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夜会
しおりを挟む今夜生まれてはじめて夜会に参加する。クレイさんのダンスの特訓の毎日だったのに、お城の舞台ホールに入場してから一度も踊っていない。私とタケルイとダニーは、王族と一緒に登場した。頭では龍姫や龍騎士は王族より上と分かっているけれど、どうしても生まれてこの方十八年身に染みた庶民としての考え方が抜けない。
王宮はゴシック系で綺麗で豪華だ。金や銀をフンダンに使っている。この国は密かにお金持ちと思ってタケルイに聞いたら、二十年前まではかなり有力な国だったらみたい。恋織物がこの国で作られるので商業が発達した国になったみたい。
夜会の会場は、オリーブ色と黄色と白色で統一された部屋だった。私があまりにもキョロキョロしていたからタケルイが今度王宮を案内してくれると申し出てくれた。少し恥ずかしくなったけれど、城を見学出来るのは楽しみだ。ダニーには、私が落ち着きなくキョロキョロする気持ちが分かりますと言った。
「ミーナ挨拶が終わったから、後は好きなように会場を回っていいよ。私が一緒に回ってあげればいいが、龍騎士と言う役割の前にこの国の王子としての役目を果たさないといけない。ダニー悪いがミーナをよろしくな」
タケルイが私の手を握って、軽くキスを落として言った。
「では、飲み物を飲みますか?」
ダニーが歩きながら言った。
「はい、緊張したから喉が乾いていたから、何か冷たい物を飲みたい」
「では、行きましょうか?」
今日のダニーとタケルイはいつも以上にカッコいい。龍騎士の正装と言う黒い騎士の服装しているんだけど、それぞれの龍に合わせて、マントやボタンの宝石の色が違う。今朝からクレイさんに着付けさせられて、ぐったりしていた時に二人が迎えに来た。つい見とれてしまう。私も二人に横に並んでもみすぼらしくないくらに準備してもらってよかった。
「ミーナ。綺麗だよ」
「こんな美しい方が私の妻なんて光栄です」
タケルイとダニーが何度も賞賛してくうれたので、気持ちだけ自分がプリンセスになった気がした。私とダニーが、歩く度にたくさんの人達に止められた。私達が飲み物が置いているテーブルまで辿り着くのは、一体いつになるのだろう。
「ミーナ、これはあまりアルコールが強くないから飲みやすいよ」
ダニーが使用人から飲み物を貰い私に渡した。
「あ、ありがとう」
私は飲み物を一口取って落ち着いたので、横にいるダニーに話かけようと思ったけれど、彼のまわりにたくさんの人達がいた。いつの間にか私は彼から離れた所にいた。ダニーは皆より背が高いから私からでも見れるけど。私は彼からは見えないみたい。元に彼が焦って私を探している。
「だ、ダニー」
私は手を振ってみようとするけれど、私の前に来た集団によって遮られる。
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