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世界樹

どうも、どうやら盗賊団を壊滅させるようです

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ジュッテルへ向けて出発した俺たちは、馬車に揺られながら今後の目標などについて話し合うことにした

にしても商業国ジュッテルか、一体どんなところなんだろう・・・。大まかな話はしたが詳しくは知らない。そうだ、シュタなら宿屋に来たお客さんからいろんな話を聞いているだろうし。シュタに聞いてみよう。

「なあ、シュタ、俺たちが向かってるジュッテルについて何か知ってることはないか?冒険者から聞いた他愛ない話でもいいんだ、到着する前にいろいろ知っておきたくてさ」

「はい!いろんな話を聞きますよ!なんせジュッテルから来られる冒険者さんが多かったので!」

「それはよかった!それで、一体どんな国なんだ?商業国というくらいには商業が盛んなんだろ?」

「はい、その通りなんです。ジュッテルは世界で一番の商業国でこの国に行けば手に入らないものはない!と呼ばれてるくらいいろんな国のものが集まってくるんですよ、モノだけじゃなくいろんな種族の人がたくさんいます!地域によっては種族差別などがありますが、ジュッテルは国王の種族差別禁止令によってどの種族も分け隔てなく平等に扱われています。」

ふむふむ、つまりは世界中の知識が集まるってことだな、学習力上昇が活きる場面が多そうだ、種や実も大量に手に入りそうだな。種族も分け隔てない国、か、まさに理想郷だな国王様はきっといい人なんだろう

「なるほど、別の世界から来た俺が知識や常識を身に着けるうえではまたとないチャンスになりそうだ」

「です!それとジュッテルはお国柄夜の街が非常に賑やかなんです、酒屋が並ぶ市場通りは夜でもとっても明るくて、音楽が鳴り、飲めや歌えやで楽しいそうですよ!、あ、あと大人のお店もあります、け、けどショウさんはだめですからね!私がいるんですから!」

顔を赤らめながら言うシュタに少しぐっと来てしまった・・・可愛い

「はは、大丈夫だよシュタ。そ、それより夜でも明るくてにぎやかなのは楽しそうだな、ますます行きたくなってきた」

「はい!そしてそれだけじゃなくジュッテルは催しものが多いんです毎日のようにいろんなところでオークションや大会が開催されてます!あとジュッテルに行くなら商業ギルドに登録した方がいいって冒険者さんが言ってました!」

なるほど、オークションは参加決定だな、大会は何の大会にもよるが賞金の出る大会なら出てみる価値はありそうだ。とりあえず商業ギルドには登録するとして・・・

「なるほど!ありがとうシュタ!お前がそばにいてくれて良かったよ」

と頭をなでる。目を細めて幸せそうにするシュタ

「えへへ・・・ショウさんの力になれてよかったです」


______________________

ジュッテルについてシュタから話を聞いた俺は当面の目標などを立てて就寝した。

馬車に揺られながら寝ていると前から声が聞こえる

「お客さん!お客さん!起きてください!こりゃあちっとばかしやばい状況ですぜ」

慌ててシュタを起こし、あたりの様子を確認する。

すると2台の大きめで豪華な装飾の馬車が数十人もの盗賊に囲われているようだった。
騎士が周りに十名ほどいたがこの人数差はやばそうだ

「お客さんこりゃまっすぐ行けなそうですぜ、残念ですが急いで回り道を」

「まて、大丈夫だ。馬車のおっちゃんとシュタは隠れててくれ、俺が行ってくる」

「お客さんそれ本当に言って・・・ああ行っちまった」

「大丈夫ですよ運転手さん、ショウさんはS級冒険者と並ぶ実力なんです!」

「へ、へえ・・・俺はとんでもないお客をのせてたんだなあ」

______________________

「リル、行くぞ!」

「キュー!」

リルに剣状態になってもらい、風浪の靴のMPを使い自然操作で体を軽くしてフルスピードで加速していく

「へッへっへ俺らに目をつけられたのが運の尽きだなあ。ちっとばかし上物って聞いてたんでなあ、団員総出で襲いに来てやったぜ、ひゃっひゃ!!野郎ども!!男は全員殺しちまえ!馬車に乗ってる女は使えそうだ生け捕りにして後でおたのしみdグボフェ!!!!」


賊の頭らしき男が豪快に吹き飛ぶ、俺が勢いよく膝蹴りをくらわしたからだが・・・

「へえそれじゃお前の盗賊団は今日で壊滅だな」

目をぎらつかせ新規取得した威圧というスキルをお見舞いする。これはガルドさんの魔術を使った際に手に入れた技だ。

「くっ!や、野郎ども威勢が良くても所詮は一人!囲んじまえばどうってことはねえ!ボコるぞ!」

掛け声とともに周囲の賊どもが一斉にとびかかってくる

「馬鹿が、安直なんだよ!!地形創造!!」

盗賊どもが飛びかかってくるが地形創造で大地を大きくくぼませ土の中に取り込む

「自然操作・火 魔力操作 極大!!」

大きな炎をぶつけようとしたその時

「ひっひっひおいおいそこまでだ・・・こいつが見えねえのか?www」

いつの間にかナイフを馬車の中にいたであろう少女の首に沿わせて下品な笑みを浮かべる賊の頭であろう男

ちっっ隠密スキルでも使われたか

「あぁ・・・私がいながら何という・・・お嬢様・・・」

執事らしき高齢の男性が項垂れてしまっている

「うるせえ!!」

容赦なく腹にけりを入れる

「ぐっ・・・」

「おい、そこのお前妙な真似するんじゃねえぞ武器も置いて手は頭の上だ」

くそ、なんて真似をするんだ。だが高都合だ俺は武器化したリルを足元の茂みに置きながら小声で

「リル、ばれないように殺せ」

意図を汲み取ったリルは伸縮自在で液化し音なく背後に忍び寄ると首を一閃

「ヴっ・・・」

白目をむいて血を吐きながら倒れる

すかさず俺は最速で少女に駆け寄り目を隠す

「いいか落ち着け。深呼吸するんだ。しばらく目は開けるなよ、あとはお兄さんに任せろ」

「はい・・・ありがとうございま・・・」

よほど心にダメージを受けていたのか体の力が抜けてしまっていた

「爺さん大丈夫か、まずこれを飲め。あと嬢ちゃんのこと頼むぞ俺は残りをかたずける」

回復ポーションを渡し先ほど土でとらえたやつらを始末しに行った

______________________

「リル、よくやったえらいぞ!」

リーファの実を与えながら撫でてやる

「キューキュイ~♪」

嬉しそうでよかった。ほんとリルがいなかったら危なかったかもな・・・気を引き締めないと
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