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第六章
6 奉仕 ※
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「うっ……はあっ、あああ……っ」
ゆるゆる扱かれ、耳をぱくんと咥えられ、唇で項を愛撫されただけで、シディは簡単に達してしまった。殿下の手の中から、ぴゅうっと白いものが飛び出していく。
たったこれだけの液体が出て行くだけで、どうしてこんなに頭の中心が発光したみたいになってしまうのだろう。
「……あ、はあ……はあ」
「しっかり出したな。いい子だ」
ぺろっと頬を舐められて、背筋にぞくぞくっと快感が這いあがってくる。しっぽが殿下の胸の前でピリピリ震えて、しっかりと快感を表現してしまっている。
「い、インテス様のも、しゅる……」
する、と言いたかったのに幼児みたいな舌足らずになる。そのまま手をのばし、自分の太腿の横で存在を主張していた彼のものを握った。
ん、とインテス様が鼻だけで押し殺した甘い声をたてる。気持ちがいいのは間違いない。
シディは猫のようにするっと彼の膝から降りて、下半身を湯舟につけた。彼の太腿の間に体を割り込ませる。両手をそうっと硬く屹立したものに沿え、先端をぺろりと舐めた。
「は……っ。シディ。それは──」
しなくてよい、とおっしゃるのに聞こえないふりをして、ぱくんと咥える。こんな性技があることをわざわざ見せつけるつもりはなかったのだけれど、今はただそうしてあげたい。
先端の割れ目を舌先でちろちろ舐め、今度は唇と舌全体で包み込んで愛撫する。
じゅぽ、じゅぽっと淫靡な水音が湯殿に響く。それに従うようにして、殿下の隠した口許から甘い吐息が漏れた。
頬裏でしっかり扱き、喉奥をすぼめて先にも刺激を与え、次第にその速さを高めていく。男の匂いがさらにきつくなる。
「んんっ……! ダメだ。放せ、シディっ」
言われてぐいと頭を押しのけられそうになったけれど、シディは彼のものを離さなかった。むしろもっと吸い付いて刺激を強くする。もちろん歯は立てないように細心の注意をはらって。
唇に、硬くもりあがった血管の感触がする。とても力強くて元気だ。
「は……っ」
と、びくびくっと口のなかのものが痙攣した。
次の瞬間、どっと口内に殿下の欲望がぶちまけられた。
「は……あ」
ぴくん、ぴくんと口のなかで柔らかく痙攣するそれが愛おしい。シディは躊躇なく殿下のそれを飲みくだした。
「あっ。ダメだと言うのに。吐け。吐きだせ!」
荒い吐息をつきながら言う殿下に、口を開いて見せる。「もう遅いです」と言わんばかりに。
それから、丁寧に殿下のそれをくまなく舐めてきれいにした。ぴちゃぴちゃと犬の子がおいしい肉でも舐めるようにして。その間、殿下はずっと困ったように顔を覆っておられた。
「……シディ。そなたは、まったく──」
「あっ」
ざばっとお湯が音を立てる。脇に両手を入れられてひょいと持ち上げられ、殿下の膝に馬乗りにさせられたのだ。
困ったような彼の瞳を真正面から見る形になって、はじめて後悔が頭をもたげた。
「あ……あのっ。ごめんなさい。あの……」
こんなもの、間違いなく男娼としての奉仕ではないか。素人の少年がいきなりこんなことをするわけがないのだから。
こんな奉仕なんて、この人にはまったく不要だったかもしれないのに。むしろがっかりされたかもしれないのに。
勝手につい、こんなことをやってしまうなんて。
こんなにも穢れた自分を嫌われたらどうしようとあれほど不安だったのに、あんなに欲望を我慢しているものを見たら我慢できなくなってしまったのだ。
「きっ、嫌いにならないでください……っ。ごめんなさい、勝手にこんなこと──」
「ああ、シディ。誤解しないでくれ。それは気にしなくていい」
ぷるぷる震え始めたシディを、殿下の両腕がしっかり抱きしめてくださった。
「どんなシディでも私は愛している。だれだって過去は塗り替えられない。なによりそれはシディの責任ではない」
「インテス様……」
おそるおそる見上げたら、インテス様の瞳は少し熱に浮かされたようだったがやっぱり優しいものだった。
「気持ちよかったぞ。ありがとう」
「ほ、ほんとうですか?」
「ああ。まあ……少しばかり恥ずかしかったがな」
早すぎただろう、とわずかに赤面しておっしゃる。
シディはきょとんとして美しい方を見返した。
しばし、湯殿の水音だけが響いた。
「……ぷふっ」
「あっ! 笑ったな、シディ!」
「い、いえいえっ。ちがいます、笑ってなんか……うっひゃひゃひゃひゃ!」
案の定というか、なんというか。
