜だけじゃなく、朝も来てもらって構わないよ」
というと、さすがに遠慮していたが、迷惑じゃないから来てほしいというと、納得してくれたように見えた。
よし。
今のところはこれでいい。
見送ってくれる平松くんに手を振って平松くん家を後にした。
帰りながらも私の頭の中に甦るのは、出迎えてくれた時の可愛い姿。
本当に映像で残せなかったのが勿体無いくらいの可愛かった。
私にだけはいつだってあんな無防備な姿を晒してくれていいよ。
そう願いながら、自宅に戻った。
さて、平松くんの胃袋を掴むためにも今度は昼食を作ろうか。
数ある弁当箱の中から保温機能付きの三段重ねのものを取り出す。
うちにある弁当箱のほとんどは倉橋くんが開発し、その試作品としてもらったものだ。
食材を採りに出かけるときに昼食を持って出かけることもあるから、かなり重宝している。
店で出すように炊いておいたジューシーともずくスープ、そして、おかずは何にしようか。
若い子だから肉系は必要だな。
柔らかく煮込んだ肉巻きは入れておこう。
味が染み込んでいるから食欲をそそるだろう。
色合いも考えながらお弁当を作り終えたころ、玄関ベルが鳴る音が聞こえて、インターフォン越しに対応すると
「砂川です。お届け物をお持ちしました」
と朝から爽やかな声が聞こえてきた。
安慶名さんや松川くんから何か預かってきたのだろうか? と思いながら、急いで玄関に向かうと、幸せそのものといった表情で迎えられた。
昨日は安慶名さんとの夜を過ごしたんだからそれも当然か。
「おはようございます、お早いお帰りですね。てっきりお昼ごろの船だとばかり思ってましたよ」
「ええ。でもちょっと平松くんの様子が気になってしまって。昨夜は名嘉村くんとお店にお邪魔したでしょう?」
「はい。すっかり仲良くなっていましたよ。三時間ほど喋っていたようですから」
「えっ? そんなに? それなら安心しました」
「それよりも昨夜、変な輩が店に来て彼らを怖がらせてしまって……」
おそらく安慶名さんから聞いているかもしれないが報告は必要だろう。
「少し伊織さんから伺いました。もう伊織さんと社長が動いていますからその件については大丈夫ですよ」
「はい。昨夜倉橋くんからもメッセージが来てましたよ。助かります」
「それならよかったです。あっ、これ松川さんから八尋さんへの贈り物です」
「えっ? 贈り物? なんですか?」
「中身は伺っていないですが、すぐに必要になるものだとおっしゃってましたよ」
「すぐに、必要?」
「はい。あとでご確認くださいね。それでは私は失礼します」
「あっ、ちょっと待ってください」
私が持って行こうかと思ったが、砂川さんに持っていってもらうのも良いかもしれない。
そう思った私は急いで平松くんのための弁当を取りに戻った。
平松くんがこれでどんな反応をするか知るためにも、ここで私の気持ちを告げるにはまだ早すぎる。
そう判断した私は、
「ふふっ。ご飯、いい硬さだったね。よかったよ」
とわざとはぐらかして告げると、
「あ、ああ。そう、ですね……」
と納得したように笑顔を見せてくれた。
どうやら本当に私が米の硬さを調べたと思ったのだろう。
本当に素直というか純粋というか、可愛いとしか言いようがない。
終始美味しそうに朝食を食べてくれて、満足した彼に部屋のことを尋ねると、元々違う人が入る予定だったと教えてくれた。
まぁ、そうだろうな。
ヘッドハンティングしてすぐに揃えたにしては物が揃い過ぎている。
いくら倉橋くんといえども、一日二日では厳しいところもあるだろう。
だとすればここは藤乃くんの部屋になるはずだったのか。
砂川さんが面接に選ぶ時点でほぼ採用となるはずだから、それならここまで揃っていても納得がいく。
「八尋さんもご存知なんですね? その、社長と藤乃くんのこと……」
少し言いにくそうに尋ねる平松くんに、わざと二人の仲を強調するように
「ああ、彼が西表にきた日から知ってるよ。あの二人の相思相愛っぷりは」
と言ってやった。
まだ彼に気持ちが残っているのなら、何か反応があるはずだと思ったが、平松くんはそこに全く反応せず藤乃くんが元気かどうかを尋ねてきた。
その声に恋愛感情のようなものは感じられなかった。
倉橋くんから彼らが元同僚だと聞いてはいたが、あえて藤乃くんとの関係を尋ねると、素直に同僚だと教えてくれた。
その上で、ここで働けるのは倉橋くんのおかげだと笑顔を見せたのだ。
やっぱり平松くんが抱いていた藤乃くんへの想いは、恋愛感情ではなく、庇護欲のようなものだったのかもしれない。
平松くんこそ守られる存在であるけれど、藤乃くんはそれを上回るものがある。
それを勘違いしたのかもしれないな。
「お、僕……今まで雑用ばっかりで、なんのスキルも持ってなくて……優秀だった藤乃くんと比べて役に立てるかわからないんですけど、そんな僕を雇ってもらえて感謝してます」
確かに倉橋くんだけでなく、砂川さんも藤乃くんの優秀さには一目置いていた節がある。
