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番外編

その後の話※  <航と敬介の場合>

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続きも読みたいと言っていただけたので、続きを書いてみました。
まずは航と敬介編。
次は朝陽と悠真をお届けします♡




<航のその後……>


「祐悟さん……怒ってる?」

「いや、怒ってはないが……困ってはいる」

「えっ?」

「どうしたら航にわかってもらえるかってな……」

「あの……?」

てっきり迷惑をかけてしまって怒っていると思っていただけに、祐悟さんの言っている意味がわからなくてどうしようかと思っていると、

「はぁーーっ、いいか。航は人の目を惹きやすいんだ。だから、もう少し周りに注意して行動してほしいんだ。約束できるか?」

「でも俺……」

「航は俺が一目惚れした相手だぞ。誰の目にも留まるに決まっているだろう?」

俺がここで自分を否定するということは、俺のことを好きだと言ってくれる祐悟さんも否定しちゃうことになるんだろうか……。

とにかく、あんまり騒ぎを起こさないようにしろってことだよね。
せっかくの4人での食事も無しになっちゃったし、ほんと、皆さんに申し訳ない。

「わかりました……気をつけます」

「わかってくれたならいい。これからはどこに行くにも必ずタクシーを呼んでくれ。少しの距離だからといって1人で歩いたりしてはダメだぞ」

「えっ……それは……」

「わかったな?!」

「はい……わかりました」

「よし、じゃあご飯を作ってやろうな。お腹空いただろう?」

そういうと祐悟さんは俺をキッチンに連れて行ってくれて、ささっと手早く美味しそうなトマトパスタとスープを作ってくれた。
厚切りベーコンと茄子のパスタは祐悟さんの作ってくれるパスタの中でも俺が一番好きな味だ。

「さぁ、召し上がれ」

「祐悟さんは?」

「俺はパーティーでいろいろ摘んだし、それに……」

「んっ? それに?」

「後で美味しいデザート食べさせてもらうからな」

「――っ!」

耳元でそう囁かれて、流石の俺でも祐悟さんの言葉の意味を理解した。
美味しいデザートって……そういうことだよね?
ここ最近祐悟さんが忙しくて軽くしかしてなかったから、正直俺も寂しかったんだ。
だから……

「あの……いっぱいお代わり、してもいいですよ……」

思い切ってそういうとさっきまで余裕そうだった祐悟さんの顔が一気に赤くなり、

「くぅ――っ!」

と苦しげに手で顔を覆った。

「あの、祐悟さん……?」

「航、早く食べてくれ。もうあんまり我慢できそうにない」

切羽詰まったようなその声に、パスタを味わいながらも必死に食べすすめ、多分俺史上最速で食事を終わらせた気がする。
祐悟さんは俺が食べ終わったのを見るや否や、急いで俺を抱きかかえ、寝室へと向かった。

そのままここ最近の寂しさを打ち消すほどの愛をもらい、俺は祐悟さんと2人で翌日もずっとベッドの上で過ごした。


<敬介の場合……>




「周平さん……怒ってますか?」

「ああ、怒ってる」

「えっ……じゃあ、俺のこと嫌いになりました……?」

「違うっ! 自分に怒ってるんだ。最初から劇場に迎えに行くことにしておけばよかったとな」

「でも、それは……」

「いいや、私の判断ミスだ。君たち4人が歩いていたらどうなるか少し考えればわかるはずなのに……。
敬介があいつらに襲われそうになっているのをみて、理性が飛びそうだったよ」

周平さんがこんなにも悔しさを露わにするなんて……。
そんなにも俺のことを思ってくれてるんだ。

「でも……助けに来てくれた周平さん、すっごくカッコよかったですよ」

「敬介……」

「あの、俺……お腹空いたので、何か食事とってもらってもいいですか?」

「んっ? あ、ああ。すぐに手配しよう」

「じゃあ、来るまでの間にお風呂入っておきますね」

「えっ……1人でか?」

「はい。綺麗に準備しておくので、食事が終わったら……俺も、食べてもらえますか?」

「――っ! ああっ! もちろんだとも!」

「ふふっ。じゃあ、お風呂入ってきますね」

バスルームの扉を閉めた途端、恥ずかしさが襲ってきた。
うわーっ、誘っちゃったよ。
顔が赤くなっているのが自分でもよくわかる。

――俺のことを食べて……素直にそう言ったらいいですよ。

実は今日、お店に向かっている途中、朝陽くんに相談していたんだ。
自分から誘ってみたいけど誘い方がわからないって。
そしたらそう言って誘えばいいって教えてくれたんだ。

そんなので周平さんに効くのかななんて思ったけど、さっきの周平さん……嬉しそうだったな。
ふふっ。念入りにピカピカに磨いておかないと!!

俺は急いでお風呂場に入り、どこに触れられてもいいように綺麗に準備した。

いつもいつも周平さんが優しく解してくれているからか、自分でも指が挿入るようになって驚いてしまう。
自分の指だと全然気持ちよくはないけど、周平さんの指だとあんなにおかしくなっちゃうんだから不思議だよな……。

周平さんとの夜を思い出していると、自分のソレ・・がゆるく勃ち上がってきた。
うわっ、まずい、まずい。
慌てて水をかけ、なんとか元に戻したけど思い出すだけで勃っちゃうとか俺、どれだけ周平さんのこと好きなんだろう……。

お風呂で準備する時間が欲しくて食事とか言ったけど、正直食事より周平さんと抱き合いたいんだよな……。
でもせっかく用意してくれてるだろうし。
さっさと食べて、周平さんと過ごすんだ!

お風呂から出て脱衣所に置いてあるバスローブを羽織って、周平さんの待つリビングまで戻ると、

「食事はもう準備してあるぞ!」

と慌てたように周平さんが駆け寄ってきた。
ふふっ。こういうところがほんと可愛いんだよな。

少しでも早くと思ってくれているのか、俺を抱き上げるとすぐにそのまま椅子に座り

「敬介はゆっくり食事をしていてくれ。私は少し敬介を味見しておくから」

と笑顔で言われた。

味見??

意味がわからないまま、俺は目の前の食事に手をつけようとすると、後ろから抱きかかえてくれている周平さんの手が俺のバスローブに入ってくる。

「んんっ!」

周平さんの大きな手は俺の身体を撫で回すのに、乳首や肝心なところには全然触れない。

「やぁ――っ、しゅう、へいさん……」

「どうした? 食事をしてていいんだぞ」

「でも、そんな触られ方したら……」

「ふふっ。気持ちいいか?」

「うん。でも……ちゃんと、触ってほしぃ……」

勝手に溢れてきた涙を潤ませながらそういうと、

「ああ、ごめん。意地悪して悪かった。先に食事を済ませよう。大人しく敬介が食べ終わるのを待ってるから……」

と周平さんは俺を抱きしめながらそう言った。

「ご飯はいい……だから、先に俺を食べて……」

「――っ!!!」

周平さんは俺を抱きかかえたまま立ち上がり急いで寝室へと駆けて行った。

「後で敬介にもお腹いっぱい食べさせてやるからな」

そういうと、珍しく獣のようにギラギラとした瞳をさせながら、俺の唇にむしゃぶりついてきた。
朝以来のキスの味は、甘いシャンパンの爽やかな味がした。
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