その後シディは涙を流しながら「ごめんなさい、許しておねがいインテス様あ!」と叫ぶまで、しばらくその手で散々くすぐられたのだった。
ゆるゆる扱かれ、耳をぱくんと咥えられ、唇で項を愛撫されただけで、シディは簡単に達してしまった。殿下の手の中から、ぴゅうっと白いものが飛び出していく。
たったこれだけの液体が出て行くだけで、どうしてこんなに頭の中心が発光したみたいになってしまうのだろう。
「……あ、はあ……はあ」
「しっかり出したな。いい子だ」
ぺろっと頬を舐められて、背筋にぞくぞくっと快感が這いあがってくる。しっぽが殿下の胸の前でピリピリ震えて、しっかりと快感を表現してしまっている。
「い、インテス様のも、しゅる……」
する、と言いたかったのに幼児みたいな舌足らずになる。そのまま手をのばし、自分の太腿の横で存在を主張していた彼のものを握った。
ん、とインテス様が鼻だけで押し殺した甘い声をたてる。気持ちがいいのは間違いない。
シディは猫のようにするっと彼の膝から降りて、下半身を湯舟につけた。彼の太腿の間に体を割り込ませる。両手をそうっと硬く屹立したものに沿え、先端をぺろりと舐めた。
「は……っ。シディ。それは──」
しなくてよい、とおっしゃるのに聞こえないふりをして、ぱくんと咥える。こんな性技があることをわざわざ見せつけるつもりはなかったのだけれど、今はただそうしてあげたい。
先端の割れ目を舌先でちろちろ舐め、今度は唇と舌全体で包み込んで愛撫する。
じゅぽ、じゅぽっと淫靡な水音が湯殿に響く。それに従うようにして、殿下の隠した口許から甘い吐息が漏れた。
頬裏でしっかり扱き、喉奥をすぼめて先にも刺激を与え、次第にその速さを高めていく。男の匂いがさらにきつくなる。
「んんっ……! ダメだ。放せ、シディっ」
言われてぐいと頭を押しのけられそうになったけれど、シディは彼のものを離さなかった。むしろもっと吸い付いて刺激を強くする。もちろん歯は立てないように細心の注意をはらって。
唇に、硬くもりあがった血管の感触がする。とても力強くて元気だ。
「は……っ」
と、びくびくっと口のなかのものが痙攣した。
次の瞬間、どっと口内に殿下の欲望がぶちまけられた。
「は……あ」
ぴくん、ぴくんと口のなかで柔らかく痙攣するそれが愛おしい。シディは躊躇なく殿下のそれを飲みくだした。
「あっ。ダメだと言うのに。吐け。吐きだせ!」
荒い吐息をつきながら言う殿下に、口を開いて見せる。「もう遅いです」と言わんばかりに。
それから、丁寧に殿下のそれをくまなく舐めてきれいにした。ぴちゃぴちゃと犬の子がおいしい肉でも舐めるようにして。その間、殿下はずっと困ったように顔を覆っておられた。
「……シディ。そなたは、まったく──」
「あっ」
ざばっとお湯が音を立てる。脇に両手を入れられてひょいと持ち上げられ、殿下の膝に馬乗りにさせられたのだ。
困ったような彼の瞳を真正面から見る形になって、はじめて後悔が頭をもたげた。
「あ……あのっ。ごめんなさい。あの……」
こんなもの、間違いなく男娼としての奉仕ではないか。素人の少年がいきなりこんなことをするわけがないのだから。
こんな奉仕なんて、この人にはまったく不要だったかもしれないのに。むしろがっかりされたかもしれないのに。
勝手につい、こんなことをやってしまうなんて。
こんなにも穢れた自分を嫌われたらどうしようとあれほど不安だったのに、あんなに欲望を我慢しているものを見たら我慢できなくなってしまったのだ。
「きっ、嫌いにならないでください……っ。ごめんなさい、勝手にこんなこと──」
「ああ、シディ。誤解しないでくれ。それは気にしなくていい」
ぷるぷる震え始めたシディを、殿下の両腕がしっかり抱きしめてくださった。
「どんなシディでも私は愛している。だれだって過去は塗り替えられない。なによりそれはシディの責任ではない」
「インテス様……」
おそるおそる見上げたら、インテス様の瞳は少し熱に浮かされたようだったがやっぱり優しいものだった。
「気持ちよかったぞ。ありがとう」
「ほ、ほんとうですか?」
「ああ。まあ……少しばかり恥ずかしかったがな」
早すぎただろう、とわずかに赤面しておっしゃる。
シディはきょとんとして美しい方を見返した。
しばし、湯殿の水音だけが響いた。
「……ぷふっ」
「あっ! 笑ったな、シディ!」
「い、いえいえっ。ちがいます、笑ってなんか……うっひゃひゃひゃひゃ!」
案の定というか、なんというか。
その後シディは涙を流しながら「ごめんなさい、許しておねがいインテス様あ!」と叫ぶまで、しばらくその手で散々くすぐられたのだった。
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