それでも平松くんが自分から卑屈になってしまう必要などどこにもない。
倉橋くんの性格を考えるといくら藤乃くんを守っていたからと言って、自分の会社に必要のない人間を雇ったりは絶対にしない人間だ。
それは断言できる。
「彼が平松くんをここまで呼んで、家も提供してくれるってことは、ちゃんと君の能力を見抜いて期待してるってことじゃないのかな?」
倉橋くんの性格も織り交ぜつつ、そう話してやると平松くんは目を潤ませた。
「新しい会社に入るときにはみんな緊張するものだけど、スタートはみんな同じだから。今までのことは忘れて、一からやる気になればいいんだよ。平松くんはそれができる人だと思うよ」
背中を押してあげたくてさらに言葉を続けると、平松くんは何かを思い出したかのように大きく頷いてみせた。
初日だから気楽にやればいいと安心させながら、気になっていたことを付け加えておいた。
「わざわざ言い直さなくても、俺でいいよ。私は会社の人間でもないし、平松くんとは気楽に付き合いたいから」
その言葉に彼は少し顔を赤らめたが、
「俺も……八尋さんと気楽に話せるの、嬉しいです」
と言ってくれた。
これでいい。
素の表情を見せてくれた方が距離は縮まりやすいからな。
「会社まで送って行こうか?」
そう声をかけたけれど、どうやら名嘉村くんが迎えにきてくれるらしい。
なるほど。
さっき
――すみません。まだ支度できてなくて……
と言いながら出てきたのはそれが理由だったか。
出迎えようとした相手が名嘉村くんだったことに少しほっとしたが、あの姿は名嘉村くんにだって見せたくない。
本当に私でよかった。
名嘉村くんが迎えにきてくれるというのに、無理に押し通すのは良くない。
引き際が肝心だ。
それに何より、これから私が送れるように約束を取り付ければいいんだ。
「あの、お弁当……ありがとうございました」
と朝食のお礼を言ってくれる平松くんに、
「私の家ならもっと手の込んだものも食べさせてあげられるから、夜だけじゃなく、朝も来てもらって構わないよ」
というと、さすがに遠慮していたが、迷惑じゃないから来てほしいというと、納得してくれたように見えた。
よし。
今のところはこれでいい。
見送ってくれる平松くんに手を振って平松くん家を後にした。
帰りながらも私の頭の中に甦るのは、出迎えてくれた時の可愛い姿。
本当に映像で残せなかったのが勿体無いくらいの可愛かった。
私にだけはいつだってあんな無防備な姿を晒してくれていいよ。
そう願いながら、自宅に戻った。
さて、平松くんの胃袋を掴むためにも今度は昼食を作ろうか。
数ある弁当箱の中から保温機能付きの三段重ねのものを取り出す。
うちにある弁当箱のほとんどは倉橋くんが開発し、その試作品としてもらったものだ。
食材を採りに出かけるときに昼食を持って出かけることもあるから、かなり重宝している。
店で出すように炊いておいたジューシーともずくスープ、そして、おかずは何にしようか。
若い子だから肉系は必要だな。
柔らかく煮込んだ肉巻きは入れておこう。
味が染み込んでいるから食欲をそそるだろう。
色合いも考えながらお弁当を作り終えたころ、玄関ベルが鳴る音が聞こえて、インターフォン越しに対応すると
「砂川です。お届け物をお持ちしました」
と朝から爽やかな声が聞こえてきた。
安慶名さんや松川くんから何か預かってきたのだろうか? と思いながら、急いで玄関に向かうと、幸せそのものといった表情で迎えられた。
昨日は安慶名さんとの夜を過ごしたんだからそれも当然か。
「おはようございます、お早いお帰りですね。てっきりお昼ごろの船だとばかり思ってましたよ」
「ええ。でもちょっと平松くんの様子が気になってしまって。昨夜は名嘉村くんとお店にお邪魔したでしょう?」
「はい。すっかり仲良くなっていましたよ。三時間ほど喋っていたようですから」
「えっ? そんなに? それなら安心しました」
「それよりも昨夜、変な輩が店に来て彼らを怖がらせてしまって……」
おそらく安慶名さんから聞いているかもしれないが報告は必要だろう。
「少し伊織さんから伺いました。もう伊織さんと社長が動いていますからその件については大丈夫ですよ」
「はい。昨夜倉橋くんからもメッセージが来てましたよ。助かります」
「それならよかったです。あっ、これ松川さんから八尋さんへの贈り物です」
「えっ? 贈り物? なんですか?」
「中身は伺っていないですが、すぐに必要になるものだとおっしゃってましたよ」
「すぐに、必要?」
「はい。あとでご確認くださいね。それでは私は失礼します」
「あっ、ちょっと待ってください」
私が持って行こうかと思ったが、砂川さんに持っていってもらうのも良いかもしれない。
そう思った私は急いで平松くんのための弁当を取りに戻った。
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