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第二章 魔王エルケニヒ

11 痙攣 ※

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「そら、どうだ? もうこのあたりまで、我慢のあかしが垂れ落ちているではないか」
「あ、あっ……ああぅ」

 股間から、魔王の言葉を証明するかのようにぐちぐちと淫靡な水音が響いている。ねっとりとした粘度の高い液体が自分のモノと魔王の指との間でねばっこく白い糸をひくさまが、リョウマの目裏まなうらにまざまざと想起された。
 たよりない布一枚だけで覆われていたリョウマのそこは、もうしっかりと勃起して寝台の天蓋を指している。魔王は薄い布を簡単に脇へずらしてリョウマのそれを裸の状態にしている。

「可愛い色だ。そんなに使い込んではおらぬだろう? どうだ」
「うっ、うるっせ……あうっ!」

 先をまたぐりぐりと指先で刺激され、竿の部分をゆるゆると扱かれてまた恥ずかしい声が出てしまった。腰もまた、忌々しくも勝手に動きはじめたらしい。魔王が満足げにリョウマの股間を見つめている。

「あ……んう、あはっ……あ、ああっあ……っ」
「後ろはなおのことそうであろう。そなたのここを味わうのが楽しみだ」
「んあ、やっ……やぁめっ……あ、ああっ」

 エルケニヒがひょいと顔を上げると、リョウマの乳首をもう一度味わった。そのままぺろりと鎖骨のあたりや脇までを舐め味わっている。

「ふあっ、く、くすぐってえっ……!」
「ふふ。そう言いながらも腰が動いておるぞ」
「う、うるっせえええ!」
「さあ、どうして欲しい? こうして私の体液を体じゅうから吸収していれば、ろくにものも言えなくなってゆくぞ。今のうちに、してほしいことを申してみよ」
「んっ……ね、ねえよっ。はなせ、帰せええっ」
「ふむ。なかなか手ごわい」

 にやりと魔王が笑って、非常にイヤな予感がした。
 と思ったら、魔王はぐいとリョウマの足をさらに左右へ押し広げ、その間へいきなり顔を沈めた。

「へ? ふわあああっ!」

 絶叫し、背筋を弓なりにしならせる。
 自分のそれが、魔王の温かい口腔の中へしっかりと咥えこまれ、長い舌を絡みつけられて愛撫され始めたのだ。

(いやっ……やだ、やだあっ)

 信じられない。まさか自分が、自分のソレが、魔王にこんなことをされるなんて。
 温かくて、濡れていて、それだけでもどうにかなりそうなのに、この巧みすぎる舌使いは……!

「あっ、は、はなせ……はなしてっ! いや、やだ、ああああっ」

 だが魔王は許してくれない。前のように根本をぎゅっと抑えこんだまま、頬裏や喉奥を巧みに擦り付け、リョウマのものを扱き続ける。その速度が次第に早まってきて、すぐに濃厚な絶頂の予感が腰いっぱいに充ち溢れてゆく。
 どんどん早まる刺激に、リョウマはもうその場所のことしか考えられなくなっていく。
 口は開けはなしたまま、激しく呼吸を繰り返して夢中で腰を振るしかない。

「いやっ、いや、あん、ああんっ……ダメっ……も、ダメええっ!」

 が、根本はやはりしっかり握りこまれている。目の裏にちかちかと光がはじけ、理性はどこかへ吹っ飛んでいく。

「やあっ、はなして……イかせて、やだああっ」
「うむ。もう少し我慢せよ」
「やああんっ! ああっ?」

 ずぷっと後ろに突きこまれてきたのは魔王の指だった。
 前回よりももっとずっとスムーズに、すぐにリョウマの奥にある、あの場所にたどり着いてかりかりとそこを刺激してくる。

「い、やああああっ!」

 もうイヤだ。変になる。狂ってしまう!
 あまりの快楽を一気に与えられると、呼吸すらままならなくなる。リョウマは酸素を求めて喘いだ。

「ひいっ……ひいいんっ」

 全身がぴりぴりと電撃を受けたように痺れ、足が攣りそうなほどにつま先だけで寝台を押し込み、腰を上げた。
 その瞬間、ぱっと根元の戒めが解かれた。

「あ……あ、ああ~ん……」

 ひくひくと全身が痙攣する。
 どっと押し寄せたあまりの快楽の波で、目の前が真っ白になったかと思うと、今度は急に暗くなっていった。
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